テーマ:海外生活(7798)
カテゴリ:ペルー生活
タクナツアー、続き。
午後からは「鉄道博物館」と「Alto de la Alianza(同盟の高台?丘?)」へ。 タクナとアリカを結ぶのは、何もパンアメリカンだけではない。 鉄道も走っているのだよ、実は乗りたかった! でも事前に調べてみると、朝と夕方1日2回しか走らないため 今回のペルー出国のタイミングには合わなかったのよね。 それとタクシーよりずっと時間がかかるし。 私たちのように折り返しすことなく、 素直にチリに出国(又はチリからペルーに入国)する人には、 こののんびり鉄道の旅がお勧めかもしれない。 ずっと安いし♪ ![]() 国境越えの鉄道といっても、クスコ→マチュピチュ、もしくは→プーノのような 立派な観光客用鉄道ではなく、このたった1両のぼろ鉄道で行く。 40~50人分の座席しかない。 とにかくのんびり、がたがたと進む。 ![]() なんとレトロな汽車! チリとの戦争(太平洋戦争/1879~1884年)中もこの鉄道は動いていたそうな。 とはいえ民間人が気楽に移動、なんてのは無理だったろうけど。 ![]() こちらは… 車の形をした列車? 戦争中(戦後もしばらく)、ペルーの政府高官、軍人、大統領クラスがこれに乗って チリとの交渉に向かったのだとか。 当時、タクナにはまだ自動車というものが入ってきてなかったので、 鉄道の線路を利用して、こういう車型の乗り物が利用されてたんだって。 なんだかおまぬけなような、でも時代を感じる。 ちなみにちゃんとハンドルもついてます。でも自由には曲がれません(笑) ペルーの歴史上、とても大切にすべき駅であり博物館なんだけど、 やっぱりお金がないのか、役人にそういう考えがないのか、 案内してもらったところは全て埃だらけ、説明書きもない。 古いエンジンや部品、旅行者の荷物を測ったであろう古い秤、 昔の写真や戦争当時発行されていた新聞など、いろいろあったのに、埃だらけ。 「しかも一時期、ここの土地をディスコテカにしようという計画もあったのです」 とガイドちゃん。なんて事!一体役人は何を考えているのか? マチュピチュやナスカだけが、ペルーの財産じゃないよ! もっと大切にしなきゃ、それこそ観光客が来ないよ! と、2人してワイワイ話してた。 …それでもだんなは、すごく楽しかったらしい(笑) やっぱり男の子だね~ 鉄道とか、好きだよね~♪ さて、タクナ滞在中必ず話に出てきた太平洋戦争。 その激戦地が、Campo de la Alianzaとして保存されてる。 ![]() モニュメント。 一番最後の高い塔についてる人物は、片手でチリ側を抑えつけるようにしている。 もう二度とペルーの地を踏ませないようにと。 ![]() 中は博物館になっていて、戦争中の布陣や使用された武器、軍服、そして 亡くなった人の遺骨や遺品が展示されてる。 チリ軍18050人に対し、ペルー・ボリビア軍9719人。 しかもチリ軍は正規の軍隊、訓練も当然ながら武器も最新のものを使用。 ところがペルー・ボリビア軍は民間人も多く、 地元のインディヘナがわけも分からず武器も与えられず、 最後には包丁やフォークを持って戦う始末だったとか。 信じられないお粗末さだけど、当時ペルーは国の負債は重く内政は崩壊、 到底まともに戦える状況じゃなかったらしい。 もちろん軍はあったし、英雄と言われる軍人もいたけど、 兵士に配る武器がなきゃねー、しょうがないじゃない、フォークじゃさー。 展示物の中に、ペルー軍人の軍服とチリ軍の軍服があった。 驚くことに、当時こういう軍服を作る専門業者がフランスにあって、 チリ軍もペルー軍も、どちらもが同じ業者に製作を依頼したのだとか。 でも明らかにチリのほうがお金持ち、作りが全然違うのよ。 フランスの業者も、どう思ってただろうか? まあ遠いラテンアメリカでの戦争なんか、全然関係なかっただろうけどさ。 でも戦況を聞きながら、 「チリのほうが勝ってるから、いいもの作って納めましょう。 ペルー?ダメダメ、もう前払いじゃないと作らないよ!」 とかあったんじゃないかなー。 ちゅうか、軍服作ってる暇と金があったら、銃を作らんかいっ! まったく、いつの時代も役人ってのは…。 ちなみにチリ軍の銃の先には剣がついていて、 彼らは進軍しながら、倒れているペルー・ボリビア軍の兵士(と民間人)を その剣で止めを刺しながら、進んだのだそうだ。 悲しいね。 ![]() この向こうにあるのが、戦争で犠牲になった兵士や住民のお墓。 この砂漠の丘一帯が、すべて戦場になってたなんて。 ![]() あちこちの丘に描かれたペルー軍の名前。 実際のこの布陣で、この場に軍隊がいた、という事です。 こういう文字が、モニュメントの周り360度全体に散らばってあるの。 ちなみに、あの文字を模ってるのは、エアプランツ。 不毛の砂漠地帯にも、このエアプランツはたくさんあって、 置くとそこにちゃんと根づく(と言っても他の植物のようにじゃないけど)ので、 風なんかで消えることなく、ずっとあるんだとか。 あれ?ちょっとしんみりと纏まってしまったか(笑) でもこういう歴史を知る事は大切だから、ね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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