カテゴリ:絵本
ヨンイのビニールがさ 作:ユン・ドンジェ 絵:キム・ジェホン 訳:ピョン・キジャ 岩崎書店 "もの乞い"という言葉は、今では使われなくなりました そうしなくても誰もが生きていける世界が実現されたから、その言葉を使う必要がなくなって消えたのならいいと思います 昔はたくさんいました 経済的にも社会的にも、いろんな事情を抱えていましたから 韓国もその昔、多かったそうです 韓国でも、日本でも、世界中のどこでも、そういう人たちに対する目は冷ややかです この本では、おじいさんがしゃがんでいるすぐ側で店をやっている女性が冷たい言葉をかけます "そんなこと、言わなくても…" 読者はそう思うかもしれません でも、実際になったら、自分だって同じことを言うかもしれません あるいは、目に入らないか、あるいは入れないようにするかもしれません ヨンイは韓国の小学生の女の子です ヨンイは、雨に打たれてもそこにしゃがんでいるおじいさんが気になって仕方ありませんでした そして、勇気を出して、自分のビニール傘をおじいさんにさしました ビニール傘には意味がありました 韓国では、ビニール傘は裕福ではない家の子どもが使っているのだそうです ビニールでも、ヨンイにとってこの傘は大切なものなのです おじいさんは、そのことがわかっていたのでしょう 下校の時には雨は上がり、おじいさんはいませんでした でも、ヨンイの気持ちに、"ありがとう"とでも言うかのように、ヨンイの傘はきちんとたたんで置いてありました 目を背けたくなる現実、切ない現実がそこにはありますが、向き合う姿勢を問われたように思います #絵本 #ヨンイのビニールがさ #韓国 #森の小さな絵本カフェ #絵本くらぶ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.29 12:28:15
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