カテゴリ:絵本
文: ミシェル・マーケル 絵: ナンシー・カーペンター 訳: 金原瑞人 西村書店 "いまが1726年じゃなくてよかったね" この言葉にハッとしました なぜか? この時はまだ子どもの本はなかったんです "子どものための本がない" なんて考えたこともありませんでした まったくなかったと言ったらウソになりますね この頃、子どものための本といえば、 勉強や礼儀作法を教えるものが一般的でした 子どもが読んで楽しい本がなかったんです そんな中、"子どもが読んで楽しい子どもの本"が必要だと考えた人物がいました それが、本書で紹介されているジョン・ニューベリーでした 世界で初めての児童書専門出版者となったジョンは、18世紀のロンドンで大成功を収めます その業績を讃え、今やその名前は賞の名前につけられているのです その賞こそ、 1922年に世界で初めて創設されたアメリカの児童文学賞「ニューベリー賞」なのです 前置きが長くなりました🙇♀️ この絵本は、そんなニューベリーのお話です ニューベリーは農家に生まれましたが、農作業より本を読むことが好きでした やがて印刷所での仕事を経験し、 遂には自分の会社をつくります 勉強や礼儀を学ぶためだけの本ではなくて、 子どもにだっておもしろい本があってもいいと考え、自分で本を出版することにしました そして、 作ったのが 『小さなかわいいポケットブック』です "子どもがおもしろいと思う本"というだけでも画期的なのに、ジョンは本をおもちゃとセットで売り出します (付録の考えですよね。最初の付録は何だったと思いますか?答え合わせは本を読んでみてください) それが当たり、 本は飛ぶように売れたのでした ほかにも、ジョンの頭の中には色々なアイデアが溢れていました どんなことを考えていたか 読んでいて、こっちまでワクワクしてきます! まだジョンがやっていないことで、私たちが見つけられることがあるんじゃないか、なんてことも考えてしまいます 何かを始める時、反対意見は常につきものです もちろん、後押ししてくれる意見も 周りがどんな風に捉えていたのか、どんな人が力になったのか、それも絵本で楽しんでみてください 誰もが知っているあの哲学者の名前も出てきます まだ、自由だとか、権利だとか、そうした概念がしっかりと確立していない時代にやはり進んだ考えを持っていたな、そうした偉人のおかげで、私たちの今日があるのだな、と感謝の気持ちを改めて持ったのでした ぜひ、読んで頂きたい一冊です #絵本 #子どもの本の世界を変えた ニューベリーの物語 #森の小さな絵本カフェ #絵本くらぶ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.29 13:29:51
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