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カテゴリ:ちくわ部 (だらだらいくよ~w (完)
「さて、それじゃあ2つ目のコーナー行くわよ♪」
咲がBGMを切り替えると、何やら子供番組とかで流れてきそうなジングルが流れだし、それを聞いた紫は一つ深呼吸をした。 「紫お姉さんと~」 「……さくぽんの~……」 「お悩み相談室~♪」 「……お姉さん、お姉さん。このコーナーは何をやるんだ?……」 「このコーナーでは、皆から送られて来た悩みや相談のメールを私とさくぽんで一刀両断するコーナーよ」 「……ふむ・・悩み相談か・・私はそういうのに答えるのは苦手だな……」 「大丈夫よ、こういうのはノリとインスピレーションで答えればいいわ」 「……何か、そこはかとなくカオスなコーナーになりそうな気もするが、気のせいだろ……」 「それじゃあ、今日は第1回目っていうことで、紫お姉さんが貰って来たお便りの紹介をするわよ♪え~っと、ラジオネーム・・河合浪漫さんから頂きました~♪ありがと~」 「……河合浪漫・・・・あぁ、由・・「ちょっと、さくぽん!本名を出すのはNGよ。一体何のためのラジオネームよ」 「……あぁ、すまんすまん、河合浪漫さん、ありがとう……」 「それじゃ、読むわよ」 紫は手に持った一通の封筒から手紙を取り出しそれに目を通す。 「紫お姉さん、さくぽん。ちくわぶは~♪」 「……ちくわぶは~?何だそれ・・……」 「さぁ、ここに書いてあったのを読んでみたけど、きっとこの放送に合わせた挨拶だと思うわ」 「……なるほど・・これは使えそうだな……」 「今日は、お二人に相談があってお便りしました。ありがとね、河合浪漫さん♪え~っと・・私は小さい子にしか興味が持てません、特に可愛らしい男の娘が大好きなのですが、これは病気なんでしょうか?あ、違うよね!病気じゃないよね、これは普通だよね!何だ、もう答え出てるじゃん、それじゃあね紫お姉さん・さくぽん。これからも放送がんばってください、そして私をゲストとして呼んでね・・」 そこまで読んだ紫は、不機嫌そうにしながら、おもむろに手に持った河合浪漫からの手紙をぐしゃっと握りつぶし、そのまま背後にあるゴミ箱に向かって投げ捨てた。 「何よこれ・・」 「……ぐしゃ頂きました♪……」 「悩みとかそういう前に、もう自己解決してるじゃない・・そんなもん書くなってのよ・・」 「……ふむ・・いかにも由・・じゃなくて、河合浪漫らしい話だな……」 「てか何?小さい子しか興味が持てない?それって、どう考えても病気じゃないのよ!すぐにでも病院行ってきなさい!」 「……そうか?さくぽんとしては、普通の事だと思うんだが。河合浪漫のその気持ち、凄くわかるぞ……」 「へぇ・・うすうす感じてはいたけど・・やっぱりさくぽんってそうだったのね」 「……紫お姉さんは嫌いか?小さい子……」 「う~ん・・嫌いじゃないわよ?確かに小さい子は可愛いし、好きだけど。それでもそれをこと恋愛感情として成立するのか?って言われると、それははっきりとNOと言えるわ」 「……ほぉ・・ということは、紫お姉さんは薫の事は好きではない、恋愛対象としては見ないというわけか……」 「ちょっ!どうしてそうなるのよ!それとこれとは別問題でしょ!?」 「……はっはっは、冗談だ冗談。まぁ、とりあえず河合浪漫からの悩みに対する返答は、そのまま突っ走れ、でいいか?……」 「いいえ、それは断固として病院に行きなさい、っていうのが私からの返答よ」 「……ということだそうだ、河合浪漫よ、一緒に病院に行くか……」 「まぁ、今回はこんな感じだったけど、他に何か紫お姉さんとさくぽんに解決してほしい悩みとかがあったら、どしどし投書やメールを送って頂戴」 そこで一旦さっきと同じブリリアントのCMが流れ、それが終わると再びマイクをONにした。 「さて、それじゃあ次は最後のコーナー行くわよ♪紫&咲の頑張りまっしゅ!」 「……何だこのコーナーは?一体何を頑張るというんだ?……」 「このコーナーでは、私と咲が出されたお題をやるという簡単なものよ」 「……それで、そのお題というのは、最初から決まってるのか?……」 「ううん、それはここから無作為に選ぶわ」 紫が小さな抽選箱を取り出し、それを軽く振ってからドカッと机の上に置くと、咲はそれをじ~っと、訝しげな表情をしながら見つめる。 「……紫が考えたモノだ・・変なモノしか入ってない気が激しくするぞ……」 「まぁ、まぁ。そんな変なモノは入れてないはずだからそんなに心配しないでいいわよ」 「……よし、それじゃあ早速引いてみるか……」 「何が出るかな♪何が出るかな♪」 「……ジャーン、え~っと・・何々・・2分の間に5段のトランプタワーを作れ?何だこの放送向きじゃないお題は……」 「何か、そこはかとなく放送事故が起こりそうな代物が出たわね・・」 「……あぁ、こんなのやってる間、無言になるのは考えなくともわかるだろ、何故入れたし……」 「まぁ、引いちゃたものはしょうがないわ、早速挑戦してみましょ」 紫はトランプを2つとキッチンタイマーを取りだすと、トランプを自分の手元と咲の手元に置いてから、キッチンタイマーを2分にセット。 「それじゃあ、スタート♪」 ピッと、キッチンタイマーが作動する音がマイク越しに聞こえ、それと同時に二人は手元に置かれたトランプをハの字にしながらまずは土台になる一番下の段を作り、そして2段目、3段目と作って行く。 「あぁ、もう!後少しで完成したのに・・」 「……5段と言っても、時間制限があると結構気が背ってきて、難しいものだな・・あ、崩れた……」 時間制限がなくても手元がプルプルと震えるタワー作りだが、時間制限があると余計に焦ってしまい、作っては崩れ、作っては崩れが繰り返されていく。 その状態に紫はだんだんとイライラを募らせていき、ついには両手を投げ出して放棄してしまった。 「うがぁあああああ!こんなちまちましたお題を入れたの誰よ!こんなの私が出来るわけないでしょ!?」 「……誰って、入れたのは間違いなくお前だろう……」 「くぅう、妬ましい、こんなお題を入れた自分が妬ましいわ!こうなりゃ作戦変更よ!咲がトランプタワーを作るのを邪魔してやるわ、ふ~ふ~」 「……おい、馬鹿やめろ!息を吹きかけるな!あぁ、せっかく後少しで完成したのに・・ひどいぞ紫!……」 「ふふん、良い気味よ。ほらほら、さっさと作りなさいよ」 「……こんな状態じゃ作りたくても作れんぞ……」 結局二人がいがみ合ってる間に2分が過ぎ、無情にもキッチンタイマーが2分経過した事を知らせ、二人はげんなりとした表情を浮かべていた。 「結局、今回は二人とも成功しなかったわね」 「……成功しなかったというか、途中から紫は作る事すら放棄してたじゃないか……」 「そ、そうだっけ?そんな昔の事は忘れたわ」 「……若年性健忘症か・・南無南無……」 「ちょっ!人の冗談をそんな風に取らないでよ!」 「……違うのか?……」 「違うわよ!私はそんなんじゃないわよ・・ったく・・」 「……今回はこんな結果になったが、次回はちゃんとしたモノを入れてくれよ?……」 「わかってるわよ、次はまともな奴を入れておくわ。他にも何かやってほしい事があれば、それも投書やメール待ってるわ♪」 紫がマイクを切って、小声で咲に「最後のエンディング行くからBGM用意して」そう言うと、咲はBGMを差し替え、そしてちょっと大人し目のBGMが流れていく。 「さて、ここまでお送りしてきた第1回 ちくわ部放送局どうだったかしら?皆、楽しめた?」 「……我々は面白かったが、聞いてるほうはどうだったんだろうな……」 「そうそう、忘れる所だったわ、最後に各コーナーへの投書とメールについて説明するわね」 「……そういえば、各コーナーの最後で待ってると言ってたが、肝心の送り先をまだ言ってなかったな……」 「まず投書の方なんだけど、ちくわ部の部室の前に、ちょっとしたアンケート箱を置いておくから、そこに出してちょうだい。後、メールは私でも咲でも、他のちくわ部員の誰でもいいから、件名にちくわ部放送局 お便りって入れて送って頂戴。皆からのお便り楽しみに待ってるわ」 「……ふむ・・他の部員も巻き込むのか……」 「あったり前じゃない、私と咲だけだと知らない人が多いし、それに送りにくいかもしれないでしょ?」 「……そうかもしれんな・・っとと、そろそろ終わりの時間が近づいてきたようだな……」 「この今回の放送は、私の思いつきでやったものだから、まだ第2回目の放送とか、そういうのは決まってないわ。ネタがたまったり、私の気がむいたらそのうちやると思うから、適当に待ってて」 「……何だ、まだ2回目は決まってなかったのか・・ということは、このまま1回で終わってしまう可能性もあるということだな……」 「1回で終わっちゃうのは、何とか阻止したいわね。というわけで、皆からのお便り待ってるわ」 「……うむ、私も2回目以降の放送をやりたいし、どしどし応募してやってくれ……」 「さて、30分っていう長い時間、皆聞いてくれてありがとね♪パーソナリティーは私、丁香花紫と」 「……露海咲でした……」 「皆、待ったね~♪」 こうして、突如として始まり、全校生徒の注目を良い意味でも悪い意味でも集めまくった第1回 ちくわ部放送局は終わりをつげたのだった。 第23話 不定期配信 ちくわ部放送局 その2.終わり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年01月15日 00時14分07秒
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