1879143 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

韓国の龍の日記

韓国の龍の日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2005年12月29日
XML
カテゴリ:読書
日本人学校の秋祭りの古本屋でMさんが買った本を回してもらった。

僕と一つ違い(一歳下)の天才企業家・板倉雄一郎氏が1991年にハイパーネットというベンチャー会社を設立、1995年に構想したハイパーシステム事業に対し7金融機関が20億円の融資をし、96年6月に同システムが正式稼働、10月にはニュービジネス大賞を取り、12月にはかのビル・ゲイツがこのシステムに関心をもち板倉氏と会談、翌97年1月には韓国三星グループとライセンス契約を締結、しかしそのころから金融機関がいわゆる貸し渋りを始め、以後融資回収攻勢にあい、再建の為に走り回るも「それよりもまず返済」と、ことごとく再建の道を塞がれ、遂に同年12月には負債37億円を負って自己破産。

ハイパーシステムというのはパソコン上の広告事業で、ブラウザーと分離したウインドウに常に広告を表示する(ホームページに埋め込まれた広告とは違う)代わりに、広告主から支払われる料金によってインターネット接続料金を軽減又は無料にし、プロバイダーを通じてユーザープロフィールを集めてデータベース化し、「その」ユーザーに適した広告だけが流れるようにする、というもの。この広告を常に表示するソフトが「ホットカフェ」で、そういえば僕がもっている東芝リブレット70に「ホットカフェ」というソフトが入っていた。何のソフトか分からなかったので削除してしまったが。そういえば、ウインドウズ98にアクティブデスクトップ機能が標準で備わっていて、これをonにすると、常に新聞記事を表示したりできる機能があった。これとハイパーシステムと関係あったのだろうか?でもウインドウズに組み込みの機能ならばハイパーシステムそのものじゃないだろうな。それに98年だったらもうこの会社は倒産していたし。

ベンチャーの常で、こういう画期的なアイディアをもつ人がいて、でもその人はお金がないので、資金を提供する人が必要で、お金が集まればスタッフを揃えてアイディアを現実化できるようになり、うまく当たって株式上場できれば当人達はストックオプションで大もうけ、資金提供者も大もうけ、という図式。

板倉氏はすごい。そういうアイディアをトイレに入っている間に思いついたりする。そしてその現実化の為に有力者にプレゼンテーションをし、資金提供者を見つけだし、お客さんを見つける為に自ら奔走するフットワークと強気の姿勢。この本を読んで、僕にはこんな真似はできない。僕はサラリーマンがちょうどいいとつくづく思った。向き不向きでいえば僕は板倉氏みたいに強気一辺倒で突っ走れないからベンチャーには向いていない。ハイリスク・ハイリターンよりもローリターンでもローリスクがいい。しかし一方で今時のサラリーマンは気楽な稼業とばかりは言えなくなってはきており、僕の会社なんかは昔と比べれば、淡々と仕事をやっているだけではいつリストラされるか分からない危険性は十分高まっているのに、ペイの方は必ずしも増えていない。ハイリスクでは絶対ないがローリスクとも言い切れないのに確実にローリターン。こういう風にバランスがとれていないのも、まやかされているかのようだ。

板倉氏自身の総括によると、1.インターネットの時代到来 2.金融機関は従来のように不動産担保でしか融資できないのを馬鹿にされ始め、米国のように資金がなくても素晴らしい事業アイディアをもつ人たちに投資家をマッチングさせる、事業の将来性と人を見る眼力をもつべき、またそういうベンチャーの評価システムをもつべきという風潮になり、3.バブリーにあり余ったお金は自然ハイリスクも厭わなくなり、4.しかし、自己資本比率の低さを指摘されていた日本の金融機関は比率を上げるためにも貸出債権の圧縮=貸し渋りを始め、5.よってもって融資の引き揚げにより事業がつぶされてしまう、という流れだった。結局板倉氏と彼の会社は、「日本における巨大な経済のうねりを世間一般にわかりやすく見せる『狂言回し』の役割を図らずも演じていたようだ」との言葉には深く頷かされる。

37億円の負債を抱えての倒産により多くの人たちに損をさせたわけだが、板倉氏は自分を信じて自己責任で精一杯やった訳だし、損をした人たちは「あわよくば」というスケベ心があった訳だから、極論すれば板倉氏と対等な関係にあるに過ぎない。損した人たちだって一方的な被害者面はできない。

その後の板倉氏はどうなったかと、インターネットで名前で検索してみたら、板倉雄一郎事務所というHPがあって、そこに出てくる写真は結構イケメンだった。この本以外にも本を執筆したり、講演したり、企業診断したり、お元気そうで嬉しい。僕はこの人にはなれないが、本を読んでいる間感情移入した。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年12月30日 01時25分01秒
コメント(0) | コメントを書く


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

「見附島」としては… New! ヨンミョン1029さん

韓国生活26年! New! 韓国の達人!さん

240929分:「その2… 春楽天さん

Loving Spoonful ~… エリーlovingさん
いしじいの音楽通信 いしじいさん

プロフィール

韓国の龍

韓国の龍

コメント新着


© Rakuten Group, Inc.
X