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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2006年10月12日
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カテゴリ:第一章 061 ~ 122 話
.
 翌朝、こういちが一汗かいてシャワーを浴びているころ、
 4~5人の修行僧達は、食料や飲料水を荷車に載せて出発していった。

 いつもの朝食後、最初の門の近くに数人の房長と修行僧達の姿が見えた。
 その中に、クンナ、スンチャ、チュウランの姿もあった。

利江
  「あれは何のために皆さん集まっているの?」
スウラン
  「あれ、総本山に行く人の案内、立会人になる人。」

 朝食と着替えを済ませた利江、スウランと一緒に建屋に出ていた。
 最初の門の前には、20~30分置きに、1人~数人の人が尋ねて来る。

利江
  「もしかして、あの人達が[入山証]を持っている人達・・・?」
スウラン
  「そうだ。 師範から指名された者が同行する。」
利江
  「立会人も武器を持っていくの?」
スウラン
  「道中、危ない。 入山試合、全員礼儀知るとは限らない。
   突然襲われることもある。 立会人もだ。」

利江
  「それじゃ、あそこのみなさんは・・・・」

スウラン
  「ここから先、腕が達つものしか立会人になれない。
   あのメンバーに入れる。修行僧の目指すとこ。」
利江
  「そうなんだ・・・・」

ゆうすけ
  「利江ちゃ~ん♪」バイバイ

 手を振り、走り寄るゆうすけ。

ゆうすけ
  「準備早いなぁ。。。」
利江
  「手ぶらでいいんでしょ?」
ゆうすけ
  「そうだけど・・・・。
   スウランはお見送りか。。。」
スウラン
  「スウラン、まだ未熟。まだ選ばれない。」
ゆうすけ
  「姉さんのように選ばれるようにがんばろうな。」
スウラン
  「ゆうすけ、いいこと言う。 スウラン、がんばる。」
ゆうすけ
  「その調子で♪」

利江
  「あっ、こういち君だ。。。」

 灰色の胴着を肩にぶら下げ、こういちがこちらに向かって歩いてきた。

こういち
  「二人とも早いなぁ。。。
   おぃ、手ブラかよ、水筒ぐらい持って行った方がいい。
   一時間とちょっとは歩くぜ。」
利江
  「あら、じゃ取ってくるわ。。。」

 慌てて駆け出す ダッシュ 利江。

ゆうすけ
  「言うの忘れてた・・・・^ ^;;; 」

スウラン
  「こういち。。。 この日を迎えても、いつもと変わらない。 凄い。
   みんな気合入っているのに。」
こういち
  「気合は入っているさ♪ ただ、今から入り過ぎても・・・・ね♪」
スウラン
  「スウラン、まだ行った事ない。 こういち、全員と相手するのか?」
こういち
  「おいらとやるのは、勝ち抜いた数組だけさ。
   全員とやってもいいんだけど・・・・・

   でも、参加者は、まず予選みたいなところを勝ち抜く方がいいんだろうね。
   体も温まるが、何より自信に繋がるし、他流試合が出来るいいチャンスさ。」

ゆうすけ
  「たまぁにその予選でボロボロになっちゃう勝者もいるけど・・・・。」

 門のところでは、立会人が一人、また一人と減っていく。
 そして、今、最後の一人のチュウランが門の前にいる 侯 玉穂、候 玲訓 と挨拶して
 出立していった。

利江
  「おまたせ~♪」
ゆうすけ
  「さぁて、行くか。。。」
スウラン
  「スウラン、ここまで。 帰り待つ。」
利江
  「じゃ、行ってくるわね。」

 バイバイ バイバイ バイバイ 三人はスウランに手を振り、門を出て行った。


~~
   ~~
      ~~


 横幅 2m 程度の上り坂の道、時折大きな石が埋まっていて赤土が硬く締まった路面を、
 てくてくと歩く3人。

利江
  「総本山だっけ、そこまでの道はちゃんとあるのね。」
ゆうすけ
  「来るときは近道・・・・というより、遠回りしないように来たからね。
   道なき道みたいなところも通ったけど。。。」

こういち
  「そろそろ始まりだしたな。」
利江
  「えっ・・・!? 」

 利江とゆうすけは、前方を注意深く見渡している。
 しばらく歩いていくと、道の両脇に倒れた人がいた。

ゆうすけ
  「入山試合か・・・・・」

こういち
  「全然現れない時もあれば、かなり多くの試合がある時とバラバラなんだ。

   利江ちゃん、介護はおろか声も掛けちゃダメだよ。
   ここの通りでは情けは無用なのさ。」

利江
  「は、はい・・・・。」

 三人は、傷ついた格闘家の脇を静かに通り過ぎる。

利江
  「今の人、かろうじて息はあったみたい・・・・・」
こういち
  「力の差があった場合は、早めに『参った』を言えば命は助かることが多いさ。
   無理すると・・・・・」
利江
  「こういち君は襲われないの・・・?」
こういち
  「一度もないよ。
   立会人が付かないだろ? 関係者じゃないと思うんだろうね。」
利江
  「ふぅ~ん。。。」

ゆうすけ
  「おぃ、前の方で何か・・・・・」

 前方では、チュウランを立会人とする 侯 玉穂、候 玲訓 の三人が、立ち止まっていた。

チュウラン
  「何かいるっ」

侯 玉穂(こうぎょくすい)
  「うむ。」
候 玲訓(こうれいくん)
  「・・・・」

 3人は左前方の茂みを見つめている。 茂みの中には2つの瞳が怪しく光っている。
 すると突然、体長 2m はあろうかというドデカく黒い野生山猫が姿を現したっ
 牙が少し長く、トラを思わせるほどガッチリとした体つきだ。

 ガルルルルル

侯 玉穂(こうぎょくすい)
  「私が相手をする。」

 二人を制し、前に立つ 侯 玉穂 。
 シャキン シャキーン 

 短い棒を伸ばし、一端から槍のような剣先を出して構える。
 それを見た巨大な山猫は、目付きを変え、姿勢を低くしお尻を少し上げ、
 戦闘態勢に入った。

チュウラン
  ( 山猫は、この 侯 玉穂 の放つ [気] に反応した。
   強いやつと判断して本気で倒しにかかるようだ。 )

 グァウーーー グァウーーー

 侯 玉穂 をけん制する山猫、お尻をモゾモゾと動かし、まさに飛び掛ろうとした瞬間、

こういち
  「ちょっと待って~♪」

 と 侯 玉穂 を制し先頭に立つこういち。

チュンラン
  「こ、こういちっ」

 山猫はこういちを見て飛び掛るのを止めた。
 こういちを見つめる山猫。

 その時っ!

 !!

チュウラン
  「なっ!」
侯 玉穂
  「っ!」
候 玲訓
  「うっ!」

 突然、同時に三人が何かに反応した。
 すると、山猫も姿勢を起こし目付きが穏やかになり、一歩、また一歩と後退していく。
 そして後ろに向き直ると、再び茂みの中へと走り去っていった。

こういち
  「あきらめちゃったみたい ^ ^v 」

利江
  「こういち君、大丈夫・・・?」
ゆうすけ
  「なんてデカさなんだ・・・・」

 二人が追いついてきた。
 侯 玉穂 と 候 玲訓 は顔を見合わせる。

チュウラン
  ( い、今の一瞬のあれは・・・・
    少なくともあの山猫は、侯 玉穂 とは戦おうとしていた。
    だが、こういちと対じした時には何かを感じて逃げる選択をしていた・・・・ )




                             -つづく-




第110話  総本山へ 2 へ
 (うっ、また・・・・)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月14日 15時53分07秒
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