カテゴリ:本
The fantastic Deer-Man
研究室の助手と折り合い悪く、神経衰弱といわれ、しばらく時間をおくようにと奈良の女子校に産休に入る教師(担当・物理と化学)の代理として赴くことになったおれ。 鹿島大明神を信仰する母から送られてきた鹿の骨の勾玉をお守りに、美術教師である重さん(福原先生)の家に下宿し、初めての先生業に挑むのだが、 一目会った時からなぜか自分を敵視する生徒・堀田イトに腹立ち、戸惑う9月。 そして、10月(神無月)を迎える頃、突然、鹿に話し掛けられた! 「さあ、神無月だ―出番だよ、先生」 京都・狐(伏見稲荷/平安神宮)→奈良・鹿(春日大社/平城宮跡)→大阪・鼠(難波宮)→京都…と60年ごと、180年に一回まわってくる"目"を運ぶ"運び番"と、それを次に伝える"使い番"がおり、おれは鹿の"運び番"に選ばれたのだ。 荒唐無稽な話に驚きつつ、受け渡しに失敗(見逃し)したおれは 鹿に「印」をつけられてしまい、自分の顔が鹿化(他人には代わらず人間の顔に見える)しはじめてしまった! 元に戻るためにはきっちり役目を果たし、鹿に一つだけ叶えてもらえる願いに託すしかない。 "目"はサンカクと呼ばれているらしい。 京都女学館、大阪女学館、奈良女学館で競われる大和杯の剣道部の優勝トロフィーが"サンカク"といわれる代物らしい。 剣道部の臨時顧問となっていたおれは弱小剣道部を優勝させねばと決意。 そんな部に剣道経験者の堀田が入部してきて― 「鴨川ホルモー」ほどの荒唐無稽な勢いはないけれど、相変わらず不思議な設定で面白くはあった。 鎮めの儀式は神々が留守にする「神無月」に行なわれるとか、鎮めの場所に重要遺跡(都)があるのは理由があるとか。 まぁ、印をつけられなくてもデジカメでは鹿に映っていた(他の鼠・鹿も同様)というのはちょっと分かりにくかったけど。 (印をつけられたら自覚が出て、自分で見る顔が鹿化するけど、印をつけなくても、自覚はなくてもその間は鹿にはなっていた、と) 次回は大阪が舞台の小説らしい。 ―ネタバレあり― 優勝トロフィー(盾?)が"目"ではなく、鹿と仲が悪い鼠が暗躍していたことが判明。 だが、鼠にも手におえなかった"使い番"(考古学研究に没頭している教頭・リチャードが"目"がヒミコの鏡の原本だと知り、隠していた)の存在が明らかに。 最後はリチャードを追い詰め(説得?)。 地震を起こす大なまずの鎮めに成功する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 16, 2007 11:04:34 PM
[本] カテゴリの最新記事
|
|