テーマ:好きすき物産展♪(10)
カテゴリ:ヒトコトモノ
わりと近くにある街のデパートの催事場で
物産展があるというのを、ちょっと前の広告で知り、 行こう行こう!と子供のように楽しみにする夫婦。 雪国と南国とで育った環境にまったくもって何もかも 共通点はないけれど、田舎育ちなふたりだもの ♪しゃれたものより ふつーうーにー 郷土料理がすきーーー!(by 永野風?) ちょうど我が故郷の唐揚げが、実践販売されると知り行く前から 無駄に期待感は高まる。 ここ数年の唐揚げブームで、関東にも沢山の“名物”を自称する専門店が 進出して頑張ってるようだけど、今のところ私の舌を唸らせた(偉そうに!) マイフェイバリット唐揚げは、まだない。 いやどれも、それなりに美味しいのは美味しいが、私の求めるそれは単に 我が家の味いわゆる『おふくろの味』が基準なわけで・・・ いくら故郷が唐揚げ大国だからと言っても、土地土地、家家で味も素材も異なるので、 これが我が郷里の唐揚げだ!と言えないのが、もどかしいところ。 それがついに先日、一番理想に近い味と巡り合えたので、気持ち的にはなんだか 都会の真ん中で幼馴染にばったり再会したような感動というか、 初恋の人にウン十年ぶりに会ってしまったような、戸惑いとヨロコビみたいな。 まー、大げさだが、それくらい今の私が食べたかったそれが、 やっと手に入った・・・いや、口に入ったわけである。 最近歳のせいか油ものが胃に受け容れられづらく、揚げた匂いを嗅いだだけで 胃の蓋が閉じ気味になりがちだが、この唐揚げは別物だった。 揚げたてのひと口を販売のおばさんが、試食させてくれたけど、 衣も油も軽く、待ってました!の食後感。迷わず大き目パックを購入。 おばさんがパックを袋に入れてくれようとして、思わず「あぢっつ!!」と 大声で叫んでしまうくらいアツアツホカホカのヤツだから、不味いわけない。 冷えても美味しいのは知ってる。でもやっぱその場で猫舌な私も味わいたい。 ダンナの無茶ぶりもあり、私がおばさんにこっそり爪楊枝をもらい、 催事場休憩場の椅子に腰かけ、迷わずひと口頬張る。 部活帰りの高校生の集団がすぐそばに居るのも構わず、 鶏肉を頬張りご機嫌ないい歳の夫婦。 買い食いしそうな若者に恥ずかしい姿を見られないよう、静かにはふはふ。 揚げたてうまっ♪ 食べたとたん、母の唐揚げが恋しくなった。 母のは何でも豪快だから、にんにくももっと強めで、隠し味にハチミツも 入るけど、それに負けない美味しいのに、関東で初めて出合った。 物産展だから、価格設定が馬鹿みたいに高いのがネックだけど、 そう滅多に食べるもんじゃないし、都内のこの店に行こうとすると 交通費もかなり高くなるから、これはこれで良しとする。 近所にあったらあったらで、しょっちゅう買いに行って、肥えるモトだし。 この距離感が大事。会えそうで会えない運命の人、次はいつ会えるのか、 あ、今すれ違ったのに・・・みたいな身悶えする昼ドラマ的な(笑)。 とりあえず、私の胃袋は満たされた。 ついでに言うと、ほんとのお目当ては駅弁まつりの方だった。 もの凄い種類の弁当が用意されてたのに、余裕かまして行ったらもう ほとんど完売してた。 残ってる中から、好みのを選ぼうとして迷う。これだけしかなくても 何回も内容見て散々迷うんだから、全種類なくて良かったわ。 牛肉系1コと海鮮系1コをゲット。この日の夕食になる。 どっちも多分これから先、旅するチャンスがないだろう土地の弁当だから その土地に「行ったつもり」で、じっくり味わい堪能。 それにしても最近の弁当は、ひと昔前に比べると、油も塩分も控えめで ほんと上品で優しい味に仕上げてるな。どちらも知らない弁当だったが、 クオリティの高さや店の熱意が感じられ、お腹も喜ぶ内容だった。 下りのエスカレーターにて。 若い外商担当らしき男性が、品のいい白髪のご婦人をエスコートして 温かい言葉を添えてお見送りするのに遭遇。 小柄なその人の両手には、紙袋が3つ下げられていて いい“お買い物”ができた充実の笑みを浮かべていた。 そこだけ昭和の百貨店のような優雅な時が流れる。 思わず私の下げた袋の唐揚げが、匂わないようにと祈る。 あのご婦人の“夢”を壊しちゃいけない気がして・・・ 彼女にとっては今も、デパートは『特別な場所』なのだろう。 ああいうお客さんが離れない限り、その役目は果たさないと。 レトロすぎるデパートの時代錯誤も、たまには悪くない。 場所によっては、フロアをブランドにまるごと貸したり、閉店したり きっとこの時代にうまくフィットせず、経営も苦しい状態がずっと 続いてることだろう。長年そこにあるものが消えてしまうのは、 とても残念だし、あっても閑散としてると胸が痛むけど・・・ この前のねこ展と言い、この物産展と言い、 デパートは今、プライドを捨て、生き残りをかけて、 必死にイベントや食品フロアで客を繋ぎ止めようとしている。 それでも体力がもたず消えていく中で、郊外のショッピングモールと 同じことをしたところで、客が取り戻せるほど世の中甘くない。 都内では地域発信のテナントが人気を集めているらしいし、 ゆるキャラブームでや被災地復興支援の輪など、きっかけは何であれ 地方と都会を繋ぐ役割がまだ、デパートにはある気がするので なんとかこのまま、年に数度のお祭りを仕掛けたりして ココでしか得られない特別な時間を過ごせるよう、 私らみたいな人達を楽しませる憩いの場所であり続けてほしい。 あの催事場の、他では味わえない独特な高揚感は、今の時代 かなり貴重だから。 ★ ★ ★ ★ ★ 今日のひとこと。「インコおじいさんの独裁政治始まる。Eちゃん任期終えて帰国でセーフだったな。」
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