狛江市の住宅街の一角にある小さなコンサートホールで、「風韻の調べ」と題された薩摩琵琶の演奏会がありましたので、行って来ました。
演奏に先立ち、楽器の説明、演奏曲目の解説があり、初めて聴くには丁寧で恰好な知識を得ることが出来ました。
琵琶は、元来ペルシャ伝来の物で、正倉院御物としても残されている楽器なのですが、調弦も難しいものだった様で、現在の薩摩琵琶は調弦法もリュートに似た形に改造となり、共鳴箱にも工夫を加えて発達させた楽器であるらしいのです。
薩摩琵琶演目は、歌舞伎との関連とも深く、歌舞伎18番の「俊寛」「勧進帳」から取り上げられたものも多いとのことでした。
軽妙な解説が分かりやすいので、後で調べてみますと、荒井姿水女史は女優でタレントの樹木希林の実妹、父は薩摩琵琶奏者・錦心流の中谷襄水とのことで、話術は天性のものがあるのだろうと感心させられました。
アンコール演奏は「平家物語」冒頭の一節、琵琶法師が語る有名な一節ですが、秀逸な語りでした。
初物を見る・聴くことで寿命が延びるとされていますし、70才を越えて薩摩琵琶の魅力を満喫することが出来た様な気がしました。