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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2010年09月05日
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 キュロス城からアルカダ大陸の南部に位置するお母様の生家があるというアクロディーテに向かって歩みを進めていると、急にミハイルからこんな事を尋ねられた。
 「そう言えばセラ、貴女はこの大陸に来るの初めてだって言ってましたよね?と言う事は、お爺さんとおばあさんに会われた事は一度もないんですか?」
 「うん、お母様はザイート家の一人娘って事もあって、将来は家を継ぐために、小さいころからおじい様にみっちりと魔法の勉強をさせられたらしいんだよねぇ。だけどそんな生活に嫌気がさして家を飛び出したって聞いてるの、だから一度もここに来た事もないし、おじい様とおばあ様には会ったことないんだよねぇ」
 「セラのお母様の気持ち、わかる気がしますわ。わたくしもシジル家の一人娘っていうことでそれはもう小さい頃から魔法の勉強をこれでもか、っていうくらいにさせられてきましたもの」
 「だからさ、アクロディーテに行くとは言ったものの、私おじい様にどうやって声をかければいいのかな?ってずっと悩んでるんだよねぇ」
 「まぁ、いきなり現れて私が孫娘ですって言っても信じて貰えねぇだろうなぁ・・・・ん?」
 急に歩くのを止めて、ピタリとその場に立ち止まると耳をすませるクレッシル。
 「どうしたの?クレッシル」
 「いや、向こうの方から助けを求める声が聞こえた気がするんだ」
 クレッシルが指さす方を見てみると、少し離れた場所に岩で入口を閉ざされたように見える場所を見付けたから、私達はそこへ向かってみることにした。
 「すみませ~ん、どなたか中に見えられるんですか~?」
 声をかけてみると、少し間を開けてから衰弱しきった男性の声が中から聞こえてきたよ。
 「おぉ!?どなたか存じませんが助けて下され、出口を岩でふさがれてしまい困っていたのです」
 「へへっ、私の出番だな♪今から岩をぶっ壊すからよ、ちょっと離れててくれよ」
 そう言うと、一歩前に出て目の前にドーンと立ちふさがる大きさ3メートルはありそうな巨大な岩を全力で殴りつけたのだった。
 すると、その出口を塞いでた大きな岩は、ガラガラと音を立てながら崩れていったのである。
 「こんな大きな岩を1撃とか・・人間業じゃありませんわね・・」
 崩れた岩の奥から、けほっけほっ、と軽く咳き込みながら一人の初老の男性が出てきて私達に気付くと軽く会釈をしてきた。
 「旅のお方たち、本当にありがとう・・・・ん?おや、そこにいるのはアセトの嬢ちゃんじゃ?」
 「お久しぶりですわ、ザイートのおじ様」
 アセトは普段見せないような気品あふれた笑顔を初老の男性に向けてふわりと上品に挨拶をしたんだけど・・あれ?今、アセトこの人の事ザイートのおじ様って言った・・・・よね?
 「アセトはこの方と面識があるようですね」
 「えぇ、キュロス王も仰られていましたけど、わたくしのシジル家とザイート家は昔より一緒になってアルカダ大陸を護っている為、親交がありますのよ」
 あ~・・そう言えばキュロス王そんなような事言ってたねぇ・・・・
 「それでおじ様、どうしてこんな場所に閉じ込められていたんですの?おじさまくらいの力があれば簡単にこんな岩くらい壊せましたでしょうに?」
 「魔法で壊そうとも思ったんだがな、魔法を唱えてその衝撃で洞窟が崩落しては元も子もないと思ってな」
 「あ~・・おじ様って昔から手加減とかそういうの苦手でしたわね」
 「はっはっは、恥ずかしながらそうなんだ・・・・!?」
 アセトと談笑してた初老の男性は、私の顔を見ると、驚き目を見開いてこっちを見つめてきた。
 「ん?どうしたの?私の顔に何かついてる?」
 「いや、すまない・・何でもない、ただ20年前に家を出ていった娘に似ておったものだから」
 恥ずかしそうに頭をポリポリと掻くザイートのおじ様と言われた初老の男性。今の反応・・この人が私のおじい様で間違いなさそうなんだけどなぁ・・どうやって話を切り出したものか・・・・
 「そうだ、お前さんがた是非うちに寄っていってくれんか?お礼がてらお茶でもごちそうさせてほしい」
 「そうですね、私達も丁度アクロディーテに用がありましたし、お言葉に甘えてごちそうになりましょうかね」
 おじい様の言葉にミハイルがそう答えると、それじゃあ参りましょう。と、私達は一路アクロディーテへと向けて歩き出した。
 そして、アクロディーテへと到着した私達は、ザイート家へと招かれ、おじい様からお茶をごちそうになりながら話をしていた。
 「そう言えばアセト、お前さん確かグリモアを探しに旅に出たと聞いたが、それは見つかったのか?」
 「魔法の山で闇の書は見付けたんですけど、光の書はまだ見つかっていませんの、それで魔法の山で偶然出会ったセラ達と一緒に今旅をしながら探してる最中なんですのよ」
 「なるほど、あそこにあったのは闇の書だけだったか・・・・」
 ふ~む・・と腕を組んで考え込んだおじい様だったけど、すぐに考えるのをやめてこっちに顔を向けてきた。
 「そう言えば、お前さんまだ若いように見えるが、どのような理由で旅をしているのだ?差し支えなければ話してもらえんか」
 「私は今、ここにいるミハイル・クレッシルに手伝って貰いながら、音信不通になったお兄様を探して旅をしてるんだけど、ロック=ライトっていう名前聞いたことない?」
 「う~ん・・すまんな、聞いた事もない名前だ、力になれずすまん」
 顔を上げ申し訳なさそうにそう言うおじい様、う~ん・・・・ここには来てないってことなのかなぁ?
 その時、横からちょんちょんと腕をつつかれたからそっちを見てみると
 「なぁセラ、あの事は言わなくていいのかよ?」
 クレッシルが小声でそんな事を言ってきたけど、そう言うのって自分から言いだすのって恥ずかしいというか・・何というか、ちょっと言いづらいんだよねぇ。
 腕を組んでどうやって話題を切り出そうかと考えると、服の裾から私の腕につけていたブレスレッドが見えたのか、おじい様は目を大きく開けて驚きこっちを見てきた。
 「そ、それは!?我がザイート家に代々伝わる魔法のブレスレッド!?お前さん、それをどこで・・」
 「これは私が旅に出る時、お母様が持たせてくれたものです」
 「お母様……!?ということは、お前さん、マリアの娘だというのか!!」
 「うん、私はマリア=ザイートの娘、セラフィム=ライト。ごめんなさいおじい様・・最初にアセトがおじい様の事をザイートのおじ様って呼んだ時、もしかして・・何て思ったけど、中々自分からは言い出せなくて」
 「いや、私も最初マリアに似てるセラを見た時、まさかとは思ったが、そうか・・マリアにこんなに大きな娘が。それでセラ、マリアは元気にやっているのか?」
 「うん、ジルオール大陸のセイレーン国にあるヴァイデヴィレッジっていう小さな村で静かに、そして元気にやってるよ。あれ?でも、お母様1年に1回くらいおじい様に手紙を書いてたようだけど・・私やお兄様のこととか、どこで暮らしてるのかとか、そういうのって書いてなかったの?」
 「確かに手紙は届いてるが、そこには私は元気でやってます、心配しないで下さい。としか書いてなかったからな」
 お、お母様・・・・近況報告くらいちゃんとしようよ……これじゃお兄様に手紙の一つくらいよこしなさいって怒れない立場だよ・・・・
 「セラ、マリアは私や母の事を何か言っていたか?」
 「う~ん・・家を継ぐために小さいころから色々と魔法の勉強をさせられて、そのがんじがらめの生活に嫌気がさして出てきたけど、私とお兄様を産んでからは、おじい様とおばあ様の考えもわかるようになった、今は尊敬出来る人だって言ってたよ」
 まぁ・・今言ったのは私の口から出まかせなんだけどさ・・・・
 だって、ねぇ・・本当はお母様、こんな風に言ってたんだもん。

 あんのくそ爺は、ザイートの名誉の事しか頭になくて、その為に一人娘だった私は半ば軟禁させられる形で魔法の勉強ばっかりさせられたのよ!?もし、私の居場所を突き止めてここにきたら絶対に追っ払ってやるわよ!

 こんな事、流石に私の口からは言えないよ……っていうか、こんな事言ってたなんて聞いたら、どうなることやら・・ガクガクブルブル
 「そうか、マリアはそう思ってくれていたか」
 私の言葉を聞いたおじい様は目に涙を浮かべて感慨深そうにしてたよ・・
 あわわわわわ・・まさかおじい様がそんな反応するなんて思ってもなかったよ・・これでおじ様がお母様に会いに行って本当の事を知ったら、私、二人に殺されちゃうよ……
 「実はな、昔私はこのザイート家を護るためということしか考えてなかった、そして一人娘だったマリアに多大な期待を寄せ、色々と魔法の勉強をさせていた、半ば強制的にな、しかしそんな窮屈な生活に嫌気がさしたんだろう、ある日1通の置き手紙を残して、家を飛び出してしまったんだ」
 おじい様が小さな宝箱から1枚の古びた手紙を取り出し、机の上に置いたのだった。

 第15話 魔法の名門ザイート家 その1.終わり
                 その2.へ続く





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最終更新日  2010年09月05日 10時28分30秒
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