テーマ:気になる技術動向(1298)
カテゴリ:Technology
ホンダの小型ビジネスジェットはGEのファンジェットを使い、型式承認も得てビジネスも好調の様ですが、三菱スペースジェットは開発断念と報道されていて、米国・欧州に続き今は隆盛である自動車産業を引き継ぐ航空機産業確立と明るい未来を期待していましたので、誠に残念な事態となりました。
三菱重工業は2023年2月7日、国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発を完全に取りやめ、撤退すると発表した。開発子会社の三菱航空機も清算する。三菱重工は累計1兆円の開発費を投じたものの、商業運航に必要な型式証明(TC)を取得できず、令和2年10月に開発を事実上凍結していた。新型コロナウイルス禍で減少した航空需要の回復が遅れる中、開発を再開しても事業成長が期待できないため中止に踏み切る。 三菱重工は、関係の深いUnited Technologies社Pratt & Whitney部門の中型ファンジェットを選定したことに問題がありそうだと常々懸念していました。 ファンジェットの推進効率を高める為、主軸から遊星歯車(Planetary Gear)を介して常識を超えた大きなフロントファンを駆動する構造となっていたからです。 遊星歯車は繊細な精密機械ですし、変形には敏感で動かなくなる危険性があり、航空機の急上昇、急下降では、歯車に急激な応力が掛かって、多少の変形も予測されるのです。 航空機の型式承認には、その様な非常時の飛行形態も試験される筈で、その要求を乗り切る自信がP&Wにも心許なかったのではないかと推測されるばかりです。 飛行効率重視で、飛行信頼性を軽視した基本設計に問題があった様に思われてなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.10 08:33:40
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