カテゴリ:読書
ピース又吉おすすめの中村文則「遮光」を読んだあと、ジャカルタの古本屋で同じ作家の「銃」、「掏摸」を見つけ、続けて読んだ。
「銃」はデビュー作。ほとんどが「私」の意識の中の独白で、「遮光」と似ている。 外物や他人の影響をすべて排除しているような人格なのに、その人がモノに翻弄されていくところも似ている。 とてつもなく暗くて、やりきれなさと閉塞感を感じる。 「遮光」の帯に又吉が「もし、世界に明るい物語しか存在しなかったら、僕の人生は今よりも悲惨なものになっていたでしょう。自分の暗い部分と並走してくれる何かが必要な夜があります。」という紹介はなるほどと思わせる。僕はこれ以上うまくこの2冊の本を紹介できない。 この「掏摸」は、ハードボイルドっぽさがあって、出来事の推移にはらはらさせられて、尚且つ、主人公にも、主人公が出会う少年にも一片の希望が見えて読みやすい。 中村文則、いいな。名前さえ知らなかった、又吉の本を読むまでは。 こういうのが年取るってことなのか、自分がすでに知っている範囲の作家やアーティストで、「もういい」と思ってしまう。貪欲に新しいものを求める気持ちが薄れてしまう。 だからこそ、何かのきっかけで新しい作家やアーティストを知り、自分にとって新しい世界に触れられると少しだけ自分が活性化されたような気がしてうれしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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