朗読(2)続 オカムラヤスキチックなセカイ 2 (朗読と詩 by 塚元寛一 サウンド by hiroyuki)
オカムラヤスユキチックなセカイ 2ついついカレー作りすぎて、どうしてお前は、って怒られちゃうんだ。でもそうしたら奥さん、http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=ぷち、ってブラジャーのホックを外して男になるみたいに、なんてつまらない男、だからあなたhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=はハンバーガーをぱくぱく食べて、ポテトが一本も食べられないのよ、と叱るのね。そりゃそうhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=だよ、とぼくも応じてる。コーラ飲めない男は海上に浮かべた島の、ロールシャッハの汚みだよ。まあ、そんな風に、ぼくはいつも朝の六時・・夕方の五時六時かな、いつも顔を合わせる。http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=あんまり顔を合わせるんで、この奥さん、もしかして友達いないのかなあ、とうすぼんやり思っhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=ていたのだけれど、いつもくだらないことを話しているから、ぼくのこと、ゲイみたいに思ってhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=いるのかな、とおもってた。いつもあんまり近くに思っているから、その日の鳩が、神の啓示http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=だなんて気付きもしないさ。/眼は焦点を失って、大きく開いているのに、それはもう何物も捉http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=えていない。/抱かれている赤ん坊は夜、出歩いたりしない。/知らなかったんだ、彼女が独身http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=だなんて。しかも大分昔に、それも十八の頃に恋人を亡くしてそれ以来だなんて―― ゲイと思われているとhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=思ったから、安心していた、つくづく、ぼくという人間はレオナルド・ダ・ヴィンチみたいに女性と縁がないな、その縁のなさを、骨董品の如く見つめているぼく自身もいたりしてさ。ゲイじゃないけどゲイだけにゲイは身を助けるなんて、博物館や、美術館や動物園へと誘われて、・・旦那さんにhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=謝っておいてくれよ、いやなんだったら、ゲイだってことで後ろから犯しちゃうから。/馬鹿ね。/・・・でも、全部嘘だった。「てっきり、好意をもたれているから、いつか本当のことを話しても大丈http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=夫なのかと、」・・・と、おろおろ弱ったような眼をして、彼女のアパートのテーブルの真向かいに、何喰わぬ顔で、すわっているぼくは、おおよそ間抜けで、俗悪な町に住む欲深くてゲスな商人http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=のような気がしてきた。 ――また会ってくれますか? ちょっと待って、とぼくは思ったhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=。もちろん、すてきな友人だ、ぼくは君のことを失いたくない。だって、あなたがぼくに抱く――神経http://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=質な潔癖さと、なつかしさを、ぼくは、・・・あなたに、感じていたから・・・・・・。 でも虚脱したぼくの耳に、脳がパンに挟まれていた、それ、みたいに、その耳からチーズの匂いがする。警戒する気配もなく、むしhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=ろ、それを望んでいるような態度をとり、ぼくはぼくの意識のまわりで揺れ動く、イラスhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=トの一枚目、二枚目、という無数の絵のなかで、本当に何と情けないぼくがいるんだろhttp://www.youtube.com/watch?v=mHuzmElG0DA&context=C418e4afADvjVQa1PpcFMIiyAmUwTidM5UTjj10TZt97DHnUl0LAw=う、と思う。そこにはやはり旦那さんがいて、一緒にワインを飲んでる。かあん、とグラスを合わせる。そしてそれを、ぼくが、やってもいいのか、と思え始めて・・・。朗読と詩 by 塚元寛一さん サウンド by hiroyukiさん