君よ知るや南の国5 洞窟住居ととんがりお屋根
シチリアを離れ、南イタリア本土にやってきました。シチリアの乾いた感じと微妙に違うウエッティな感じがどこかしました。5日目の観光は待ちに待ってたアルベロベッロの町。でもその前に、マテーラという街の洞窟住居に向かいます。ここは戦前いや少し前まで、小作農が住んでいた場所。岩山をくりぬいて住居にしました。昔は、地獄というのはこの場所、とまで言われたそうです。使える水は雨水、飲める水を汲みに遠くまで歩いて行かねばならない。狭く急な道を移動するために、ロバを飼い、そのロバと同居する生活。南イタリアの貧しさを象徴するような場所でした。その家の中はどうなっていたかというと、石灰岩で真っ白な壁、やわらかく掘ったくぼみを棚代わりにし、工夫して暮らしていたとか。私が見た家は一間しかないのに、夫婦と子供4人とロバが住んでいたとか。今は、この暮らしが面白いとインテリやクリエイターが好んで住んでるそうです。苦しい人々の心を支えてきた教会。バラ窓のあるロマネスク様式。中に入れなかったのが残念!そんな教会の飾り。あっかんべーと明るい。今では洞窟住居の部屋を生かした5つ星ホテルも建設中。この世の地獄から天国に変わりつつあります。そんな変遷もものとせず、昼寝していたぬこ。マテーラを出発し、トゥルッリの散在するブドウ畑を抜け、ついにおとぎばなしのようなアルベロベッロの町に到着!観光の前に、トゥルッリの家を改装して作られたレストランでランチ。オキアテッレ(耳のパスタ)をバジルとトマトで和えた前菜。さっぱりしておいしい。骨付きの豚肉のソテー。岩塩で味付けただけで、これもまたうまい!フレンチフライもかりっとあがっててGood.ドルチェもマチェドニア(フルーツポンチみたいなもの)で、ここのレストランは家族経営で、味も家族で食べてるなというお味。ええ、中には「このお皿、あなたの家族に食べさせられる?」と凄みたくなる味付けもありましたので。そんな満足したランチのあと、いざ出かけようとした時に、土砂降りの。さっきまで晴れてたのに。。。レストランで待つこと30分、雨が止みました。まずはガイドのお兄さんが生まれ育ったピッコロ地区へ。犬小屋もトゥルッリ(とんがり屋根の家)なんです。かわいいでしょ?ここもコテージとして貸していて、一週間700ユーロだとか。何人かで住んだら楽しいでしょうね。一般人のおうちばかりで、静かな町並みでした。ピッコロ地区には今や子供は小学4年生?くらいのファビオくんしかいなくて、現地ガイドくんにたまたま会った人懐っこいファビオ君が、我々ツアーメンバーを家の中に入れてくれて、中庭を見せてくれました。こういうハプニングも地元ガイドがいるためかな。そして、道路を挟んだグランデ地区に。大きい集落はお土産物屋さんが多いのですが、このかわいい様子に気にならない。この写真、お花の裏を見てください!猫が寝てるんですよ~。自由行動もあり、やや疲れた母と一緒だったのであまり回れませんでしたが、やっぱりきてよかった!クリスマスの時は、このとんがり屋根にろうそくの灯がともるとか。そういう町並みも見てみたかったです。観光を終えて、Bariの町へ。第2回目の自由な夕食。何人かは添乗員さんに伴われて中華に行きましたが、母は「せっかくイタリアに来たのに中華はいや」とのことで、ホテルに聞いたオススメレストランに行ってきました。1ブロック隣にあったレストランは広く、ギャルソンも威厳があって怖そう。ガタイの大きな目に何重にもたるみのあるブルドッグみたいなギャルソン。にこりともしません。怖いよ~とひやひやしてたのですが、この強面おじさんが実はいい人で、今日は生パスタを用意してるので、これがおすすめだとか、今日出来たばかりのリコッタチーズだおいしいから試食してみろ、といろいろ持ってきてくれるのです。まず、私が頼んだのはプーリア州(Bariのある州)の料理で出来た前菜。いきなりお皿が4枚も出てきて、1枚にはスモークサーモンが。「スモークサーモンは頼んでないけど?」といったら、「これはサーモンのマリネ。前菜の一つだ」「これはここで取れる子供のイカのフリット。 これはここの野菜で作ったカポナータ、 これは生ハム、チーズのグラタン、ほうれん草のソテー」とものすごい量なんです。しかもどれもみなおいし~いでも食べきれないッ!!さらにポルチーニのタリアテッレ。このポルチーニと生クリームの相性が抜群で、いい香りのソースになってました。母も「このきのこ、香りがよくておいしい!」と感動。さらに、母を感動させたのが、海老と紋甲イカのフリット。イカがぷりぷりしてて、からっと揚がっていて。さっぱりした塩味がつき、レモンをかけてバクバク食べました。そのうえ、子牛のエスカロップも頼んでいた私。もう食べられないかも~><と思いきや、このエスカロップはやわらかく、小さめのお肉でしたのでどれもみなレベルの高いお料理でした。ドルチェにいきたかったけど、もう入らない。。。そんな私たちに口直しのためか、できたばかりというフレッシュなリコッタ・チーズを持ってきてくれました。サービスで。このチーズ、ふわふわして、ほんのりミルキーの味。見慣れないチーズは怖がって食べない母も、「これは上等のお豆腐みたい!」とバクバク。これはモンゴルで食べたチーズのもとみたいでした。お会計はタオルミーナよりも断然安く、も行く機会はないかもしれないけど、また行きたいお店でした。チップをあげたら、強面ギャルソンがかわいい顔になりました。何だ笑えるじゃん。やはりお仕着せでない食事はおいしいなと。この旅で一番のお食事でした。カメラ持って行けばよかった、、、。