榎津郷の海水浴場「川野屋」から見る有川湾、湾奥には白砂青松の蛤浜海水浴場、遠くには矢倉岳の通信塔も見えて良い景色と思えます。
![2008有川湾](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/89/0000034289/84/imgb6725c34zik4zj.jpeg)
しかし、榎津郷周辺の海岸崖は土砂崩れ防止のコンクリート製壁が設置され、その上には数を増した猪・鹿の侵入防止の鉄網が設けられ、海浜はテトラポッドで海浜は固められています。
沿岸の漁業不振から、若い世代が育って郷を出て行くと戻らず、榎津郷は老人だけの限界集落と化しました。
それでも今まで、離島振興の公共事業でコンクリート製壁・テトラポッド設置で、食い繋いで来たのですが、既に必要以上の状態で、将来性は不透明となりました。
高齢者が歩いて行ける店も無くなり、バスの運行も減便となりましたし、生活も至って不自由となりました。
我等の子供達を義祖父母に合わせる為に訪れた30~35年前には、この小さな通りは店が並び、周辺には小さな子供達も多く、賑やかなものでした。
![2008榎津](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/89/0000034289/87/img918748c7zik2zj.jpeg)
正面に見えるのが妻の実家で空き家状態、嘗て此処は榎津郷の中心地区、手前は生鮮食品・雑貨を商う商店でしたし、その向こうは薬局、右には明治の洋風建築を誇る2階建ての外科病院でした。
通りを面して、左には床屋、明治風の郵便局があったのですが、全て無人となり果ててしまいました。
しかし、温暖な気候と澄んだ空気は住んだ人々には何より財産、進み行く限界集落を克服するには、老人介護・特別養護施設を積極的に誘致してみることも必要と思われました。
生活用品が殆ど海上輸送で生活費は高いのですが、その欠点を凌駕する静かな離島の生活環境は確かにありますので、全国的な少子高齢化を乗り切る試金石となるかも知れません。
綺麗な海を眺めながらゆったりと過ごす老後の生活、案外人気が出るものと推測出来そうです。