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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2010年11月28日
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 パンゲアを出てアイナノアちゃんの後をついて神秘の泉へ歩き始めてから数時間。
 「ね、ねぇアイナノアちゃん。まだ神秘の泉って場所には着かないの?」
 「もう少しですよお姉さん。多分、もうそろそろ着くころだと思います」
 こっちに振り返ってそう答えてはくれたけど・・本当に私達はそこに向かって進んでるのかな?何て不安になってくるよ…
 「何かよ、辺り一面木ばっかで、本当に進んでるのか怪しいもんだぜ」
 「あはは、確かにお姉さん達から見たら、同じような景色が続いてるようには見えるかもしれませんね」
 「アイナノアがついてきてくれたのは正解かもしれませんね、私達だけでは道に迷っていたかもしれません」
 キョロキョロと辺りを見回しながらそんな事を言うミハイル。確かにそうかもねぇ・・これはイシリオンさんに感謝しなくちゃいけないかな?
 「も、もう・・体力の限界ですわ……ど、どこかで休憩いたしませんこと?」
 「ったく・・本当にアセトは体力ねぇよなぁ。アイナノアももうすぐ着くって言ってただろ?我慢しろよな」
 「もう少しって、後何分何秒何ですの・・」
 げんなりとした表情を浮かべるアセトだったけど、その時アイナノアちゃんが前方を指差し、嬉しそうに言ってくる。
 「あ、着きましたよ!お姉さん、ここが神秘の泉です」
 アイナノアちゃんの指さす方を見てみると、その部分だけ木が生えておらず、開けた場所。そして、その中央部分には泉があり、泉の横には祠、そしてその奥の方には何やら天を貫くほど高い塔がそびえ立っている。
 その泉は私が前に夢で見た場所と酷似していた。
 「ここが神秘の泉ですか。前にセラが言ってた通り、確かにここへは初めてくるはずなのに、何故か懐かしい感じがしますね」
 「あぁ、何か不思議な感じだな。これって確かデジャヴって言うんだっけか」
 「そこの泉から凄い魔力を感じますわね」
 私達が神秘の泉の入口の辺りで立ち止まってその場所を見回してると、泉の傍らにいた美しい青色の長髪をなびかせ、背中から白く美しい大きな翼を生やした女神が私達の存在に気付き、こっちに振り返って私達の近くまで来ると、にっこりとほほ笑みかけてきた。
 「久しぶりですね、セラ。と言ってもこうして直接お会いするのは初めてでしたね。それでは改めて自己紹介を、わたしはこの神秘の泉より地上世界を監視しているゲティンと言います。貴女方がこの地へ来るこの日を待っていました」
 「えっと、初めまして・・でいいのかな?ゲティン様」
 「ふふ、ゲティンと呼び捨てで構いませんよ、セラ」
 「ゲティン、今日ここへ来た理由なんだけど・・・・」
 私がその先を言おうとしたら、細く白い指を私の口に当ててその言葉を止めてくる。
 「言わなくても分かっています。ここへ訪れたという事はサタナエル、そして兄であるロックと戦う覚悟が出来たということですね」
 「うん、あの後色々と考えたんだけど、お兄様との戦いは避けて通れないみただしね。それにお兄様を魔の道へと引き込んだサタナエルを許せないし、たとえこの命が散ろうとも戦う覚悟は出来てるよ」
 「セラ、貴女を一人だけ戦わせるなんて事はしません。私達も一緒に戦います。そして、誰も傷つけさせません」
 「へへっ、そうだぜセラ」
 「そうですわよ、わたくしだって、これ以上わたくしと同じ悲しみを誰にもさせたくありませんもの、全力でセラと一緒に戦いますわ」
 「皆・・・・ありがとう」
 「ふふ、仲間というモノはやはりよいものですね。それではセラ、早速こちらの方に」
 私達はゲティンに招かれて泉の横にある祠の中に入ったんだけど、その奥には1本の剣が岩に突き刺さるように安置されていた。
 「あそこに見えるのがマルミアドワーズです。あの剣はオーディンの力に満たされており、それを抜いた者には絶対の勝利が約束されます。しかし、あの剣を抜く事が出来るのは真に世界を救う事が出来るとオーディンに認められし者のみ。かつてサタナエルを退けたムート=ライトの血を引くセラにはその資格があります」
 私がマルミアドワーズの所に行こうとしたら、それをクレッシルが止めてくる。
 「ちょっとまってくれねぇか?セラ、試しに私に抜かせてほしいんだが」
 「あ、うん。別に構わないけど・・」
 「ふふ、確かにクレッシルにも七大英雄の一人、デュナミス=ミシャエルの血は流れていますが、貴女には厳しいかもしれませんね」
 「ちぇっ、言ってくれんぜ。よ~し、そんな事言うなら意地でも抜いてみせるぜ」
 ゲティンが苦笑しながらそう言うのを聞くと、クレッシルはやけに気合いを入れてマルミアドワーズが刺さってる場所まで行き、柄を握ると顔が真っ赤になるくらい全力でマルミアドワーズを引きぬこうとする。
 「ぐぬぬぬぬぬ……でぇりゃぁあああああああああ!」
 常人をはるかに凌駕する力を持つクレッシルが全力で引き抜こうとするも、マルミアドワーズがびくともする気配もない。
 「はぁ・・はぁ・・何だこりゃ!?私が本気で力を入れてるってぇのに、全くびくともしねぇじゃねぇか」
 ぜぇぜぇと息を切らしながら恨めしそうに岩に突き刺さったマルミアドワーズを見つめる。
 「う~っし、こうなりゃやけだ!この刺さってる岩をぶっ壊してやんぜ!」
 そして何を思ったのか、クレッシルはマルミアドワーズが刺さってる岩を殴りつけたよ・・
 だけど、ゴン!って鈍い音がしただけで、岩にはひびすら入った形跡が見えない。
 「いてててててててて!」
 「ぶっ。良い気味ですわ、クレッシル」
 クレッシルは真っ赤になった手を押さえその場で飛び跳ね、ふぅふぅって息を吹きかけながら目には涙を浮かべ、キッとアセトを睨みつけると、アセトは慌てて吹けもしない口笛をひゅ~ひゅ~って吹きながら視線を外す。
 「私が全力でやってもびくともしねぇのに、セラが本当に抜けんのか?」
 「どうだろう、まぁやってみようかな」
 私に対して、本当にできんのか?何て嫌疑の眼差しを向けるクレッシルと交代するように私はマルミアドワーズの前に立ち、息を整え緊張しながらマルミアドワーズの柄を軽く握る。
 「それじゃ、いくよ」
 私は剣を鞘から抜くように軽く引くと、マルミアドワーズはいとも簡単にその突き刺さってた岩から抜け、その刀身が露わになる。
 その剣の刀身は真っ赤に染まり、長さは私の背丈と同じくらい、多分150cmくらい。剣の腹には十字架の装飾が施されてる。
 「これが悪しき心を断つ伝説のマルミアドワーズ・・」
 これだけの大きさにも関わらず、全く重さを感じない。試しに片手で持ってみたんだけど、まるでショートソードを持ってるのかと錯覚するくらい。
 その様子を、感嘆を漏らしながら見守るミハイル・クレッシル・アセト、そして温かくも優しい笑みを私の方に向けるゲティン。
 「すげぇ・・私がどんなにやってもびくともしなかったのに、いとも簡単に抜いちまった」
 「セラがオーディンに認められたという事でしょう」
 「これでセラのお兄様、そしてサタナエルとも対等以上に戦えるというのですわね」
 マルミアドワーズを握る私は、体の内から今まで感じたこともない程にすさまじい力が沸き起こってくるのを感じる。
 「凄い・・体の内からどんどんと今まで感じた事のない力がわき上がってくるのを感じるよ」
 例えるなら、そう某猿人がスーパー何とかって言って、金髪になった時に得る力とでも言うのかな?
 「セラ、今の貴女は今までの貴女とは違います。その手には強大な力と共に全人類の命が託されたと言っても過言ではありません」
 ゲティンはものすご~く、真面目な顔を私の方に向けてそう口にしてきた。
 そして、その時、アセトが私に対してちょっとよろしいですかしら?何て言ってきたから、何だろ?って思いながらもそっちに振りかえった。

 第27話 新たなる力 その1.終わり
            その2.へ続く





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最終更新日  2010年11月28日 03時46分30秒
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