テーマ:心のままに独り言(8820)
カテゴリ:ヒトコトモノ
ドキュメンタリー映画【フジコ・ヘミングの時間】を観た。 たしか『徹子の部屋』に彼女が出演した時、映画のことを知り 興味を持った。 そして、珍しく仕事の依頼もなく、姑の体調も安定した ちょうどの時期に、運よく観られるチャンスが巡ってきた。 もうこれは行くしかない!と迷いなく会場へ。 ****** ピアノを愛する日本人の母とスウェーデン人の父(デザイナー)との間に生まれたフジコ。ハーフは“ガイジン”と差別 されいじめられる時代。父親が彼等のもとを離れ、母親と 弟・大月ウルフ(インパクト大!)と三人で暮らすように なっても、母親の厳しい教えでピアノは練習し続けていた。 国籍がないことが判り最初の留学が叶わなかったり、 片耳だけの難聴が後に両耳の聴力を失うことになったり・・・ 私が知らなかった部分の彼女の人生を、今作で初めて知った。 そんな苦難の連続を乗り越え、成長した彼女を癒やしたのは 愛するペットの猫や犬、信頼する人人、そして こだわり抜いたインテリアの数々だった。 驚いたのは、あちこちに所有する彼女の家。 パリ、京都、ロサンゼルス、東京と、それぞれに センスの良さが発揮され、どれも細かい所まで全部を 見学したくなる。 特に下北沢の自宅に置かれた(子供の頃使っていた) 年代物のグランドピアノ。あれは、実に素晴らしい。 それが修繕して戻ってきた時の、彼女の嬉しそうに 鍵盤をたたく横顔は、少女に戻ってた。 ピアニストとしては遅咲きも遅咲き。30手前でやっと。 それからも苦労は絶えず、たまたまTVのドキュメンタリー 番組で紹介されたことが大きな反響を呼び、フジコ・ヘミング の名が一気に世に知られる。なんと60代でのこと、である。 あれから20年が経ち、今もその名が消えることはない。 「もう(私を)古いと言う人もいるけど、陶器と一緒。 古くなって欠けた部分がある方が面白いでしょ?」 正確ではないがこんなことをあっけらかんと 彼女に言われたら、もう黙って頷くしかない。 強気なことを口では言っても、音楽は一日でも休んだら 全てがダメになると、80を越えた今でも4時間の練習を 欠かさない。腕の痛みを湿布でダマしダマし和らげながら、 ひたすらに鍵盤に感情をぶつける。練習嫌いでピアノが コンプレックスでしかない私にも、人知れず努力する姿 とピアノへの情熱が少しでもあれば良かったのに(後悔)。 彼女が想い入れのある「ラ・カンパネラ」(リスト)を 奏で始めた時。ぶわっと込み上げるものがあり、 思わず涙がこぼれてしまった。なんで?? 自分でも 何がどうなったかが解らず、戸惑ってしまった。 大好きな曲ではあるけど、それ以上になんというか・・・ よくわからないけど、泣けちゃった。 もうひと泣きしそうになったのは、映画の終盤。 幼い頃に生き別れた父親が20代の頃に手掛けたポスターが、 彼女の活躍があったお蔭で見つかる。それまで無名だった その作品は、日本郵船の広告で旅客船が描かれていた。 「around the world」 というキャッチフレーズは、80代になっても休むことなく 世界中を音楽と共に飛び回る娘に届いた “父からのメッセージ”に思えて・・・。 ★ ★ ★ ★ ★ 今日のひとこと。 「ネモフィラ復活。雑草と思って葉を抜くとこだった…危ないあぶない」
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最終更新日
2019.03.15 09:13:38
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