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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2024.09.27
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カテゴリ:作家



あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、別れたいが別れさせてくれない。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職したが、実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。由美子の父親に会い、慰謝料も支払い問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まったが、女性問題がありタイのシラチャへの出張が決まった。


写真はネットより借用

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「頑張ると言うか、もうされるがままよ。あんなに気持ち良いのは初めて。」
「そうかい? じゃー、今夜も、又、やろう!」
「又、するの?」
「嫌かい?」
「嫌じゃーないけど、気持ち良すぎるよ。癖になりそう。」
「癖になってもいいじゃないか?」
「だって、会社でやりたくなったら困るでしょう?」
「うん、そりゃ困るな。どっか出来る部屋はないかい?」
「倉庫かなー?」
一度結ばれたばかりであるが、大胆な会話である。もう倉庫でする事まで話が進んでいる。

チキンも来たがチキンを半分にするのは難しい。骨があるから細切れにしか切れない。
ハンサが苦労しながら、骨と身を分けた。
「適当につまんで食べてね。」
「分かった。食べよう。」
ポークもチキンも美味しかった。ビールを飲みながら、それらをつまみに飲む。
「今日は大晦日だ。1年の終わりだ。この1年はどうだった?」
悠介が聞いた。
「う~ん、そうね、前半は元彼と別れて少し気落ちしていたけど、後半は元気を取り戻した。オフィスも日本人が増えて賑やかになったしね。それに悠介に会えたのは今年のハイライトだよ。」
「そうか、僕と会えたのが今年のハイライトか。そう言われれば、俺にとってもハンサに会えたのが、今年一番の出来事かな。しかし今年の俺の1年は、激動の1年だったよ。」
悠介が語り出した。前半はまだ学生であった。唐橋由美子と別れたいのに別れてくれない、苦しい期間だった。就職して連絡先を告げず、これで別れられると安心していたら、会社の住所を調べて手紙が来る、挙句の果てに自殺未遂。実習中なのに人事ののお偉いさんと謝罪の為、親に会いに行く。

話していて、悠介は、確か、もうこの話はしたよな、と思い出していた。
「あれ? この話はもうハンサに言ったよね?」
「聞いたよ、だから社内恋愛はバレたら問題があるって。」
「そっか、今年の大きな出来事だし、誰にも話せない事なので、記憶に大きく残っているのだよ。」
「分かった。何度でも話して。そしてその後は?」
「その後はさー。」
悠介は飲みながら、再び話し出した。鹿沼工場の総務部に配置され仕事に励もうと頑張っていた時、人事部の森本さんと言う女性に気に入られ、上司経由交際を求められた。しかし、唐橋由美子との一件もあるし、結婚したいとも思わなかったので断った。そしたら、冷却期間を置いた方が良いと言う事で、異例であるが、シラチャへの出張を命じられて、ハンサと出会ったのだった。

「へぇ~、悠介はモテるんだねー。どこへ行っても周りは女性だらけじゃん?」
「そうかなー? 俺自身は全く分からない。でも、確かに付き合っている女性がいなかったのは、今年の4月からハンサに会うまで位だった。変則的な恋愛も含めて誰かが傍にいたね。」
「やっぱりね、悠介は、モテるよ。放したく無くなって来た。結婚してくれる?」
「悪い冗談はやめてくれ。結婚はしたくないって言ったよね?」
「分かっているよ。冗談よ。」
悠介はドキッとした。又、ここで結婚を求められたら行き場がなくなる。ハンサとの付き合いは、絶対に内緒で会社に知られてはならないと、強く思った。

ここ1年の出来事を話して居たら、時間はアッと言う間に過ぎ去ってしまった。ポークもチキンも食べ終っていた。
「帰る?」
「うん、ここは出ようか?」
歩いて宿に帰る途中、呼び込みに声を掛けられた。ヌードショーのようだ。悠介は入って見たいと思ったがハンサと一緒である。迷っていたら、ハンサが言った。
「見たいのなら一緒に入ろう。」、と。
それで入場する事にした。

中へ入ると、ポールダンスを行っている。上半身は裸である。下半身は小さなパンツを穿いている。ポールを握って、腰をくねらせ色っぽく踊っている。
「仲々、色っぽいね。綺麗だ。」
「そう? 悠介もスケベだな。」
「せっかく入場料を払って入ったんだ。しっかり見ないと。」
ポールを掴んだ娘さん達が、悠介たちを見ながら腰をくねらせて踊っている。お客で若い女性はいないので、珍しいのであろう。客はハンサ以外は、全て男性である。しかも年寄りが多い。若い男女の客は悠介たちだけである。
踊っている女性は全部で6名。音楽に合わせてそれぞれ勝手に踊っている。踊りが上手な娘もいれば、ただ腰を揺すっているだけの娘もいる。

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Last updated  2024.09.27 04:56:54
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