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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2017年12月02日
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 楽しい時間というのはすぐに過ぎてしまうわけで。
 宴も終わり、ゲティンと別れた私達は天上界からレテ大陸に降り立ち、自分達の乗り込んできた船に乗り込もうとしたんだけどさ?
 「あれ?アセトどうしたの?立ち止まっちゃって、乗らないの?」
 ただ下を俯き、船の前で立ち止まるアセトの姿。
 そして、何かを言おうとしては言葉を飲み込み、そんなのが何度か繰り返された。
 短くない時間が過ぎ、やっと気持ちの整理がついたのか、アセトがゆっくりとその重い口を開いたんだよ。
 「皆とはここでお別れですわ・・・」
 『えっ!?』
 アセトから出て来たのはまさかの別れの言葉だった。
 「ど、どういうことなのですかアセト!?」
 「実は昨日の宴の時にゲティンから言われたんですのよ」
 「ん、何を言われたんだ?」
 「えぇ、ゲティンが天上界に上がることで神秘の泉の管理者がいなくなることは昨日話ありましたわよね?」
 「うん、そうだね。あ、もしかして!?」
 「そうですのよ。わたくしに神秘の泉の巫女になって欲しい。ゲティンからそうお願いされましたの」
 「なるほど、昨日2人がこそこそと隅の方で何かやってたのは、その話をしてたのか」
 「えぇ、皆と別れるのは寂しいですけれど、でも。世界が平和となり、魔導師としてのわたくしの力はもう世界では必要とされなくなりますわ。それでしたら、こうしてわたくしを必要としてくださる場所があるのでしたら、そこで尽力を尽くしたい、そう思ったのです」
 「そうですか・・・わかりました。アセトが自分で決めた事です、私からはとやかく言うつもりはありません。それに、アセトならばきっとうまくやれます。それは私が保証しますよ」
 「うん、アセトが決めたことだしね。私もそれに対してどうこう言うつもりはないよ」
 「あぁ、これが今生の別れになるわけでもねぇだろうしな。ま、また落ち着いたら会いに言ってやるさ」
 「ありがとうございます。セラ・ミハイル・クレッシル。皆との楽しい思い出の詰まった2年はわたくしの大切な宝物として大事に記憶しておきますわ」
 「それじゃあね、アセト!今度遊びにいくからね~」
 船に乗り込み出発した私たちを手を振り見送ってくれたアセトと別れた私たちを乗せた船はレテ大陸を出発し、じきにハルトの街の船着場へと到着した。
 と、その時だったよ。
 「なぁセラ・ミハイル」
 「ん?な、何かな?」
 「どうしたんですかクレッシル?」
 「アセトと別れたばっかで、こんな事を言うのも何だか気がひけるんだが」
 ポリポリと頭を掻きながら何か凄くいいにくそうにしてクレッシル。
 「もしかして、クレッシルもここでお別れだ、っていうつもりなんですか?」
 「な、ははは。ま、簡単に言っちまうとそういうことだ」
 「そうですか・・・」
 「でもでも、クレッシル行く場所あるの?」
 「あ~・・・実はな?えっと、そのぉ・・・」
 さっきも何だか言い難そうな感じだったクレッシルだったけど、今度は何故か頬を少し赤らめて言いよどむクレッシルの姿にミハイルはピンときたようで。
 「あ~・・・ヨハンの事ですか?クレッシル」
 「あ、あぁ・・・そ、そうだ」
 「ん?ん?どういうこと?」
 「実はな?キュロス城で格闘技大会があったじゃねぇか。んで、その前にヨハンとこで一緒に稽古してたんだが、その時に。そのぉ・・・プロポーズ的なモノをな、受けたんだ」
 「お、おぉおおお!?おめでとうクレッシル!」
 「んで、だ。こうして天上人・魔族とも共存する道を歩み始め、私たちの役目も終わった今、私はこんな私を好きだと言ってくれるヨハンの元へ行ってやりたい、そう思うんだ」
 「そうですか、ふふ。うらやましいですねクレッシル。今度セラと一緒に冷やかしに行って差し上げますよ」
 「あ、あはは・・・ま、まぁ。そういうことだからよ、本当。今までありがとな、セラ・ミハイル。皆でした旅・生活。すんげぇ楽しかったぜ♪」
 「クレッシル?ヨハンをあまり困らせてはダメですよ?」
 「へへっ、分かってるって」
 「お幸せにね、クレッシル♪」
 そして、アセトに続きクレッシルまでもが私たちの元から去っていった。

 「セラはこれからどうするんですか?」
 「ん~・・・私はあれだよ。天上人・魔族が手を取り合って共存してくれるとは言ったけどさ、それを私たち人間が受け入れなかったら意味ないし?皆で仲良くしよう!っていうのを世界を回って話ししてこようかなぁ?って思ってる」
 「そうですか、それなら私もそれにお付き合いさせてもらいましょうかね」
 まさかの申し出だったよ。でも、いいのかな?
 「えっ?いいの?ミハイル」
 「ふふ、当たり前じゃないですか。だって私は一番最初、旅に出る時にセラの父上から宜しく頼むぞ、ってお願いされてるんですよ?」
 あ、あ~・・・そういえばいっちばん最初。私がお兄様を探しに旅に出るって時にそんな事を言ってたような気がするよ。
 「それに、まだまだセラは私がいないと出来ないことも多いですし、きっちりとこれからも指導してあげますよ♪」
 「あ、あはは・・・お手柔らかにね」
 「さて、それではまずは一番近いキャメロット城から行くとしますか」

 妹勇者冒険譚 ~ゴッド・オブ・デス~編 終わり





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最終更新日  2017年12月02日 00時03分17秒
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