テーマ:気になる技術動向(1298)
カテゴリ:Technology
東京新聞のトップ記事は「最大級洋上風力撤去へ-採算見込めず」として次の様に報じています。
政府が東京電力福島第一原発事故からの復興の象徴にしようと福島県沖に設置した浮体式洋上風力発電施設3基のうち、世界最大級の直径167mの風車を持つ1基を、採算が見込めないため撤去する方向であることが分かった。 福島県は原発事故後、再生可能エネルギーの導入を進めており、順調に進めば、大規模な風力発電所を建設する構想もあったが頓挫した格好だ。経済産業省関係者は「現状では維持費もかかるため、撤去方法を検討している」と話す。他の2基の実証は2018年度で終了する予定だったが、期間を延長して商用化の可能性を探る方針。 実証研究は福島県楢葉町沖約20㎞に設置した風車3基と変電所で2012年から実施しており、これまでに計約585億円が投じられている。問題は出力7000㎾の1基で、建設費は約152億円。2015年12月に運転を開始したが、風車の回転力を発電機に伝える変速機などで問題が続発。2017年7月からの1年間の設備利用率は3.7%に低迷しており、新規洋上風力の事業化の目安とされる30%に大きく届かなかった。 直径80mで出力2000㎾の風車は設備利用率32.9%と目安を上回っているが、直径126mで5000㎾の風車は18.5%にとどまっている。 確かに、浮体式洋上風力発電施設の建設コストは高く、最大級の7000㎾設備では152億円/7000㎾=217万円/㎾は、最新鋭の複合サイクル火力発電が50万円/㎾、懸案の原子力発電が100万円/㎾と言う原単位に比べて、極めて高いのですが、エネルギー入力が風力と言う自然エネルギーですから、運用上天然ガスや石油、核燃料も不要となるので、稼働率がある程度確保出来れば採算が取れる筈で、事業化の目安は30%以上とされているので、3.7%ではどうにもこうにもしようがありません。 やはり、大型化への技術課題が実証実験で解決されなかったのが原因とされていますので、重工メーカーもその存在価値が問われていて、その問題克服を期待しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.10.27 11:45:26
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