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2023.02.09
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テーマ:ニュース(99425)
国産ジェット旅客機「MSJ」の開発中止、三菱重工が正式発表…採算合わず撤退か
三菱重工業は7日、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発を中止すると正式に発表した。事業から撤退する。開発に1兆円規模を投じてきたが、さらに数千億円かかる見通しで、続けても採算が合わないと判断したとみられる。
中止の理由として、〈1〉開発長期化によって技術の見直しが必要、〈2〉海外のパートナーの協力確保が困難、〈3〉市場規模が不透明、〈4〉「型式証明」の取得に巨額の資金が必要――を挙げ、「事業性が見通せない」と結論づけた。
三菱重工は2008年にジェットの事業化を決め、当初は13年の納入開始を目指していた。しかし就航に必要な安全認証「型式証明」の取得が進まず、コロナ禍の20年に「いったん立ち止まる」として事業の凍結を表明した。
国産旅客機の開発は、官民一体で取り組んだプロペラ機「YSー11」以来、半世紀ぶりだった。国からも研究費として、約500億円の支援を受けていた。

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残念なことです。が、2020年に「いったん立ち止まる」(開発凍結)となった時から、当然に予想されていたことです。
中止の理由をいろいろ書いてありますが、根本的には、4番の米国FAAの型式証明が取れる見込みがない、ということです。米国で型式証明が取れない、つまり米国で営業飛行ができない旅客機を購入する航空会社などありません。もっとも、この期に及んでは、仮に今突然型式証明が取れたとしても、もはや手遅れであることも確かです。2008年当時の最新型は今となってはまったく最新ではありません。こんな、遅れてきた新型機を購入したい航空会社があるとは思えません。
開発凍結の際も書いたと思いますが、MRJ(スペースジェットに改称していますが、開発が実質的に頓挫したあとの改称なので、ここでは旧称のMRJに統一します)の採算性については、最初から多少の不安はありました。だけど、まさか実用機として就航すらできずに終わることは、さすがに予想外でした。

この件について、「米国が、ボーイング社にとって日本の参入は脅威だから型式証明がとれないように嫌がらせをしたせいだ」という陰謀論を見かけることがあります。未だにそんなことを信じているのか、と呆れます。
そもそも、MRJはボーイングの旅客機では市場が重なりません。ボーイングでもっとも小型、かつもっとも売れているB737(及びそれとしのぎを削るエアバスA320)より、MRJの機体規模はかなり小さいです。最初から、ボーイングとエアバスの二強がしのぎを削る150席以上のクラスは避けて、そこと競合しないリージョナル機の市場に参入を図っているのですから、ボーイングの脅威になるわけがないのです。
このクラスの旅客機はブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが二強です。少し機体規模が小さく、プロペラ機しか作っていないですが、イタリアのATR(エアバスの系列会社)もライバルと言えるかもしれません。いずれも米国の会社ではありません。

そして、更に重要なことは、MRJは機体は日本製ですが、エンジンは米国プラットアンドホイットニーのPW1215であることです。なんと言ってもエンジンは飛行機の心臓部であり、もっとも高価な部品です。その米国製エンジンが大量に売れるビジネスチャンスだったはずなのです。それをわざわざ妨害する意図など、あるはずがありません。残念ながら、三菱重工自身のFAA型式証明取得への認識が甘すぎ、対応が甘すぎた、ということに尽きます。
戦後初の国産旅客機であるYS-11の開発製造には三菱も関わってはいますが、開発主体は「日本航空機製造」であって、三菱が全部開発したわけではありません。それも、もう60年近く昔の話です。それ以降、三菱重工は、型式証明などとは無関係な軍用機(自衛隊機)の製造しかしてこなかったわけで、民間旅客機の開発経験は実質的には皆無だったわけです。にもかかわらず、経験を有する国外の他社との協力も積極的に行わなかったところが原因でしょう。

失敗の原因を他人の陰謀のせいにしておけば、失敗の要因を探す必要もないでしょうからね。もっとも、失敗の要因を正しく分析できたとしても、もう二度と日本で旅客機の開発・製造を、ということにはならないでしょうけど。

それにしても、ビジネス機の分野では、それまで航空産業に関しては一切の経験がなかったホンダが、ホンダジェットで大成功を収めたのとは、余りに対照的です。もっとも、ビジネス機の市場は旅客機より小さいですから、ホンダジェットが「もっとも売れるビジネス機」といっても、年間生産機数は30~40機程度ですが。





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最終更新日  2023.02.09 22:44:25
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