トルコとイスタンブール、ちょっと投資

　今日（22日）は経済面を中心に、社会面でも比較的重要と思われる記事がいろいろと出ていました。全ては紹介しきれませんで、いくつかを抜粋して紹介します。

　なお、今日も、「記事になっていない情報」として、セダット・ペケル犯罪組織首領がソイル内務大臣との関係を暴露したトルコ人ビジネスマン？セズギン・バラン・コルクマズ氏(SBK)に関する続報が、テレビニュースやインターネット・サイト、ソーシャルメディアでは非常に多く報じられていました。今日は特にSBKに関するニュースが非常に多く出ていました。一言で言えば、昨日も紹介しましたが、「アメリカのつけ込まれる？原因が又1つ増えた」という感じでしょうか。一方で、野党はエルドーアン大統領とソイル内務大臣が一切発言を行わず、そして、検察官、警察官も全く何の対応もしていないことを激しく非難していました。ペケル首領の発言はことごとく正確で、嘘をつくことは返って攻撃を受ける材料を提供することになると思っているためか、大統領、内務大臣を始めとする主要人物が全く発言を行わない状況、結果として公的報道機関（AA,TRT）、癒着勢力が所有する報道機関(新聞とテレビ)も全く報道がないということは、非常に奇異に映ります。なお、今日はペケル首領のビデオが公開されなかったためか、こちらは比較的静かな状況でした。

　今日、アナトリア通信(AA)に出ていた記事の見出しは下のとおりです(今日はこれら１～6の記事全てについて紹介します)。

１　会計検査院長にメティン・イェネル氏が選出された

２　６月には消費者物価指数が上昇した

３　カヴジュオール・トルコ中央銀行総裁からトルコ銀行協会への訪問

４　トルコで最も高い収入はイスタンブル県で

５　県別の１０万人当たりの週間KOVID-19新規感染者数が発表された

６　AKP(アール県)パトノス郡支部に対するモロトフ・カクテルでの攻撃未遂事件に関与した4人の容疑者が逮捕収監された

　6月22日(最初の患者確認から469日目)付け「トルコの日々のコロナウイルス統計」から、新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します(なお、保健省から発表される統計には、明確な矛盾が明らかになっているため、必要最小限度の紹介にとどめています)。

今日の検査件数：　　　　　　　 22万3,238件

今日の感染者数：　　　　　　　　6,143人

今日の死者数：　　　　　　　　　 57人

今日の完治者数：　　　　　　　　5,214人

今日までの累計完治者数：　524万2,945人

今日までの累計検査件数：　5,899万7,073件

今日までの累計感染者数：　538万1,736人

今日までの累計死者数：　　　4万9,293人

重症患者数：　　　　　　　　　　　 791人

　ここからは一言解説・雑感です。まだ、恒常的なものかどうかは不明ですが、今日の新規感染者数は6,000人を越えました。予防接種率の増加よりも、デルタ株(インド変種株)による感染拡大が進んだ可能性は否定しきれません。今日からはデルタ株の感染件数が多いロシアからの観光客が直行便で到着し始めましたので、7月1日以降の平常化拡大とあわせて、感染者拡大という結果にならないことを祈るばかりです。

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　今日、最初に紹介するAAの記事の見出しは「会計検査院長にメティン・イェネル氏が選出された」です。今日(22日)付の記事です。　　　

　TBMM(トルコ大国民会議、トルコ国会)総会で、秘密投票で行われた選挙で、会計検査院長が、メティン・イェネル大統領府人事・指針局長とメフメット・アクソイ会計検査院第6委員会委員の間で競われました。投票結果はイェネル局長が255票、アクソイ委員が4票、白票1票、無効票10票で、イェネル局長が選出されました。

　イェネル局長は、2012年には首相府法律・規則局次長、2014年に首相府人事・指針局長、2018年に(大統領制度の変更に伴い)大統領府人事・指針局長になっています。

　ここからは一言解説・雑感です。投票数を見ると、野党は参加していないように思われます。少なくとも、ごく少数しか参加していないようです。会計検査院は、中央銀行以上に独立性が必要とされる、「3権(大統領、国会議長、憲法裁判所長官)」以外では最も重要な機関と思われます。特に、大統領権限が強力になった2018年以降も、表になっている検査結果だけから見ても、非常に良い仕事をしていた(チェック機能を果たしていた)ように思います。しかし、3権の内の1つである司法を担う重要な機関である判事検事(高等)委員会の国会枠である4人(だったと思います)については「3分の2以上」が求められていますが、会計検査院長は「3分の2」ではなく、「過半数」で選出されるようです。

　今日、２つ目に紹介するAAの記事の見出しは「６月には消費者物価指数が上昇した」です。これも今日付の記事で、こちらも抜粋して紹介します。

　トルコ統計庁(TUIK)は、6月の消費者物価指数を発表しました。TUIKと中央銀行(TCMB)が協力して行った消費者動向アンケートの結果から計算された季節調整後の消費者信頼感指数は、6月には前月から5.8％上昇して、5月の77.3ポイントから81.7ポイントになりました。

　過去12ヶ月間と比べた家計の財務(経済)状況指数は0.8％低下して、5月の61.5ポイントから61.0ポイントに、将来12ヶ月間に関する家計の財務(経済)状況予測指数は8.3％上昇して、5月の76.6ポイントから82.9ポイントに、将来12ヶ月間に関する一般経済予指数は9.2％上昇して、5月の78.8ポイントから86.0ポイントに、過去12ヶ月と比べて将来12ヶ月間に関する耐久消費財購入計画指数は5.2％上昇して、5月の92.2ポイントから96.9ポイントになりました。

　ここからは一言解説・雑感です。先月は、「過去12ヶ月と現在との比較では3.8％低下し、今後12ヶ月の家計状況予測は5.5％低下しています。『どんどん悪くなっており、今後も悪化が続く』とトルコ人消費者は思っていることになります。」と紹介しましたが、今月は、「今後12ヶ月」に関する指数はことごとく上昇しています。もしもこの数値が正しい統計に基づくものであるとすれば、「ワクチン接種も進み、『平常化』も進んでいることから、将来への明るい見通しが出てきた」とトルコ人消費者感じているものと思われます。管理者の感覚としては、以前より暗くなっているとは思いませんが、これほど一気に明るくなっているようには思えません。

　今日、3つ目に紹介するAAの記事の見出しは「カヴジュオール・トルコ中央銀行総裁からトルコ銀行協会への訪問」です。これも今日付の記事です。

　トルコ銀行協会(TBB)から行われた発表によれば、シャハップ・カヴジュオール・トルコ中央銀行(TCMB)総裁がTBBを訪問し、TBB執行委員との会合が行われました。同会合では、世界経済及びトルコ経済と、銀行業界における進展に関する分析が行われました。そして、今年後半に関する予測について、意見交換が行われました。

　ここからは一言解説・雑感です。記事はこれだけです。リラ安が止まらない状況で、今後、エルドーアン大統領が指示した「今夏の政策金利引下げ」の実現可能性について、銀行業界からの意見を聞いたのではないかと想像されます。

　今日、4つ目に紹介するAAの記事の見出しは「トルコで最も高い収入はイスタンブル県で」です。これも今日付の記事で、こちらも抜粋して紹介します。

　トルコ統計庁(TUIK)は、2020年「収入及び生活条件調査地域別結果」を発表しました。それによれば、トルコで平均年間等価家計が使用可能な個人収入は、2020年で3万3,428リラと計算されました。

　統計地域単位分類（IBBS）第1段階地域別では、この収入が最も高かった地域は4万9,239リラの「イスタンブル」でした。次いで、3万8,022リラの「西アナトリア(管理者注：アンカラか、その西辺りと思われます)」、3万5,785リラの「エーゲ地方(管理者注：イズミル辺りと思われます)」となりました。

　今日、5つ目に紹介するAAの記事の見出しは「県別の１０万人当たりの週間KOVID-19新規感染者数が発表された」です。これも今日付の記事で、こちらも抜粋して紹介します。

　ファフレッティン・コジャ保健大臣は、県別の週間KOVID-19新規感染者数を発表しました。同大臣は6月12日～18日の10万人当たりの週間KOVID-19新規感染者数は、イスタンブル県で51.27人、アンカラ県で93.11人、イズミルで25.99人となったと発表しました。週間KOVID-19新規感染者数が最も多かったワースト5県は、キュタヒヤ県(116.18人)、ボル県(109.91人)、エスキシェヒール県(107.89人)、アール県(103.47人) (管理者注：先週から2県増えて、以上4県のみが超高リスク県)及びリゼ県(96.99人)でした。一方、最も少なかったベスト5県はオスマーニイェ県(6.20人)、ハタイ県(6.33人)、アダナ県(9.25人)、アドゥヤマン県(11.07人)及びエディルネ県(12.51人)となりました。（管理者注：6位スィノップ県(14.78人)、7位ウードゥル県、8位アイドゥン県及び9位カフラマンマラシュ（17.29人）までが低リスク県となりました。なお、6位のスィノップ県は、管理者の記憶では、一時期600人を越えて、トルコで最悪か、2番目の県だったはずです）

 
（出典：トルコ保健省）

　今日、6つ目に紹介するAAの記事の見出しは「AKP(アール県)パトノス郡支部に対するモロトフ・カクテルでの攻撃未遂事件に関与した4人の容疑者が逮捕収監された」です。これも今日付の記事で、こちらも抜粋して紹介します。

　パトノス郡警察署は、2日前にAKPパトノス郡支部にモロトフ・カクテルによる襲撃を行おうとしたとして拘束していた6人の取調を終了しました。その後、当番裁判所に引き渡され、2人は司法観察処分付きで釈放され、4人は逮捕・収監されました。

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