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大飯原発再稼働をめぐるデモは3月29日に始まり、先月29日で14回目と今や 一大イベント。報道関係のヘリも飛んでいたが、大手メディアが状況を十分に伝え てきたとは言い難い。 ……それではヘリを飛ばして国民に何が起きているかを伝えようと「空中戦」に挑 んだ「正しい報道ヘリの会」。とはいえ、資金が必要だ。広瀬隆(作家)さんは城南 信金営業部本店に口座を開設した。「有志は、酒一杯分のカンパを」と呼び掛けた。 「50万円でも集まれば」との思いだった。 ところが知人らに送ったメールはあっという間に日本各地に広がっていった。 大飯原発3号機の再起動に踏み切った翌日の今月2日、広瀬さんは城南信金の支店で 通帳に記帳すると、一冊目では記入しきれない。 窓口で新しい通帳作成を依頼すると、信金職員から「大変な量なので20分か30分 かかります」と言われた。手にした5冊目の通帳を見て、驚いた。繰越残高は787万 8098円。その後も増え続け、5日時点で約860万円に上る。「振り込んでくれた 人の名義を確認して涙が止まらなかった。ほとんどは私が知らない人。これが大飯原 発を止めていく意思だと感じた」と広瀬氏は語る。 ヘリのチャーター代や、スタッフへの支払いなどは105万円。残った金額のうち、 500万円を、福島原発事故の被害を受けた県民約1300人が刑事告訴した「福島 原発告訴団」にカンパした。 だが29日のデモの際、野田佳彦首相は「大きな音だね」と警護官(SP)に話しかけ 「再稼働反対」の思いは届かなかったようだ。 広瀬さんは「国民の代表が国会議員。その中から選ばれる総理大臣が、国民の声に動 じない」と呆れる。 批判の矛先は既存メディアにも。「アラブの春が起きたエジプトなどや、反貧困で若者 が集まった米ウオール街のデモは伝えながら、自分の国で起きているデモの取り上げ方 が少ない。テレビがひどいが、新聞も小さな囲みやベタ記事程度。国民の怒りを伝える という本来の役割を、報道が果たしていない」 報道不信がきっかけとなったヘリによる撮影。今月16日には東京代々木公園で大規模 な「さようなら原発10万人集会」があり、これもヘリで撮影する予定だ。 (東京新聞「こちら特報部」市民のカンパ続々) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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