嘗て魚の目村榎津は海産物の集積地として大いに栄え、五島では珍しい洋館も多く建てられたのですが、漁業不振と共に衰退を余儀なくされ、若い世代が違った職を求めて島を出て行って高齢者のみが残る限界集落となりました。
10年前までは定期船も就航していたのですが、運航を取り止めてしまい、ターミナルも小さな食堂と売店があるだけで、埠頭はコンクリート構造物を製造する場所になって、昔ながらの港の機能はなくなりました。
家内の実家は、榎津神社から県道に至る所謂「榎津銀座」と称された細い通りに面していて、数多い商店が立ち並び活況を呈していたのですが、今は住む人も激減して寂しい限りです。
近辺には、往時を偲ぶ洋館も残っているのですが、所有者が世話管理をしませんので、荒れ放題の状態となりました。
家内の実家の隣は2階建て木造洋館の外科病棟で、整備すれば歴史的価値もあると思われるのですが、今は台風などで崩壊となり被害が実家に及ぶ懸念が大きいのです。
榎津港に流れ込む川は暗渠となり、通行路として利用されていますが、外科病棟の通行路反対側には朽ち果ててしまった理髪店が将に崩壊寸前、こちらは所有者が島を出てしまって連絡が取れないと言うことで、新上五島町の少ない予算の中で、近々取り壊しが行われるとのことでした。