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カテゴリ:社会問題
今日(20日)は、経済面では重要と思われる記事は出ていませんでした。社会面では、エルドーアン大統領の大学生に関するツイートと、ニューヨークで行った演説に関する記事が3つ出ていました。 「(AAでは)記事にならない情報」では、昨日に引き続き、経済対策、とりわけインフレ対策でいろいろ批判が行われていました。これまでにも紹介しましたが、エルドーアン大統領は、故意に誤解をもたらすことを狙ったのではないかと思われる数字を次々と挙げて発言していますが、それらに対する反論がいろいろな形で紹介されています。それ以外では、「基礎的な数字」がTUIK(トルコ統計庁)から公表されていないという批判も出ていました。それは、「出入国者数」と「死亡者数」です。2019年までは問題なく公表されていた数字が、2020年について第3四半期が終わろうとしているのに未だに発表されていないとのことです。直ぐに頭に浮かぶのは、「COVID-19による死者数を誤魔化しているのではないか」と「難民の数を誤魔化しているのではないか」という2つの疑問です。実際、保健省が発表した2020年3月から2021年8月までのCOVID-19の死者数は5万6,710人ですが、同記事の国民同盟が市長を務めている21市役所における「伝染病による死者数」は6万4,797人となっています。この21の市役所が担当しているのは人口の約半分とのことですので、トルコ全体の「伝染病による死者」は約13万人ということになり、「その他の伝染病による死者数を除く必要がありますが、それでも保健省が発表した数字とは2倍以上の開きがあることは明白と思われます。エルドーアン大統領の発言に関する反論としては、「奨学金は2002年の45リラから2021年には640リラに増えた」と言っていますが、金(Gold)の購入可能量は「3.2gから1.3gに減った」とのことです。更に2002年と2021年の比較では、平均公務員給与は530リラから6,000リラに、スィミット(輪型の硬めの胡麻パン)は0.20TLから2.50TLになっており、平均公務員給与で買えるスィミットの数は 2,650個から2,400個に減っているとのことです。また、ガソリン1リットルの値段は1.62TLから7.76TL(100TLで買うことができるガソリン量は62Lから11.5L)に、ドル/TL相場は1ドル=0.62TLから8.64TLになっています。 最後に政治家、政党支持率に関する情報も出ていました。野党及び反政府系メディアは「エルドーアン大統領の浸食・失血は止まらない」という主張であり、与党系は「外国妨害勢力や自然災害という問題に直面して、一時的に下がっても、直ぐに回復する」という立場です。これ自体は、時間が経ってみなければ分らないし、また、時間が経過すれば明白に分る話です。最大手と言われているメトロポール社の数字では、10点満点(0点から10点)の政治家評価で、マンスル・ヤヴァシュ氏(大アンカラ市長)が5.4(中央値6)、エクレム・イマムオール氏(大イスタンブル市長)が4.7(5)、レジェップ・タイイップ・エルドーアン氏(大統領)が4.2(3)、メラル・アクシェネル女史(Iyi Parti党首)が4.0(4)、スレイマン・ソイル氏(内務大臣)が3.6(2)、トゥンチ・ソイェル氏(大イズミル市長)が3.5(2)、デヴレット・バフチェリ氏(MHP党首)が3.4(1)、ケメル・クルチダルオール氏(CHP党首)が3.3(2)等となっています。「大統領選挙が決選投票になった場合、エルドーアン大統領と各野党候補のどちらに投票するか」というアンケートの結果に酷似しているように思えます(例外は、クルチダルオールCHP党首への評価がかなり低いと言うことでしょうか)。なお、政党別支持率も出ていましたが、以前に紹介したアンケート結果と同じものか、あるいは殆ど変化がなかったのかもしれません。態度未定者分配前では、AKPが25.4%、CHPが18.5%、Iyi Partiが11.5%、HDPが9.8%、MHPが8.9%、未定7.3%、無回答7.7%等となっています。この結果から、共和同盟(AKP+MHP)が34.3%で、国民同盟(CHP+IYI Parti)が30%となり、未だに共和同盟がリードしていることになります。(なお、これまでのいろいろなアンケート比較して、「態度未定」がかなり少なくなっているように思います(他のアンケートでは、「無回答」も「態度未定」に含めているのでしょうか)) 今日、アナトリア通信(AA)に出ていた記事の見出しは下のとおりで、今日は1と2の記事を紹介します。 1 トルコは、国際イノベーション指数で、歴史上最高位となった 2 エルドーアン大統領は、教育の可能性についてスイートした 3 エルドーアン大統領は、『イスラムに対する敵意を、平和に対する脅威となる、破壊的な流れに変えた』と発言 4 エルドーアン大統領は、『我々はテロ組織に奪われ手もかまわない子どもは一人も居ない』と発言 5 エルドーアン大統領は、『トルコ・ハウスは国際社会におけるトルコの地位を反映したものとなる』と発言 9月20日(最初の患者確認から559目)付けの新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します。 今日の検査件数: 34万6,435件 今日の死者数: 231人 今日の完治者数: 2万7,949人
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今日、最初に紹介するAAの記事の見出しは「トルコは、国際イノベーション指数で、歴史上最高位となった」です。今日(20日)付の記事で、抜粋して紹介します。 2021年国際イノベーション指数は、国連の本部をスイスに置く世界知的財産機関(WIPO)から「KOVID-19危機においてもイノベーションを継続させること」を中心議題として開催された開始行事で発表されました。132ヶ国について分析された同指数で、トルコは歴史上最高位となる41位となりました。トルコは、今年10段階上昇し、トップ50に再び入ることに成功するという大躍進を果たしました。
今日、2つ目に紹介するAAの記事の見出しは「エルドーアン大統領は、教育の可能性についてスイートした」です。こちらも今日付の記事で、こちらも抜粋して質疑応答の一部分を紹介します。 レジェップ・タイイップ・エルドーアン大統領は、若者たちに教育分野で実現させた業績に関するツイートを行いました。 エルドーアン大統領は、ソーシャルメディアで行った発信で、「トルコの将来を託す若者たちと我々の間には、ある者たちが自分たちの政治的利益のために継続的に作り出した嘘が入り込婿とを許さない。過去19年間で、あたかも我々は革命を実現させたかのように教育分野の可能性を創造した。神のご加護により、これからも拡大させていく。」との表現を使いました。 行われている奉仕の数字とグラフで2002年と2021年の間で、学生寮の数、収容可能人数、部屋のタイプ、学生寮が存在する県/市・区、食事補助及び学士・修士・博士課程に在籍する学生の数、そして、学生に対する奨学金とローンの額を発信しました。 それによれば、2002年には190ヶ所であった学生寮は2021年には769ヶ所に、18万2,258床であったベッドは71万9,567床に、学生寮が存在する県は75県から81県に、市・区の数は57から241に、食事補助は9リラから570リラに、ローンと奨学金を受けている学生の数は45万1,550人から144万9,387人に増加しました。ローンと奨学金の額は学士で45リラから650リラに、修士では90リラから1,300リラに、博士では135リラから1950リラに引上げられました。 ここからは一言解説・雑感です。今問題となっている「学生への支援の不足」に関しては、数字で反論しているわけですが、「学生寮は十分で、問題は無い。奨学金の額は大幅に改善されている。」が正しいかどうかの証明にはなっていません。少なくとも、「(AAでは)記事にならない情報」で紹介しましたように、「2002年の45リラと2021年の650リラの価値(購入できる量)」で「改善」があったことにはなっていないと思われます。
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Last updated
2021.09.22 11:07:10
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