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ジル・エリーと下らない話をしつつダラダラと船の上で過ごしつつ進んでた俺達だったんだがな?
数刻経った頃、遠目に1つの小さな島が見えてきたんだよ。 「ベリル!ベリル!!陸地よ!陸地が見えるわよ!!!」 めっちゃテンション高く大げさにも思えるくらいに嬉しそうにその場でぴょんぴょん飛びながら喜ぶエリー。 まぁ、そんだけ本当にこの船旅が苦痛だったんだろうなぁw 「を?本当だな、あそこがオルロフさんの言ってたイェクンの祠のある孤島か?」 「あぁ~・・・やっとこの長く苦しい船旅から解放されるのね・・・早く船から降りて陸地を踏みしめたいわ」 「あはは・・・とりあえずさ、適当な岩場にくくりつけたら上陸のための準備をしないとね」 と、いうわけで孤島に到着した俺達は適当な岩場に船をくくりつけ、錨を降ろした。 そして、上陸を行なうため、武具や必要最低限の荷物の整理を行いたどり着いた孤島に降り立った。 孤島と言っても、だ。結構大きさのありそうな島だな。 それに、本当に誰かが住んでるのか怪しむレベルに辺り一面に草木が生い茂っていて、よく言えば自然豊か、ぶっちゃけてしまえば草木が伸び荒れ放題。 パッと周りを見渡しただけじゃ何かがあるようには思えない。 「う~ん・・・久々に大地を踏みしめたけど、なんか感慨深いモノを感じるわね」 「しかし、本当にこの島にイェクンの祠なんて場所があんのか?パッと見た限りじゃそれらしいもんがあるようには思えないんだが」 「まぁ、やっぱり祠っていうくらいだし?もうちょっと奥まった岩場の中だったり、洞穴の中にあるんじゃないのかなぁ?」 「んだな、とりあえず探索も兼ねてこの島の内部にもぐりこんでみっか」 と、いういわけで。俺達は道に迷わないように木の幹に傷をつけたり、何かしらの目印をつけつつ島の奥地へと足を踏み入れていった。 暫くすると、だ。俺達の目の前にいかにも中に入ってくださいといわんばかりにポッカリと口の開いた何かありますよ、って感じの怪しい洞窟を見つけたんだ。 「ん?なんだこりゃ?」 「怪しい場所ね。ここがイェクンの祠って場所なのかしら?」 「ちょっと中に入って確認してみようか」 中に入って奥へと進んでいくと、急に奥から光が差し込んできて開けた場所に出たんだ。 その開けた場所には家がポツリと建てられていた。 こんな場所に家? パッと見た限りでは長年手入れがされずに朽ち果てているようには見えない。 むしろ誰か住んでるのか?そんな疑問を持ちながら家の戸を開けて中の様子を窺ってみた。 中に入ると疑いは確信に変わった。 家の中は綺麗に整理されており誰かが住んでいるというこは明らかである。 ただ、ただな?肝心の家主の姿が見えないんだが? 「ん~・・・?綺麗にされてるし、誰かが住んでるのは間違いないんだろうけど、誰も見当たらないわね」 「もしかしたら今はどこかに出かけてるだけなのかな?」 「どこかってどこだろうな?この近くにそんな場所なんてあったっけか?」 家の入り口の当たりでそんな話をしてた俺達の背後から突如声が聞こえてきた。 「あの・・・すみません・・・どちら様、ですか?」 聞こえてきた声はとても可愛らしく若い女性のモノだった。 声の主の方へと振り返ってみると、だ。そこには美しい黒髪のロングヘア、大人しそうな巫女装束に身を包んだ、俺達と年の頃はそんなに変わらなさそうに見える美少女が佇んでいた。 「ん、あ、あぁ。すまねぇ。俺達は旅のもんでよ。ちょっとここら辺りにイェクンの祠っていうのがあるって聞いたもんだから探しにきてたんだ」 「そうそう、貴女。イェクンの祠がどこにあるか知らない?」 「イェクンの祠でしたらここですけど、何か御用ですか?」 イェクンの祠。その単語を聞いた彼女はキリッと真面目な表情を浮かべ俺達を見つめてきた。 「マジか!?ここで合ってたんだな!いやぁ、よかったぁあ」 俺の言葉に少女は自分のことのように嬉しそうに微笑みかけてきてくれた。 「ふふふ、立ち話もなんですし、ここへとこられた詳しい話は中で伺います。さ、どうぞ」 少女に招かれ家の中に入ってテーブルに腰掛けた俺達の目の前に、温かい飲み物が差し出され、それを飲んで落ち着いた所で少女が口を開いた。 第80話 ここがそうなの? その2.終わり 第81話 ツキイシの巫女 その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年08月13日 00時06分56秒
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