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カテゴリ:行き先不明の物語
ぶらさげられたおばさんが 風音に負けまいと 叫ぶ。 「あんたの つばさ きれいやなー」 風に とぎれとぎれに 聞こえる。 「そのつばさやったら どこへでも どんだけでも・・・」 半月にたどりついた。 半月の中 トンネルみたいに ほの暗い。 せーのー と 反動つけて おばさんを その中へ放り込んだ。 「と べ る で~ 」 なにか叫びながら 吸い込まれて行った。 あー 疲れた。 月花は 自分の夢を 見下ろした。 いつのまにか 町は消え 海が広がっていた。 今 世界は 海と空と月花 空と海が接するところに 金色の直線がのびた。 あそこまで 飛ぼう。 月花は はばたく。 風を巻き起こす。 耳元で 風がうなる。 風を切れ。 海と空の間を 光めざして 一直線。 光が近づく。 光の粒子が 飛んできた。 月花の髪が 翼が 金色に燃えあがる。 まぶしくて 目を閉じた。 月花は 暖かい光となって・・・ 目を 覚ました。 カーテンを閉め忘れて 眠ったらしい 部屋いっぱいの 朝日。 月花は 携帯電話に手を伸ばした。 「 アキ おめでとう いい朝だね 」 。 。 。 。 。 。 女も 目を 覚ました 窓を開ける 青空 あの少女の翼と 同じ色 スカイブルー 空に向かって つぶやいた 「飛べ」 少し考えてから 付け足した 「あたしも 飛べ」 応援クリックいただけるとうれしゅうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.15 07:50:01
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