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カテゴリ:ビジネス
副題は「『未来は作り出せる』は、けっして妄信ではない」というものです。
今回も、この本をテーマに進めていきます。 世界標準の経営理論[本/雑誌] / 入山章栄/著 このエピソードをお聴きにあったことがあるかもしれません(こちらのブログで取り上げた「ストーリーとしての競争戦略」でも引用されております)。 ハンガリー軍の偵察部隊がアルプス山脈の雪山で遭難し、地図もコンパスもない状態で、一枚の紙切れを見つけた。その上には尾根などの位置が書いてあり、隊員たちはそれを頼りに猛吹雪の中を進み、無事、下山した。 ところが、上官がその紙切れを調べてみると、それはアルプスでなく、ピレネー山脈の地図だった。 というものである。 この逸話から得られる教訓は、それを取り上げる状況に応じて様々なのだが、「とりあえず進めるべき道を極めることが必要」というのが、概ね共通する教訓だ。 この章で取り上げる「センスメイキング」は、「納得」であり、「腹落ち」である。 より厳密には「組織のメンバーや周囲のステークホルダーが、事象の意味について納得(腹落ち)し、それを集約させるプロセスを捉える理論」である。 この理論を章の最後に取り上げるのには理由があり、第一に、変化が激しく見通しが難しい世界で意思決定をしなければならないこと。第二に、「イノベーション」などさまざなテーマに、違った角度から光を当てるためである。 哲学的背景:現実は一つか 実証主義:この世は絶対的な真実・真理がある。=誰にとっても「事実」は一つ。 相対主義:物の見方・認識は、主体と客体の相互依存関係の上で成立する。=「事実」を見る人の見方、見識、気分、立場などにより異なる。 本書では、センスメイキングを語るにあたり、相対主義の立場を取る。 センスメイキングのプロセス①:環境の感知 センスメイキングでは、新しかったり、予期しなかったり、混乱的だったり、先行きが見通しにくい環境下で、重要になる。 そのような環境は、以下の3種類に分類できる。 1. 危機的な状況:市場の大幅な低迷など。 2. アイデンティティへの脅威:「我々は何の会社なのか」が揺らぐ時など。 3. 意図的な変化:新規事業創造など。 センスメイキングのプロセス②:解釈を揃える。 ここで重要なキーワードは、「多様性」である。 上記に述べたような状況では、絶対的な一つの見解を見つけることが、不可能なのだ。 組織・リーダーに求められるのは、多様な解釈の中から特定のものを選別し、それを意味づけ、周囲にそれを理解させ、納得・腹落ちしてもらい、組織全体での解釈の方向性を揃えることなのだ。 ここで重要な力が、「納得性 (plausibility)」である・ 「この世には客観的な一つの真実がある」という実証主義を前提にすれば、客観的な情報と、それに基づいた正確な分析が必要で、可能だ。 しかし、急激な変化が起こる状況では、そもそも、客観的な分析が不可能だ。 だから、大まかな方向性だけを示し、納得してもらい、足並みを揃えることが必要なのである。 すなわち、「ストーリー性」がまさに重要なのだ。 日本でも、特に優れているとされる経営者は自社の方向性についてのストーリーテリングに長けている人が多い。 センスメイキングのプロセス③:イナクトメント(enactment:行動、行為) 多義的な世界では、「何となくの方向性」でまず行動を起こし、環境に働きかけることで、新しい情報を感知する必要がある。 そうすれば、その認識された環境に関する足並みを、さらに揃えることができる。 まずは行動することで、人はさらにセンスメイキングを続けられるのだ。 センスメイキングがあるから危機を乗り越えられる。 センスメイキングの高まった組織ほど、極限の状態でも、それを乗り越えやすくなることは、多くの学者が示している。 冒頭に挙げたハンガリーの偵察隊の例もそれに当たる。 「下山できれば、命が助かる」というストーリーがあったので、行動に移せた。 ミンツバーグの極めて有名な論文でも、「優れた陶芸家は、最初は何を作りたいのか自分でもわからず、まずは泥をこね、ろくろを回し、次第に自分が作りたいものがわかってくる」ことを引き合いに出し、「新規事業の計画も同じで、まず初めはとにかく行動し、やがて次第に大まかな方向性が見えてきて、さらに形になっていく」と主張している。 センスメイキング理論のもう一つの重要な示唆は、先のアルプスの雪山で、隊員たちが思い込みにより「助かる」というセンスメイクをしたがために、誤った地図でも生還したことだ。 「思い込む」ことで実現してしまったのである。 「大きな意思・方向性を持ち、それを信じて進むことで、客観的に見れば起き得ないはずのことを起こす力が、人にはある」というのがセンスメイキングの一つの大きな命題で、これをセルフ・フィリング(自己成就)という。 孫氏にしても永守氏にしても、イーロン・マスク氏にしても、今「未来を創っている」経営者たちが、ストーリーで物語を語るのは偶然ではない。 未来を創り出すためには、ストーリーで周囲をセンスメイクさせることが必要なのだ。 そうすれば、事前には「ありえない」と思われていたことが、事後的には「ありえる」のである。 未来は作り出せるのだ。 いかがでしたか。 とても元気の出る内容でしたよね。 この章を、皆様にお届けできることを、大変嬉しく思います。 一つ、私の尊敬する作家で、「森 博嗣さん」がいますが、この方も、「小説を書き出すと、あとは登場人物たちが勝手にストーリーを作って、自分も『なるほどね』と思うことがある」とその著書で語っていました。 今回の、ろくろのくだりは、まさにそういったことを述べているのでしょう。 私個人にとっては、とても示唆に富んだ章でした。 皆様にとっても、そうでありますように。 起業哲人 <Look!> 応援のポチをお願いします! あなたがポチをすると、当ブログの順位が上がります。 当ブログの順位が上がれば、より多くの方にお楽しみいただけます。 執筆者のモチベーションが上がります。 執筆者のモチベーションが上がると、更新頻度が上がります。 更新頻度が上がれば、、、あなたをもっと楽しませられるかも!? ↓ ↓↓ ↓↓ にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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