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2010.02.03
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カテゴリ:植物
一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第712話 「含羞草」

 含羞草(おじぎそう)と合歓木(ネムノキ)の話をしていて、両方とも豆科の植物だと言ったら、含羞草は兎も角、合歓木は木っていうくらいだから豆じゃないんじゃないですか?という素朴な反応があったのでした。

 この辺り、同じ豆科といっても、含羞草は伯剌西爾原産のマメ科の多年草で、合歓木はマメ科の落葉高木ですから見た目はかなり異なるのですが、豆科らしい特徴があるといえば両方ともあるかな~と。

 含羞草は一年草として鉢植で栽培されていることが多いのですが、栽培条件が合えば越年栽培も可能ですし、そうした適地の露地栽培だと意外と花を咲かせて結実して勝手に増殖していきます(笑)。

 上手に育てると50cmくらいの草丈まで育つのですが、知識が無い人だと”雑草”と思うこともあるようで、私が実家の庭で3年ほど栽培していた(つもりの)含羞草は不在中に母によって抜き去られて消滅していました。

 正確には、含羞草を植えていた場所に自分が椿を植えたくなったというのが主な動機だったようなのですが、無頓着というか思いつきで行動するところがあった母は、その他にも私が栽培していた福寿草やアロエベラなどを無断で抜いて跡地の利用をしやがったことがあったのですが、一応、”どこそこに植え替えたからいいじゃない。”とは言っていました。

 ただし、植え替えたという福寿草は日陰で茶色いドライフラワーになっていましたし、アロエベラは根腐れを起こして半ば腐りながら枯れかけていて、再度の移植のかいもなく持ち直すことはありませんでした ・・・ そうまでして自分の好きなように好きなモノを植えてもしばらくすると飽きて放置するのも”いつものこと”でしたから、花や実は好きでも、根気よく世話をする事は好きではなかったのかもしれません。

 含羞草の葉は広線形の小葉が並ぶ羽片を柄の先に4個つけるのですが、この葉が、人が指で触れたり(接触)、明暗や温度の刺激などで下垂し(これを”傾性”)、それぞれの小葉も閉じるように相合わさるのが最大の特徴になっていて、”ネムリグサ”という別称の由来にもなっています。

 その開閉の速さというか反応の早さは(私はですが)厭きることが無かったのですが、”含羞草がお辞儀をしたからって私に何のメリットがある?茂って見苦しいだけじゃない!”と言い放った人がいたというのは実話です ・・・ ちなみに私は含羞草を最後に実家では何も栽培しなくなり、現在に至っています(笑)。

 それはさておき、含羞草は夏になると葉腋から出た柄の先に淡紅色の小さい花を球状に密集して咲かせるのですが、属としてはミモザ属に属するだけに、葉の形状などは含羞草の方が小振りでがあるものの、アカシアの類に良く似ています。

 触ると葉っぱが閉じる植物としては、マメ科の水草のミズオジギソウの羽状複葉も有名で、含羞草と同様の刺激によって閉じて少しすると元も戻るのですが。水草だけに茎が海綿状で太く水中に浮かんでいるため、あまり気が付く人がいないようです ・・・ 黄金色の花を咲かせるのですが、ミズオジギソウ最大の特徴は葉の部分が食べられることではないかと(笑)。

 葉が閉じる事で知られる合歓木は、日本だと本州~沖縄の広い範囲で自生したり庭木として栽培されたりしているのですが、海外だと東~東南アジアの日当りのよい山野の湿地に自生している事が多いようです。

 葉はアカシアなどに似ているといえば似ている気もしますが、2回羽状の偶数複葉という、いささかややこしい形状というか形容になります ・・・ まあ、(それと知らずに)実物を見たことがある人の方が多いとは思いますが。

 合歓木も7~8月になると、小枝の先に紅色の花を日没前に開花させるのですが、それが結実した豆果は9~10月頃に褐色に熟し、やがて落下します。

 豆科ではあっても、木とよばれるだけあって家具材などに利用されることがある程に成長するのですが、合歓木の特性で知られているのは、小葉が夜になると閉じてしまい、それが眠るように見えることで、ネムノキの名の由来になっています。

 ところで含羞草の葉などの開閉現象は、植物の傾性(けいせい)という屈曲運動の一種になるのですが、一般に刺激によって生じる運動の方向は刺激の方向とは無関係で、植物の器官の構造によって定まっているため、どのように触っても変化は同じだったりします。

 具体的には、温度変化に反応して開閉運動をするチューリップやサフランなどの花の場合は”傾熱性”、カタバミやオジギソウなどの葉の日照の有無に反応する”傾光性”が比較的知られています。

 似たような話に屈性(くっせい)という現象があり、植物体が特定の刺激に対して、一定の方向性で曲がる場合はこちらに区分されるのですが、刺激の与えられた側に曲がる場合を”正”、刺激と反対側に曲がる場合を”負”の屈性としています。

 マメ科などでは,膨圧運動による屈性が知られているのですが、他にも刺激の種類によって、屈光性(光)、屈地性(重力)、屈触性(物理的接触)、屈電性(電位差)、屈化性(化学物質)などが知られていて、まあ、ほとんどの植物が何らかの屈性を持っていると言っても過言ではありません。

 話を含羞草に戻すと、前述したように、含羞草は、その小さなアカシア(といってもわからないか?)というか椰子の葉を小さく柔らかくしたような葉っぱに指先か何かで触れると意外と早く葉っぱを折り畳んでしまうのですが、そうした刺激に反応して閉じた葉っぱは、少しするとこれまた意外と早く元の姿に戻っていきます。

 そうした直接的な物理的刺激だけでなく、日の出の約30分前くらいから葉を開きだし、日中は開いたままの状態で過ごし、日没の30分くらい後から次第に葉を閉じて閉じたままで夜を過ごしているのですが、そのあたりで合歓木との共通性を感じる人は感じるかもしれません。

 もっとも、そうした葉などの開閉のサイクルは一般論といえば一般論で、天変地異の類に遭遇すると昼間でも葉を閉じたままだったり、夜中なのに葉が開いている事があり、地震予知にも利用できる植物ではないかという説もあります。

 面白いのは、台風などの植物にとって気圧の変化などから予測しやすい天候の変化に反応するだけでなく、雷が落ちたり火山が爆発する前兆現象としてもそうした普段とは異なる動きが見られることがあり、地震の規模が大きいほど早くから異常行動をする傾向があるようです。

 公式なデータでは無いのですが、地震の前兆現象の記録などによると、大規模地震を予知していたかのような含羞草の異変が2日くらい前から始まったことがあったそうで、考えられる刺激としては、地面の微細な震動や地磁気の異常や地殻から放出される弱電流などなどに反応していたのかもしれません。

 もちろん、個体差は植物にもありますから、敏感に反応する個体もあれば、鈍い個体もあるわけで、本格的に地震予知に使おうと思えば、何カ所蟹分散して一定の本数を長期間栽培し、その反応を気象条件などと合わせて記録して解析していく必要がある事はいうまでもありません。

 そんなわけで、ガーデニングや個人農園などが趣味という人は適当に植えておくと、災害を予知してくれる事があるかもしれません ・・・ 無いかもしれませんが(大笑)。

初出:一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第712話:(2010/01/28)





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Last updated  2010.02.03 01:31:13
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