カテゴリ:ニュース
神は細部に宿る。だからわが新聞の神様もきっとベタ記事にひそんでおられる。 いまから振り返れば、10月30日付けの弊紙朝刊にも、ちゃんといたのだった。 各紙とも激突国会の幕開けで1面から大きく展開するなか、それは4面の左隅に ひそむわずか19行の記事(東京本社発行最終版)である。 野田佳彦首相が前夜、公邸に当選一回の民主党衆議院議員19人を招いた席で 「追い込まれ解散でなく」堂々と積極的な解散をと要望されて「解散させられた、 にはならない」と述べた……。 というだけの小話であったが、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を旗印に 年内解散へにじり寄る首相の様を見るにつけ、やはり、しのぶれど色にいでにけり だったのかと思う。 内閣不信任決議案が成立ないしは成立必至の状況に陥ったり、あるいは衆院の 任期満了・参院選とのダブル選挙になったりすれば、それは結局「追い込まれ」で しかない。ならば、TPP交渉参加で米国をひきつけ、財界などの経済改革派を呼び 込み、さらに自民党との違いを世に示しつつ、いわゆる第三極勢力にくさびも打ち込 める旗を探せ。それなら受動型の「させられた」解散ではない、ということなのだろう。 だが、首相を支え、党内融和で汗をかいてきた50代の民主党幹部はうめく。 「これは衆院の解散じゃない。民主党の解散だ。分裂だ。TPPが争点なんて信じら れない。大量の反対票が自民党に流れ、巨大な離党者が第三極に流入する。結果 として大敗すれば、TPPさえ、宙に浮いてしまうではないか」 (朝日新聞「ザ・コラム」曽我豪(政治部長)) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年11月14日 19時53分29秒
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