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テーマ:国内旅行について(2481)
カテゴリ:旅行けば
世界遺産に指定されたというのでさぞや混んでいるのでは、と思っていたら時間が早めだったこともありそれほどでもなかった。
中尊寺の入り口から最初は少し急な坂が続くが、ひとしきり登ると緩やかな道になる。建長寺より楽かな、と思いながら歩くと、金色堂の少し手前にチケット売り場があって金色堂と讃衡蔵の共通拝観券を売っている。 金色堂はそのまま屋外に建っているのではなく、覆堂の中に収まっているとは寡聞にして知らなんだ。あんな金色の建物が野ざらしになってるとはどういうこった、と思っていたが、なるほど覆堂に収まっているのであればさもありなん。 この覆堂、近年のものかと思っていたら奥州藤原氏滅亡(12世紀末)から約百年後に鎌倉幕府の肝煎りで覆堂が建てられたということなので、やはり鎌倉時代の為政者にとっても金色堂は野ざらしにする訳にはいかなかったということなのだろうか。奥州藤原氏の文化を尊重したというよりは亡霊の祟りを恐れたのかもしれないが。 それにしてもやはり驚くのは、この金色堂が保存されていただけでなくそこに収められていた藤原氏の遺体や副葬品も保存されていたということだ。これがエジプトとか中国なら、遺体から仏像から建物からあっという間に壊され盗まれて何も残っていなかったに違いない。あるいは敗者ゆえに殲滅され、全てが灰燼に帰していても不思議は無かったと思う。仏に対する畏敬の念というのもあろうが、日本人の良くも悪くもどこか緩い民族性というものをしみじみ感じる。 毛越寺は藤原氏滅亡後早い時期に伽藍の全てが消失しているが、大きな池の周りに整備された庭園をぐるりと歩くのはなかなか気持ちのいいものだった。伽藍が残っていたらどれほど壮麗だったか、文化遺産センターの復元CGを見て想像する。 これが中国だったらあっという間に妙に浮いた感じの真新しい伽藍を鉄筋でぶっ建てて観光の目玉にするんだろうな、と思いながらふと雲南省大理の三塔(本来塔しか残っていなかったのに、8年前に行った時に90年代初頭には存在しなかった巨大で新品ぴかぴかな寺ができていて驚いた)が映る大きな池のあった倒影公園を思い出すが、もちろん趣はずいぶん違う。 平泉文化遺産センターは入場無料ながら平泉の史跡に関する展示がなかなか充実していて、歴史の好きな人には一見の価値あり。個人的には宴会後に捨てられたらしいかわらけ(素焼きの杯)の山がちょっと可笑しかった。以前インドの駅のチャイ売りも使ってたけど、つまりは使い捨て紙コップみたいなもんだよね。 平泉は世界遺産であるにもかかわらず松島のように外国人観光客が多いということもなく、観光客でごった返すという感じではなかった。確かに松島に比べると世界遺産といえど知名度は低かろうが、震災や原発事故がいまだに影響しているのか、夏休みといえども平日だったせいか。お盆はもっと混んでいたのだろうか。地方都市の地盤沈下を食い止めるためにも観光で起死回生を図りたいところだろうが、上手くいっているのか気にかかる。平泉の町自体は観光ポイントを外れるととてものんびりしていて、良い所だったんだけどなあ。 ところで一関の餅膳は餅好きの夫が見逃す訳にはいかない。ずんだの苦手な夫も、餅膳のずんだは美味しかったそうだが、とにかく雑煮がピカイチだったそうだ。私は雑煮もさることながらくるみ餅が美味しかった。 ずんだで思い出したが、菓匠三全のずんだシェイクはとても美味しかったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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