マロニエ(marronier)は英語でhorse chestnutとされて、トチノキ科の落葉高木。バルカン半島原産であるが、現在は世界中で植栽されている。高さは約25メートル。日本のトチノキに似るが、果実の表面に刺があるので区別され、セイヨウトチノキと呼ばれる。
今は裸木並木ですが、10月末には青木葉通りにある栃の木は黄葉して見事なものでした。
散歩道ではなく、車道なので秋の浪漫を感じることは叶いませんが、海外旅行をした際には、フランスパリでも、ドイツミュンヘンでも、セイヨウトチノキ(marronier)並木を観ることが出来ました。
そんな欧州特にパリに思いを馳せて叶わぬ恋の悲しさを謡った歌があり、日本初の3拍子リズムを刻むタンゴ歌謡であることもあって、忘れることが出来ません。
松島詩子 - マロニエの木陰
レコードが発売された1937年は日中戦争が過酷となり、悲しく歌を歌うと言う風潮は無かった筈ですのに、発売したKingレコード社も大した度胸があったものです。
次の様な逸話が残っています:
キングレコードのディレクターから「この曲は難しいが、誰に歌わせたら良いだろうか」と相談を受け、そのディレクターの机の中で三年間も眠っていたその曲を、松島詩子がピアノで弾いて口ずさむと、「いい曲だわ、私に歌わせて!」と言った。その曲が「マロニエの木蔭」であった。