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2017年05月28日
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カテゴリ:現代俳句
「読売新聞」朝刊2面「四季」(長谷川櫂)に掲載されました。(2017.5.27)
飛込みは鯵刺のよう沈下橋 松田ひろむ

「橋の欄干から子どもが次々に川に飛び込む。今は禁止されているのだろうが、昔は夏の遊びだった。沈下橋は増水すれば沈む橋。それほど高くないはず。アジサシは空から急降下して魚をとらえるスマートな海鳥。句集『一日十句』から。」(長谷川櫂)
記憶の不思議
拙句を読み返しているうちに、不思議なことに「しゅうびん」という言葉が蘇ってきた。「しゅうびん」は飛込みをいう土佐弁だが、いまは記憶の彼方になっていた。頭から飛びこむといいのだが、横になってしまうと腹を打って痛い。それを「腹びん」といった。そんな言葉があるかと確かめるために、いろいろな辞書を引いてみたが出ていない。
ネットで「しゅうびん 土佐弁」でgoogle検索すると、ちゃんとあった。しかも坂本龍馬だ。
山本一力『龍馬奔る』第2巻(ハルキ文庫)。
龍馬は着衣を小龍に託した。
「日本の鎖国は、土佐の筆之丞・五右衛門・万次郎の三人が取り去ってくれると信じています」
言い終えた龍馬は、欄干の上に立った。
両手を沈んだ夕陽に向けて突き出し、勢いを込めて飛び込んだ。
橋番は小屋の前の欄干に駆け寄った。ほんとうにやったのかと、目には敬いの色が見えた。
 鎖国を破るしゅーびんたれ!
水音を聞きながら、小龍はこれを念じていた。(p148)

竜馬はどこの橋の欄干から飛び込んだのだろうか。鏡川なら分りやすい。拙句は「沈下橋」で沈下橋には基本的に欄干はない。
私の幼時の記憶とたどると、鏡川(柳原)に架っていた沈下橋があった。調べてみるとこの沈下橋は日本で最初のもので1927年(昭和2年)に架設。1977年(昭和52年)に撤去されたという。この沈下橋は自動車も通れたように思うが、もちろん欄干がないので危険であった。こわごわ歩いたものだった。
yomiuri

「読売新聞」2017.5.27


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●山本一力=1947年高知県生まれ。小説家。会社員を経て、97年に「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。2002年には『あかね空』で第126回直木賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より)





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Last updated  2017年06月03日 06時30分18秒
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