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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2006年08月14日
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カテゴリ:第一章 061 ~ 122 話
.
 夕刻、和恵の携帯に、着信音。

 携帯電話♪♪♪~♪

和恵姉さん
  「はい、和恵。」

 綉榠餡(しゅうめいかん)との一夜にて、その日に連絡用として携帯を持たされた和恵。

和恵姉さん
  「・・・・分かったわ。 23:30 に現地で。」 ピッ♪

こういち
  「初仕事かな。」

和恵姉さん
  「そうみたい♪」

 とても楽しそうな和恵。

こういち
  「用心棒っていったって、毎度もめて出番があるとは限らないよ?」

和恵姉さん
  「そうね。
   でも退屈しのぎには持って来いでしょ♪」

こういち
  「姉ちゃんは男に生まれると良かったんじゃない?」

和恵姉さん
  「そうかもね。
   でもそれだと、こういちは生まれて無かったかもよ。」

こういち
  「だよね・・・・、なんか複雑な心境だな・・・・。

   でもさぁ、後継者以外では代々の中で姉ちゃんが一番つえぇんじゃないかな。 」

和恵姉さん
  「体動かすのが好きだからね。。。
   それに、こういちが生まれるまで、8年もあったでしょ。
   まずはって、真剣に後継者に教えることやらされたしね。。。
   その後も自分で続けてたし・・・・
   今は正規伝承者のスパーリング相手だから、
   どうやっても私にも力付くわ♪

   つまり、そんなのがスパ相手だから、こういちも過去最強の南流伝承者に育ってるって
   ことよ。」

こういち
  「姉ちゃんが居なかったら、ここまで鍛えられてなかったよ。おいら・・・・。」

和恵姉さん
  「お互い様ってとこね。
   一代で二人が力を付けたのは、前代未聞かも・・・・

   こういちが引き継いで年齢に基づいて行う練習内容では、練習にならない!
   って言うから、今の練習メニューも先食い、もう歴代伝承者の成人の内容すら
   超えてるのよ!
   お蔭で私も楽しめているけどね。。

   さっ、仕度するわね。」

こういち
  「はぁ~ぃ。。。」


~~~
  ~~~
    ~~~


 船ボーー

 海風が潮騒の香りを運んでくる。
 辺りは既に暗く、地平線がどこなのかわからない。
 何隻かの貨物船らしき明かりもまばら。 月明かりが眩しく感じる程だ。
 繰り返す波が、足場をやさしく叩き、なにか心地いいリズムとなる。

 ここは埠頭の第八倉庫。
 一台の黒いセダンがライトを付けて奥から曲がってきて、倉庫前に横付けした。
 中からは大人4人、そのうちの一人がジュラルミンのケースを持っていた。

 黒のチャイナ服からスラリと伸びた脚が、立っていた岸壁からその4人に向かい歩き出す。
 すると車から降りてきた一人が話しかけてきた。

綉榠餡チーフ
  「お嬢、早いな。」

和恵姉さん
  「初仕事、遅刻できないでしょ。
   早く移動の足が欲しいわ。」

綉榠餡チーフ
  「既に注文してあるから、納車までもう少し待ってくれ。」

和恵姉さん
  「ありがとう。」

付き添い-1
  「さっ、チーフ、中へ・・・・」

綉榠餡チーフ
  「うむ。」

 和恵を含む5人が倉庫の中へ消えていった。



 中は既に電気が灯っており、とても広いスペースだ。
 両脇にパレットに乗せられた箱詰めの荷物が壁側に詰まれており、
 その真ん中にはポツンと1つのテーブルが置かれていた。
 テープルの左側には黒尽くめの6人の男達が既に待機している。


 その右側に向かって歩きだす5人。
 そしてテーブルを挟み対じするところで停まりお互い向かい合った。

取引先リーダー
  「ほぅ、今日はコンパニオン付きだな。」

綉榠餡チーフ
  「ただでさえムサ苦しい面子だからな。 たまには一華(ひとはな)あってもいいだろ。」

取引先リーダー
  「ちげーねー。
   さて、早速だがブツの確認といこうか。」

綉榠餡チーフ
  「分かった。 おい。」

 チーフの合図で、ジュラルミンのケースを持っていた付添い人が、
 真ん中にあるテーブルに向かって歩きだした。

 すると、取引先からも、黒いアタッシュケースを持った一人の男が同様に、
 テーブルに向かって歩き出す。

 二人とも、ケースと自分の手を手錠のような鎖で結び付けている。
 
 双方がテーブルに到着すると、それぞれが持っていたケースの蓋を開け、
 相手側に見えるようにクルっと回転させて向きを変えた。

 取引先のケースを持っていった男が、相手の差し出した札束の入ったケースの前に
 立ち位置を変え、お札を確認し始めた。
 すると、

取引先の男1
  「ん !?
   頭、札は本物だが、数が少ないですぜっ!」

取引先リーダー
  「なんだとっ!」

綉榠餡チーフ
  「残りならこっちにある。」

 付き添い-2が、手元のバックから札束を覗かせて見せた。

取引先リーダー
  「どういうことだっ!」

綉榠餡チーフ
  「残念ながら、前回が初取引だった訳だが信用を失ったのでね。
   お宅らのブツ、純度が予定よりも少し低かったからな。
   その値引き分、そして今回も同じ低い純度ならその額で満額って訳だ。
   これから純度を調べさせてもらうが、それでいいかな?」

取引先リーダー
  「なにっ !?

 額から、冷や汗がにじみ出した取引先リーダー、少し間を置いて、

取引先リーダー
  「言いがかりだっ」

綉榠餡チーフ
  「まぁ怒るな。
   これから調べれば今回の純度が分かる。こちらが要求した 99% を満たしていれば
   残りの金は払うと言っているんだ。」

 チーフがそう話すと、和恵が残りの金の入ったバックを手にし、
 中央のテーブルまで運んできた。
 ドサっとテーブルに置き、チャックを開いて中が再び良く見えるようにバックの口を
 更に開く和恵。
 そして片脚を少し横にずらし、腕組みをした。

 取引先の男1は和恵を見据えた後、

取引先の男1
  「中身を改めさせてもらう。」

 と断りを入れ、お金をチェックする。

取引先の男1
  「頭、札は本物、中には2000入ってますぜ。」

取引先リーダー
  「2000? まだ足らないじゃないかっ」

綉榠餡チーフ
  「さっき言ったろうよ、前回の純度が落ちていた分は引いてあるからな。
   さて、今回の純度を調べさせてもらうぞっ」




                           -つづく-




第87話  和恵の初仕事 その2
 (あら、残念だわ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2021年05月14日 11時43分08秒
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