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2024.02.15
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テーマ:ニュース(99471)
カテゴリ:戦争と平和
ロシアが戦車3千台失う、侵攻開始時保有と同数 英シンクタンク分析
英シンクタンクの国際戦略研究所は13日、世界の軍事情勢を分析した年次報告書「ミリタリーバランス2024」を発表した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアについては、22年2月に全面侵攻を始めた際に保有していた戦車と同数にあたる3千台以上が失われたと分析した。
一方、報告書は、ロシアがそうした「大規模な損失」の補塡(ほてん)を進めているとも指摘。ロシアの防衛費は「政府の支出の3割以上」になると分析した。また、「ロシアは自国の軍備品に重点を置き、ロシアから武器を輸入していた国の中には他国に目を向けているところも出ている」とした。
領土奪還の反転攻勢を進めるウクライナの軍備品については「西側諸国からの支援に大きく依存している」と説明。その上で「西側や自国が開発したシステムを使ってロシアの黒海艦隊を後退させるなど、創意工夫を見せ続けている」と評価し、海洋無人機(UMV)の有用性を示したことも記された。

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ロシア軍は、ウクライナへの侵略の前、2000両~3000両程度の戦車を保有していたと推定されています。ということは、3000両もの戦車を失ったら、機甲戦力は消滅したはずです。
が、現実にはそうなっていません。それは、冷戦時代に保有していて、近年は現役から外れて保管されていた旧式戦車が7000両以上もあるからです。
それらの戦車は、T72(近代化改修されて現役にあった車両もありますが、未改修で引退していた車両も相当多い)や、さらに古く1960年代前半に開発されたT62、50年代に開発されたT55すら現役に復帰させたと言われています。

データリンクもなければ弾道計算コンピュータもない、ただの鉄の箱に大砲とエンジンと光学照準器を積んだだけの、60年前70年前の戦車が、現代戦で威力を発揮できることは想像もできませんでした。
一方のウクライナ軍でも、欧米諸国から援助された戦車は、レオパルトIIの中でも初期型のレオパルドIIA4(40年以上前の開発)や、さらに古く前述のT62とほぼ同世代のレオパルトI(ある程度近代化改修はされていたと思われますが)も送られています。
これら旧式戦車でも、数がそろえばそれなりの力を発揮する、というわけです。

戦車は一般的に航空攻撃に対しては脆弱です。ウクライナはあまり隠れる場所のないなだらかな地形で、そこで活動する戦車は、通常であれば簡単に航空機の餌食になるはずです。しかし、ウクライナ空軍ロシア空軍ともに活動が不活発なうえに、対空ミサイル等の威力で、航空機が自由に活動できすず、戦車もあまり空からの攻撃にさらされていないようです。
そのこともまた、旧式戦車が活躍できる要因の一つになっているのでしょう。

元々、旧ソ連の軍事思想は「質より量」で押す傾向がありました。しかし、質より量の軍事思想は膨大な軍事力を必要とし、その軍事費負担は(それだけが要因ではないにしても)ソ連が崩壊する一因ともなりました。しかも、湾岸戦争でそれら旧ソ連製の戦車群が、西側の最新兵器によってほとんど一方的に撃破されていったことで、兵器としての有用性自体に疑念がもたれるようになります。
もっとも、湾岸戦争における一方的な展開は、後々明らかになったところでは、制空権(現在の用語では航空優勢)が圧倒的に多国籍軍側にあり、イラク側は空からの攻撃に対する防御手段をほとんど持たなかったこと、イラク軍が取得していたソ連製戦車は、装甲や徹甲弾の弾芯の性能を落とし、それによって価格を下げた、いわゆる「モンキーモデル」と俗称される輸出専用型であったこと、そもそも「質より量」どころか、「量」においてもイラク側は多国籍軍側に劣っていたことが大きな要因でした。

現代の軍事において、「質より量」のコストパフォーマンスは著しく悪いのですが、「コスト」を度外視して「パフォーマンス」のみを見た場合、「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」式の質より量の軍事ドクトリンは、未だ小さからぬ威力を持っていると言わざるを得ません。

もっとも、そのような軍事ドクトリンは、人の命の価値が著しく低い国でなければとることは不可能です。ロシア以外の国が、そのようなドクトリンを取ることは不可能でしょう。実はロシアだって本当は不可能なのです。今は、退役して保管中の旧式戦車を大量に現役復帰という、言い換えれば冷戦時代に国を倒壊させた過去の「遺産」に頼っている状態です。今から低性能だが大量の戦車を製造して巨大な軍事力を復活させることは、さすがにロシアもできません。

とはいえ、一般論ではなく、今回のこのウクライナ侵略に限定して言えば、ロシアの方がウクライナより国力、人口、軍事力いずれも、圧倒的に優勢です。
ウクライナは事前の予想からすれば信じがたいほどの抵抗力を発揮し、ロシアの一方的侵攻を実によく防ぎ切りましたし、ここでの消耗はロシアの将来にとって大きな痛手であることは間違いありません。
ただ、ウクライナが信じがたい善戦を見せたのは戦争初期です。当初ベラルーシから北部に侵攻して首都を目指したロシア軍をほぼ撃退し、続いて東部からの侵攻によって広大な領土を占領されるも、ロシアの隙をついた逆襲で、このうちハルキウなどの相当広い地域の奪回に成功しました。
ここまでの段階では、ひょっとしてロシア軍の完全駆逐も遠くないか、と思わせるものがありましたが、そうは問屋が卸さず、それ以降は一進一退の状況で今にいたっています。

皮肉なことですが、ウクライナの反撃が奏功したのは、まだ欧米諸国の軍事支援が本格化する前です。有名になったジャベリン対戦車ミサイルのような簡便で誰でも使える兵器、旧東欧諸国が保有する旧ソ連製戦車や戦闘機など、ウクライナ(兵器体系は旧ソ連製)にとって使い慣れた兵器が応急的に援助されている間、ウクライナは善戦していました。
しかし、欧米諸国が本格的に戦車や重砲など「量より質」の用兵思想の重機材を援助し始めた頃には、戦線は膠着状態となり、これら強力な西側兵器はその膠着状態を覆せていません。

戦争による傷は、当然のことながらロシアよりは小国であるウクライナの方がより深刻なはずです。ウクライナの疲弊状況も、あまり報じられませんが、当然深刻なはずです。支援してきた欧米諸国も、財政負担に耐えかねはじめ、また戦争初期にはウクライナ支援の一番手だったポーランドとの関係悪化、国内的には軍総司令官との対立と更迭など、ウクライナも内憂外患の状況にあります。

ロシアに侵略の果実を与えるべきではない、とは思いますが、戦争継続の限界は確実にウクライナの方が先に訪れるはずで、どれほどの犠牲者が出ようとも国内が破綻するまで戦い続けるのか、どこかで停戦に動くのか、難しい状況と言わざるを得ません。





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最終更新日  2024.02.15 19:00:09
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Re:果てしなき消耗戦(02/15)   Bill McCreary さん
本論とは直接関係ないですが、今年の1月にタイのバンコクから帰国しまして、その際空港にアエロフロートが駐機していて帰国するであろうロシア人が大勢いました。見た限りみな白人でして、非白人はあまり見かけませんでした。で、こういう記事も流れていますね。

//www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2024/02/22/37820.html

ネパール人がロシア軍のもとでウクライナで戦死するなんて世も末にもほどがありますが、前線で戦うロシア兵も、貧しい階層、非ロシア系が多いようですし、まさにベトナム戦争で黒人や白人でも貧しい白人が全線で戦ったというのと同じですね。日本だって、大卒や学生は、徴兵は猶予されたりされても後方勤務の可能性も高かったわけで、やはり少数民族、貧しいものが前線に行くという構図は(当然ながら)21世紀も変わりません。 (2024.02.25 22:47:45)

Re[1]:果てしなき消耗戦(02/15)   inti-sol さん
Bill McCrearyさん

ネパール人といえばグルカ兵が思い浮かびます。いろいろな国の軍に傭兵として参加して、第二次大戦中は英軍に参加したグルカ兵が日本軍とも交戦していますし、戦後もフォークランド紛争(マルビナス戦争)でアルゼンチン軍と交戦しています。
そこから考えれば、どの国の軍隊に参加しても不思議はないところではあります。ただ、ロシア軍にというところは、確かに驚きはありますね。

>やはり少数民族、貧しいものが前線に行くという構図

ご指摘のベトナム戦争の例から考えても、世界共通の現象なのでしょう。

日本の場合、太平洋戦争中、学徒動員で文系の大学生は徴兵猶予が取り消され、大学生出身の特攻隊員など、戦死者も相当多く出ていますが、死亡率が大学生以外と比較してどうなのかは、私も知りません。
ただ、学徒動員の大学生出身者(のみならず旧制中学以上)は、短期間で幹部候補生試験で選抜されて、下士官に昇進するのが基本だったので、出世が早かったことは間違いありません。
もっとも、下士官は死亡率の面ではまったく安全ではありませんでしたし、「すぐに出世してしまう」ということに対する妬みもあって、初年兵の時点での古参兵からの私的制裁は、相当陰惨なものがあったようです。もちろん、私的制裁が陰惨なのは、別に大学出身の兵士の対してだけではなかったでしょうが。 (2024.02.25 23:14:04)


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