三木成夫さん。解剖学者、形態学者。比較解剖学が専門。『胎児の世界』(中公新書)を読みました。この中で、われわれのからだには生命進化三十八億年の『生命記憶』が刻まれているという。生命のリズムは、いのちを取り巻く自然や宇宙のリズムと呼応するものだと説いている。いったい生命はどうしてリズムを知るのかという問いに、女性の排卵が月の公転と一致して、卵巣から排卵される。このときどのようにしてか月齢を知る。魚や鳥が移動するとき、その時刻と方角をどのように知るのか。という命題に集約されると考える。そしてそれは卵巣こそがその全体の一個の『生きた惑星』ではなかったかと考える。こうして「地球に生きるすべての細胞はみな天体なんだと知ることなのである。」と説き胎児たちはすべて『星の胎児』なのだと。自分流に解釈するとすべての生き物はその根源的な生命のリズムを共有しているということだろうか。ウミガメやカニ、あるいはカエルやサンショウウオの産卵もしかり、かれらのもつ生命のリズムは、本来私たち人間と同じリズムを知っているという事。それが太古からの生命の記憶なんだと…。
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Last updated
2008.11.19 17:43:14
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