会社経営の安定性・健全性を見る財務指標
エスイーエスが、1/16に民事再生手続き開始の申し立てを行いました。市場で強力テーマになりつつある太陽電池関連銘柄で安値ということもあり、注目された方もいると思います。しかし、突然パンクなんてことは当たり前の大不況です。こういう状況下だからこそ、企業の財務状況は常にチェックしなければいけない。ゆえに、↓この3点の財務指標は最低限押さえて少しでも回避していきたい。負債資本倍率=有利子負債÷株主持分株主持分比率=株主持分÷総資産有利子負債CF倍率=有利子負債÷営業キャッシュフローこれらの財務指標は、会社経営の安定性・健全性を見るうえで適している計算式と言われています。そこで・・・同上3点の財務指標計算から、同じ新興市場で太陽電池関連銘柄でもある同銘柄とフェローテックで比較してみます。指標判断:◎理想、○妥当、△注意、×危険 判断基準は、私のよく見る財務指標ページを参考にして下さい。3つの指標のうち、1つでも×が出たら注意! 2つ×なら危険、3つ×なら超危険、2つ△は×1つに相当。エス・イー・エス(株) [JASDAQ:6290]半導体製造用の洗浄装置ではトップシェア。脱フロン化にも対応。太陽電池製造装置も展開。会社四季報(08-12-15)から※単位(百万円)【財務】 総資産: 22,678 株主持分: 7,060 有利子負債: 12,533【キャッシュフロー】 営業CF: -1,401【業績】 営業利益:525(08-03実績)、-2,700(09-03予想) 【負債資本倍率】12,533÷7,060=1.77(倍) △【株主持分比率】7,060÷22,678=31.13(%) △【有利子負債CF倍率】12,533÷-1,401=11.13(倍) ×(株)フェローテック [JASDAQ:6890]サーモモジュールと磁性流体技術が軸。真空シールは世界シェア7割。太陽電池設備が急成長。会社四季報(08-12-15)から※単位(百万円)【財務】 総資産: 50,879 株主持分: 21,339 有利子負債: 17,405【キャッシュフロー】 営業CF: 4,413【業績】 営業利益:3,057(08-03実績)、3,700(09-03予想) 【負債資本倍率】17,405÷21,339=0.81(倍) ○【株主持分比率】21,339÷50,879=41.94(%) ○【有利子負債CF倍率】17,405÷4,413=3.94(倍) ○※注意点これらの財務指標の基準値は、業種(特に金融・証券・保険業)や会社規模によりバラつきが出るので注意。同関連銘柄で率を比較したり主要関連銘柄の平均を出して比較し、競争の激しい業界で、1社だけ突出していたら疑ってみることも大切です。そして・・・これらの指標診断を更に掘り下げる判断として・・・同上3点の財務指標計算には直接出てこない営業利益に注目することです。いわゆる売上高に対する営業利益の割合のことですが、本業での収益の伸率を見ることによって今後の状況が変わってくるのは当然のことです。例えば・・・エスイーエスは、525(08-03実績)→-2,700(09-03予想) 大幅マイナスフェローテックは、3,057(08-03実績)→3,700(09-03予想) 続伸予定見て分かるように、同上3点財務指標と営業利益の状況により、どちらに投資したいか一目瞭然と思います。また、民事再生手続きをしたエスイーエスについて去年の12/15以降に、このような診断は出来たということです。但し、あくまでも予想は未定事なので数字だけを信じてもいけませんが・・企業の『内容と結果』の充実を常に吟味・チェックしていくことの重要性を感じます。「同上3点の財務指標」について取り挙げさせて頂きましたが、他にも注目しなければならない点や見方もあります。この判定目安は本来すべての指標や事柄を総合的に判断しなければなりません。あくまでも目安ですので、その点は ご了承下さい。また、私の勝手な解釈もご容赦下さい。長々と読んで頂きありがとうございました。