テーマ:政治について(20228)
カテゴリ:Politics
弁証法(dialectic)は哲学用語であり、古代ギリシャからあった哲学でしたが、ヘーゲルによって定式化された弁証法を、現在では弁証法として認知されています。
その弁証法を構成するものは、ある命題(Theseテーゼ=正)と、それを否定する反対の命題(Anti-Theseアンチテーゼ=反対命題)、そして、それらを本質的に統合した命題(Sin-Theseジンテーゼ=合)の3つである。全てのものは己のうちに矛盾を含んでおり、それによって必然的に己と対立するものを生み出す。 生み出したものと生み出されたものは互いに対立しあうが、同時にまさにその対立によって互いに結びついているが、最後には二つがアウフヘーベン(Aufheben 止揚)される。 このアウフヘーベンは「否定の否定」であり、一見すると単なる二重否定即ち肯定=正のようである。しかしアウフヘーベンにおいては、正のみならず、正に対立していた反もまた統合されて保存されているのである。 碩学ヘーゲルを継承するのは、青年ヘーゲル派(Jung Hegelianer)と壮年ヘーゲル派(Alt Hegelianer)がありましたが、青年ヘーゲル派には熱血カール・マルクス(Karl Marx)が活躍して主流となりました。 マルクスは封建主義と言う命題Theseに、資本主義と言う反対命題Anti-Theseを経て、共産主義と言う統合命題Sin-Theseに至ると予測し、それが国にとっても国民にとっても豊かに暮らせる政治体制だとしたのです。 豈に計らん哉、極地反戦と第1次世界大戦後の国内混乱に乗じて、封建主義只中のロシアに共産主義体制が確立されたのです。 国際的な共産主義センターとなり、各国に体制打破を呼び掛け、次に国内内乱に乗じて中国に共産主義政権が確立したのは第2次世界大戦後のことでした。 中国の鄧小平(トショウヘイ)は、民間の力を活用して、資本主義体制国家に打ち克つ小手先のAnti-Theseを採用したのですが、実質批判を許さない独裁体制のままなのが今の習近平政権でも続いています。 ロシアの共産主義国ソ連は、中央集権体制を打破して共和国の独自活動を尊重した社会民主主義に移行すべく、1991年に、反対命題Anti-Theseソ連崩壊を宣言したのですが、秘密警察出身のプーチン大統領は、独裁共産主義体制に戻してしまったのです。 結局、弁証法は権力欲に前に、机上の空論となってしまったのでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.28 14:22:07
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