テーマ:皇室(560)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
本日は「皇室典範を考える会」声明のご紹介。 世の中には「女系天皇が容認された」と早とちりしている人が多いが、国会に法案が提出され、可決されて初めて決定されるのであって、小泉総理大臣の私的諮問機関に過ぎない「皇室典範に関する有識者会議」には何の決定権もない。 去る十八日に行われた「皇室典範改悪に反対する国民大会」では登壇者から、 「『有識者会議』なるものはなにも知らないし、知っていることは全部間違っている」 なんて話が出て場内爆笑だったそうである。 小泉総理大臣の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」では、本年一月以来、皇位継承制度の改正に向けた審議が進められています。私たちは、首相の「私的」諮問機関というその位置付けや、専門家不在の委員構成に疑問を抱いたものの、当初は大きな関心をもって有識者会議の議論を見守ってきました。というのも、有識者の有識者たる証は単なる知識にではなく良識・見識にあるはずであり、その意味で、「高い識見を有する人々」が参集した有識者会議が、皇位継承という日本の国の根幹に関わる事柄について、国民の間の多様な意見を十分に視野に入れ、慎重なる検討を行うものとの期待があったからです。 しかし、ここにきて私たちは、有識者会議の議論の内容と方向について強い疑念を抱かざるを得ません。その理由とするところは次の諸点です。 一、皇位継承という重大な事柄であるにもかかわらず、女系継承を想定した女性天皇を容認する政府の方針が有識者会議設置の前提にあって、最終的にその方向に結論づけるための会議運営がなされていることが明白であること。 二、その結果、男系継承を守るための方策と可能性については、その問題点を指摘するのみで、そのための具体的かつ真摯な議論がなされていないこと。 三、さらには今後、皇族の御意向や国民の意見を無視したまま、拙速なる意見集約を経て、「政治家に介入させない」ように政府主導で皇室典範改正法案が次期通常国会に上程される動きにあること。 皇室典範が有する特別な性格に思いを致すならば、その改正にあたっては、よほど慎重の上にも慎重に対処すべきであります。有史以来の皇室の伝統を継承し守ってゆくいう姿勢こそが、何よりの大前提であります。とりわけ皇位継承制度に関する典範改正案件については、そのことが常に念頭におかれなければならないはずです。 しかしながら、今あらためて有識者会議の審議の流れを振返ってみますと、ことさらに女性天皇の意義を評価する一方で、男系継承の維持については、その問題点のみを取上げるなど、はじめから政府案以外は認めない方向で審議が進められてきたと見なさざるを得ません。 もとより私たちは、男系男子による継承を絶対のものとして主張するものではありません。しかし、女性天皇・女系継承の是非のみを議論する前に、各宮家の存続そのものが危ぶまれている現状の中で、占領下の昭和二十二年にやむなく臣籍に降下された元皇族の方々に何らかの役割を担っていただくための方途の検討など、まずなすべき事柄が多々あるのではないかと考えるものです。 私たちは、皇室典範の改定につながる皇位継承制度をめぐるこうした基本的課題点について国民の健全な良識に訴え広く啓発するとともに、政府並びに有識者会議に対してもっともっと時間をかけた慎重な論議を求めていくため、本日ここに「皇室典範を考える会」を結成し、その主張の一端を表明するものです。 平成十七年十月二十一日 「皇室典範を考える会」 設立発起人 宇佐美忠信 (十月二十日現在) 平成十七年 十一月二十一日 トム・ウェイツ「フランクス・ワイルド・イヤーズ」を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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(2005年11月22日 20時53分58秒)
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