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2011.06.25
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カテゴリ:宗教
一夢庵 怪しい話 第4シリーズ 第141話 「シャスタ山」

 シャスタ山(Mount Shasta)というのは、亜米利加合衆国のカリフォルニア州北部、カスケード山脈においては南部にある標高4322メートルの火山のことで、シャスタというのはモードック族などの先住民の言葉で”白い”という意味になるそうでが、シャスタ族が住んでいるからシャスタ山というのは恐らく逆で、シャスタ山の周辺に住んでいたからシャスタ族と呼ばれるようになったと考えた方が良さそうです。

 なぜに”シャスタ”が”白い”のかというと、万年雪と氷河を抱いているからですが、シャスタ(男性)とシャスターナ(女性)という2つの峰が並ぶことから”ツインピークス”という別称もあり観光地としても名高い場所です。

 亜米利加のTVドラマ”ツインピークス(Twin Peaks:1990~1991:映画1992)”は、舞台となった架空の田舎の村の名前がツインピークスであることは比較的知られた話で、シャスタ山とは直接の関係は無い話になります。

 ドラマの”ツインピークス”のロケ地は主にロサンゼルスのスタジオとワシントン州スノクァルミー周辺ですが、ドラマの設定では、カナダ国境から南に8キロ、州境から西に20キロに位置するワシントン州の田舎町ということですから、さほど無理のないロケ地だといえましょう。

 万年雪と氷河の雪解け水はサクラメント川の水源で最終的に500キロほど先の桑港湾に注いでいるのですが、日本でもお馴染みのミネラルウオーター”クリスタルガイザー”の採水も行われているというか源泉になっています。

 シャスタ山関連で商品化されたといえば、クリスタルガイザーの他にシャスタ・デイジー(Shasta daisy)が有名ですが、アメリカの著名な育種家ルーサー・バーバンク(Luther Burbank:1849~1926)が1901年に発表した観賞用植物で、交配親はマキシマムやフランスギクで、後に日本のハマギク(Nipponanthemum nipponicum)などとも交配されていくのですが、管状花は黄色または黄褐色、舌状花は白です。

 ルーサー・バーバンクについて語ると長くなるのですが、シャスタ・デイジーの他にアマリリス(熱帯アメリカ原産のヒガンバナ科の一属ヒッペアストラムを品種改良。植物学的なアマリリスは南アフリカ原産の別属の植物のことになるのは、比較的 ・・・ あまり知られていない。)、種なしスモモ、とげのないサボテン、バーバンク種のジャガイモ(1872~1874にかけて品種改良した Burbank potato が有名)などを遺伝子工学が発達していない時代に品種改良だけで産み出し、”植物の魔術師”として知られています。

 著作の”人類のために植物はいかに馴化(じゅんか)されるか(1921)”や”方法と発見(1915)”は、長らく育種学などの古典として読まれていたそうですが、遺伝子工学がここまで発展してしまうと古典を通り過ぎて古文献の類になってしまい、”昔はこうだった”という程度の意味しか持たなくなってしまいました。

 逆に言えば、メンデルの法則やショウジョウバエの形質の遺伝などで知られる遺伝学の、既存の形質をかけあわせることで品種改良を行い、突然変異した種を遺伝形質として定着させるあたりで長らく遺伝に関する研究が足踏みをしていたということですが、1980年代初頭くらいまでだと、その程度の知識でも大学の教授が務まっていたとも言えます。

 従って、そういた古い時代の遺伝学の権威たちは、遺伝子の情報を直接研究し、遺伝子本体を切り刻みつぎはぎし、遺伝子情報を直接操作することで種を改良していく遺伝子工学が主流になってくると存在価値そのものが無くなっていったわけですが、従来は夢物語とされていた稲と麦とのハイブリッド種といった話が現実味を帯びるようになったのも遺伝子工学が発達してから後の話で、それ以前だと、成功する見込みのない技術を前提に延々と”研究中”だったわけです。

 もっとも、だからといってそれ以前の品種改良の結果が無意味だったというわけではなく、例えば、前述したバーバンク種のジャガイモの中で、表面が赤茶色の”Russet Burbank potato(バーバンク種のジャガイモの突然変異種)”は、未だに亜米利加で最も多く栽培されている品種ですし、主産地がアイダホ州ですから日本人もお世話になっているのですが、この手の話は今ひとつ知られていません ・・・ まあ、日本人の場合、馬鈴薯といえば男爵とメークインくらい知っていれば十分といえば十分ですが(笑)。

 話をシャスタ山に戻すと、30万年前に大噴火し、その時に大規模な山体崩壊を起こしたと推定されているのですが、山体崩壊によって45立方キロメートルの土砂が崩壊し、それによって生じた岩屑の雪崩は北西方向へ50キロメートルくらい到達したとされていますが、4-105”貞観富士噴火”で触れたように、過去の富士山の大噴火で富士五湖や青木ヶ原の樹海が形成されたことを考えれば、シャスタ山の史上最大規模の大噴火が洒落にならない規模だったことは類推できるのではなかろうか?

 現在の山麓に見られる丘陵(流れ山地形)部分は、その山体崩壊の時の名残とされていますが、現在確認されている中では世界で最大規模の山体崩壊とされていますから、それ以前のシャスタ山がどういった形状だったのか?は、600年程度の周期で噴火してきたこともあって、実のところ定かではありませんが、最後の噴火の目撃記録が18世紀の話になることから、通常のサイクルならば私の生きている間は、ツインピークスのままで推移しそうです ・・・ 現在生じている地球規模の地殻変動が通常のサイクルならばですが。

 怪しい話としては、近年ではセドナと並ぶ北米最大級のパワースポットとして人気が出ているそうで、パワースポットにUFO目撃談ありということで、御多分に漏れずシャスタ山周辺でもUFOの目撃談は増加傾向にあるそうですし、何しろ西海岸ですから(怪しい話が大好きな私でさえ)頭が痛くなるような怪説が山盛りで展開されていることでも定評があります。

 比較的症状が軽い怪説でも、”マウントシャスタは地球の第8のチャクラにあたる場所で天に一番近い場所”としたり、そこに、”絶滅したレムリアの人々が今なお山奥(というか地下都市)に住んでいる”というレムリア伝説が加わったり、定番のUFOの基地があったり、富士山と地底で繋がっているという説がまことしやかに囁かれているわけです ・・・ 頭痛て~。

 ちなみに、シャスタ山の地下に建設されている地下都市で人気があるのが”地下都市テロス”で、なんとなく1940~1960年代の亜米利加のB級SF映画やSF小説を思い浮かべないでもありませんが、チャネリングという便利な言葉が空想科学小説を駆逐したようで、さまざまな地底都市からのメッセージを複数のチャネラーが受信して書籍化したりネットに発信しているようです。

 山が、その形状から陰陽でいえば陽の属性を持つパワースポットになりやすいというのは比較的分かりやすい話ですし、そのあたりに難癖を付ける気は無いのですが、”誰が8番目のチャクラと決めたのか?そもそも、地球って球体じゃん?”という素朴な疑問を持ってしまいますし、”世界のヘソってイースター島とか濠太剌利のウルル(エアーズロック)だとすれば ・・・”と考え始めると、やはり”いかがなものか?”と(笑)。

 ただし、先住民の聖地であることは間違いが無く、一番神聖視されている”パンサーメドウズ”と呼ばれるシャスタ山の中腹約2000メートルの地にある聖地では、年に一度のネイティブアメリカンの山開きの儀式が今でも行われていますから、山岳信仰という点では一昔前の日本人の方が理解しやすい山かもしれません。

 いわゆるニューエイジムーブメントの名残というか尻尾というかは私には良く分かりませんが、それらしい単語を並べて無理矢理ストーリーをでっちあげてシャスタ山を解説する西海岸文化の暴走は病気の域に達しているのですが、そもそも火山の地下に都市を築く程度の知識しか無い連中が高度な文明を持っていたと主張する連中の頭の構造が私には理解できません ・・・ 妄想や邪推の類は、もう少し妥当性や整合性を持つべきでしょう(笑)。

 素朴な疑問は、いわゆる”気”のコントロールどころか、”気”を見ることさえできない人が、”シャスタ山は富士と並ぶパワースポツトである”と主張しても、そもそもどうやってどのパワーを比べたのか?という事が謎ですし、”素晴らしいエネルギーが~”と言われても、何色でどういった形状の流れでといった”気”の流れが見えていないとできない解説を抜きに抽象論を述べられても信憑性がどうもねえ?

 それ以前の話としては、地下都市に住んでいるのが”レムリア人”と言い出すに至っては、怪しい話で何度も取り上げてきたように、そもそもレムリア大陸が実在せず(従ってレムリア人は存在しようが無い)、欧羅巴の魔術結社で一時的に流行して廃れた、当時の最新の学説を摘み食いした妄言というか空想歴史の典型事例なだけに、前提となる学説が完全否定されている現在では”それを言った段階でアウト”な話ではあるわけです。

 まあ、ムーとアトランティスが実在したというのはニューエイジムーブメントにおける定説の一つと言っても過言ではないのですが、過去のある時期に存在していたとしても、アトランティスもムーもニューエイジムーブメントの系統が主張しているのとはずいぶん違った形だったのではないか?というのが私の結論になりつつあるのですが、何よりも、”そんなに大規模な世界帝国規模の文化や文明圏があったのなら、一定の量の遺跡や遺構、墳墓の類がどこかにあるだろう?”と思うわけです。

 いずれにしても、2012年滅亡説がリアリティを増してきたことで、”アセンション”を主張していた連中は勢いづいていて、新興宗教やワークショップの類も大にぎわいになってきているのですが、”こんな連中しか生き残れないのなら、神様が滅びろという時に素直に滅んだ方がいいんじゃないか?”と(私はですが)考えてしまうのでした(溜息)。

初出:一夢庵 怪しい話 第4シリーズ 第141話:(2011/06/20)





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Last updated  2011.06.25 00:34:27
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