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カテゴリ:ご当地戦士! サボテンダー (完)
真っ白い衣装に身を包んだ怪人ウイローンに扮するすばるが舞台にあがると周りから失笑がw
まぁ、そうだよなぁ。そうなるよなぁ。 そんな観客達の反応にちょっとたじろいだすばる。 だが、すぐにそんな事を気にしないよう気を入れ直してすばるが演技を始めたんだ。 「ふははは、ここが春日桜町か。小さな町だが過ごしやすそうで良い町ではないか。オレはこの町が気に入ったぞ!ここをオレ様ウイローン様がいただくことにする!だが、その為にはこの町にいると言われるサボテンダーという奴が邪魔だな。奴をおびき出すために誰か人質になってもらうぞ」 そう言いながらすばるは舞台から降りて人質として舞台上に連れてく人を物色し始めたんだがな? その姿からやけに犯罪臭が漂ってるように見えるのは俺の気のせいだろうか ぐるりとゆっくりと観客席を1周して誰を連れていこうか悩んだすばる。 そして、じっくりと時間をかけて連れて行く人を吟味したすばるはある人物の前でピタリと足を止めたんだ。 そのすばるが足を止め舞台に連れてくターゲットにしたのは、足を組んでスナック菓子をバリバリ頬張りつつえらそうな態度で見てた琴子だったんだよ。 完全に身内です。本当にありがとうございました( まぁ・・・確かに他の知らない子とか連れてくよりは、気のしれた相手を選んだ方が色んな意味じゃ楽っちゃ楽だがなぁ‥‥ なんか違う気がする。だが、そんな事を言える状況でもないわけで。 んで、だ。すばるが琴子に手を伸ばそうとしたらだな? 琴子は笑顔で服のポケットから特製BB弾を取り出すとすばるの眼前につきつけたんだ。 「な~に、あたしを連れてこうとしてるのかしら~?確かにあたしは可愛いし、人質にしたい気持ちはわかるけど、そうじゃないでしょ。普通子供連れてくでしょ?あんた何?バカなの?」 ですよねぇ^^琴子様もわかってらっしゃるwでも、だからってそれを突きつけるのはどうなんだよw 流石にこのまま琴子を無理にでも連れてこうとするとショーどころじゃなくなる。身の危険を感じ取ったすばるは手を急いで引っ込めるとその後ろにいた女の子を連れて戻ったんだ。 「出てこい、サボテンダー!早く来ないと、この子に名護市の良い所を吹き込みまくってこの町の人口を減らすように仕向けるぞ!」 すばるは連れて来た女の子に対して、春日桜町と比べて名護市は交通の便も良いし、服とかも色々揃う。等々到底子供が聞いてもあんまピンとこない話を延々としてるんだ。 まぁ、なんていうか。連れてこられた子は完全にポカーンなんて口をあけてるんですがw 「皆、このままじゃこの子が洗脳されちゃうよ!お姉さんと一緒にサボテンダーを呼んで、このウイローンとかいうヘンテコな怪人を倒して貰おう」 そう言ってから、八重が、さんはい!なんて合図をとり、すばるが舞台に上がる前、ちょっと練習した通り、八重のそれに合わせてその場にいる皆が一斉に声をあげた。 『サボテンダー、助けてぇええええええ』 皆で声を合わせて言ったはずなのにな?なんかYFCの奴らの野太い声しか聞こえてこねぇんですけど? ま、まぁ・・・観客の比率から見れば完全にYFCの比率が高いからそうなるのも頷けるが・・・ でも、ぶっちゃけ野郎どもの声援なんか聞いてもやる気がおきねぇんですけど? って、そんなこと言ってる場合じゃねぇな。一応(?)子供達も見に来てくれてるんだし、ここ春日桜町の公式(?)ご当地ヒーローの初お披露目なんだから、出ていかなきゃならねぇよな。 「あれれ~?ちょっと元気が足りないのかなぁ?もう1回、お姉さんと一緒に呼んでみよう!?はい、せーの!」 そんなことを考えてると出ていくタイミングを完全に見失った感がする。 そして、八重は機転を利かせて、もう1回皆に声をかけて呼びかけた。 2回目もやっぱりYFCの奴らの声が聞こえてくる。でも、その中でも微かに子供達やその保護者の声が聞こえてきた。 と、いうわけで、幾分か勿体ぶった後、俺は皆の待つ舞台に躍り出たのだった。 第17話 俺の初舞台 その1.終わり その2.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月24日 00時17分09秒
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