昨日鳩を手に入れたいきさつについて書きましたが、その後鳩は
　　どんどん増え、はっきり分かりませんが一番多いときで、２５羽
　　くらいになったと思います。

　　初めの鳩は２羽でオス、メスのつがい。
　　このつがいから子供が何匹か生まれました。
　　鳩って、いつも卵は２個産むんですよ。

　　そうやって２羽ずつ増えていきます。
　　その他には、いつも運動で外を飛ばせるんですが、その時にほか
　　の鳩を連れてきます。

　　足環の付いているものや、付いていないもの。
　　犬で言えば野良犬、鳩の場合は土鳩と言っていました。
　　ちなみに足環ですが、生まれてすぐにそのアルミで出来た足環を
　　足に通します。

　　一度通してしまえば、足の指が邪魔して落ちるような事はありま
　　せん。その足環にはそれぞれ固有の番号がふられていて、その番
　　号と経歴、血統書があるときはその経歴でしょうか、それを鳩の
　　協会に送って登録します。もちろん無料じゃないですよ。

　　まあ我が家の場合、足環は付けたけど、登録まではしなかったと
　　思います。

　　こうして増えていった訳ですけど、その中に一匹、ちょっと変わ
　　った経歴の持ち主がいました。
　　まあ土鳩なのですが、わたしが捕まえたものです。

　　彼が住んでいた場所は、小田原城の城址公園です。
　　この城址公園、一応動物園でもあります。動物園は無料で誰でも
　　入ることが出来ます。と言うより、誰でも入れる城址公園の中の
　　所々に、檻があってそこに動物たちがいるわけです。

　　お猿さんやライオンや、分かりづらいけどシマリス、さらにもっ
　　と分かりづらいかも知れませんが、クマや鷹もいます。
　　あっ、ホロホロ鳥もいます。
　　まあ、すでに３０年以上前なので、今もいるのかどうか分かりま
　　せん。どなたか知っていらっしゃったら、教えてください。

　　ご他聞に漏れず、公園と言うと鳩はつき物です。
　　平和の象徴と言うことになっていますが、環境への適応能力、繁
　　殖能力を考えると、増えて当然と言う感じです。

　　ところでなぜ捕まえにいったのか、我が家で鳩を飼っているにも
　　かかわらず。
　　その当時中学３年生だったわたしには、てっちと言う友達がいま
　　した。ちょっとワル、色は黒くて、普段の授業態度から考えると、
　　どう考えてもお馬鹿の部類です。

　　ところがいざ高校を受験してみると、その地域でもまあまあの進
　　学校に合格してしまったのです。
　　これには、正直たまげた。羊の皮をかぶった狼、あるいは能ある
　　鷹は爪を隠すでしょうか。

　　で、そのてっちが、わたしにこうささやいたのです。

　　「なあビーコム、おまえ鳩ってヨーロッパじゃあ高級料理なんだ
　　　ぞ。フランス料理のフルコースにも出てくる、美味しい肉なん
　　　だぞ。」

　　（高級な料理・・　　おいしい肉・・　　フランス料理・・）

　　わたしの脳の中を、食欲と妄想が飛び交います。
　　特にフランス料理という言葉が、脳みその中を飛び回り、頭蓋骨
　　に当たっては、あっちへこっちへと跳ね返っています。

　　いくらなんでも、我が家で飼っている鳩を、食べるわけにはいか
　　ないし、それに兄の鳩です。
　　と言うことで捕まえることになったのです。

　　ちょっと長いので、ここでいったん切ります。



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