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カテゴリ:ガシャ・ポン 天狗編
![]() 末っ子の言葉に驚いて 父天狗と兄天狗が さんぺぇを取り囲んだ。 「わぁ ほんまや 羽がない」 と じろべぇ兄。 「よつばが 気ぃつかんかったら 危なかったな」 と いっぺぇ兄。 「ふふふん」 と よつば。 さんぺぇは 自分の背中を肩越しに見る。 右肩からのぞいても 左肩から探しても 兄や妹の背に動く新緑色の羽が みつからない。 「オト~」 泣き声を出したさんぺぇに 父天狗が言った。 「なんか 山ノ神さんに考えがあるんやろ。 ま どっちゅうこと ない。 ほな 巣立ちも無事 終わったことやし 山の皆にあいさつしに行こか」 「行こか」 パタパタ 背中の羽を動かしながら いっぺぇ兄が さんぺぇの右腕を抱えた。 「行こ 行こ」 じろべぇ兄が同じように さんぺぇの左腕を抱えた。 パタパタ パタパタ。 兄二人に挟まれて さんぺぇも 宙に浮いた。 「ちゃんと ついてこいや~」 バッサバッサと 父天狗が 樹々の間をすり抜けて 飛んだ。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.15 09:32:37
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