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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2017年08月20日
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その魔法を唱えるカグヤさんの姿はとても幻想的で神秘的なもの。
 なんていえばいいんだろう。本当ただただ俺はそのカグヤさんの姿に見惚れていた。
 「古の頃の記憶を呼び覚まし、今再びその真なる姿を我の前に示し給え」
 詠唱が終わると魔法陣が淡い光を放ち始め、そしてそれに呼応するようにカグヤさん自身とグリモアも淡く光り輝き始めた。
 「凄い・・・辺り一面から凄まじい魔力を感じるわ・・・」
 更にグリモアが強く発光をはじめ、辺り一面をその光が覆い始めた。
 そして、暫くしてその光が収まると、その場には黄金色に輝くグリモアが佇んでいた。
 「さぁエリーさん、最後の仕上げにいきます。グリモアをそのお手に」
 カグヤさんにそういわれて恐る恐るといった感じにエリーは魔法陣の中に入り、グリモアへと手を伸ばした。
 エリーがグリモアを手にしたのを確認すると、カグヤさんは再び詠唱を始めたんだ。
 するとグリモアが再び自ら光を放ち始め、その光はエリーの全身を包み込んでいった。
 「何・・・これ・・・凄く温かい光。それに、何だか懐かしい感じがするわ」
 慣れない不思議な感覚にエリーは戸惑いながらも、その手は放さずにいた。
 手に取っているグリモアから発せられている自身を包み込んでる光が彼女の中に入っていくようにドンドンと消えていく。
 「凄い、凄いわ……これがグリモアの力なの?今まで感じた事もない力が体の内からドンドンと湧いてくるのがわかるわ・・・」
 エリーの手の中にあるグリモアは彼女に魔力を与えるのに併せて黄金色から段々と元の古びたモノへと戻っていってるのがわかる。
 そして、それを見たカグヤさんはエリーに対してニッコリと微笑みかけた。
 「これで復活の儀式は終わりました。どうやら成功したようですね。今再びグリモアに魔力が宿り、本来の姿に戻ったようです」
 今エリーの手の内にあるそれは完全に元の古臭いボロボロな見た目に戻ってて、魔力のかけらもない俺からしてみれば、何がどう変わったのかわからないレベル。
 でも、無事に儀式が終わったっていってるし、エリーも嬉しそうにしてるからちゃんと魔力の宿っている状態になっているってことなんだろうな。
 「ありがと、カグヤ」
 自分の役目をキチンと果たせたカグヤさんはすげぇ満ち足りた満足そうな表情を浮かべ、そしてエリーの言葉にカグヤさんは嬉しそうに微笑み返した。
 「いえ、私はただ自分に与えられた使命を果たしたに過ぎないだけです。お礼を言われる事でもありません」
 「いや、そんな事ねぇって、本当ありがとなカグヤさん」
 「さて、これでここでの目的は終わったわけだし、早速グリフォン大陸に向かおっか」
 「なぁ、カグヤさん。あんたはこれからどうすんだ?」
 「私の役目は終わりました。後はこの地でひっそりと余生を過ごすだけです」
 「そ、カグヤ。あんたには世話になったわね。それじゃ、あたし達はコレで行くから」
 「それじゃあね、カグヤさん」
 エリーとジルは軽く手をピラピラとさせてきびすを返したんだが・・・本当にそれでいいのか?そんな想いが俺の心の中を支配していく。
 だって、今この島にはカグヤさんしかいないんだぞ?生きていく為の役目も目的もなく、ただただこれからじっと静かにまだ長いであろう人生を1人で寂しく過ごしていくのか?
 そんなのぜってぇつまんねぇ!大きなお世話かもしれねぇけどよ、カグヤさんはこんな小さな島で1人寂しく過ごしてるだけじゃ駄目だ、こんな場所で人生を終わらせて良いタマじゃねぇよ。
 「ん、どうしたのよベリル、さっさと行くわよ」
 「いや、ちょっと待ってくれねぇか」
 「何よ?まだ何か用があるの?」
 「いや、何かってわけじゃねぇんだけどよ‥‥」
 カグヤさんのほうへ顔を向けると、彼女は不思議そうな顔をして俺を見つつ首を傾げてきた。

 第81話 ツキイシの巫女 その2.終わり
 第82話 カグヤの決断! その1.へ続く





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最終更新日  2017年08月20日 00時39分13秒
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