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2013年05月27日
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カテゴリ:教育
子どもの学力が伸びる!
中高一貫校・高校ランキング全国1689校


2013.6.1daiyamonndo

2013年6月1日号「週刊ダイヤモンド」の特集記事です(タイトルはオンラインから引用)。


近年、経済誌や週刊誌では、「大学受験」だけでなく、「中学受験」を意識した記事が目につくようになってきました。

購読者層が「中学受験」を意識する年代であり、さらにはやや経済的に余裕のある家庭をターゲットにした特集が多いようです(中には学習塾の特集まであります)。

こうした記事に共通するのは、どれも「子どもの学力」を伸ばしてくれる学校の「教育力」ランキングという印象を与えるタイトルであることです。

そして「ランキング」の内容がどれだけ「意味あるものか」を訴えるところで競い合っている印象があります。

例えば、今回の「週刊ダイヤモンド」の記事は、次のように「ランキングの意味」を説明します。


似たような企画が他誌でも掲載されているが、本誌の特徴は、高校ごとに、1「国公立大学の偏差値」と「合格者数」を掛け合わせたものの合計を算出し、2その値を卒業生数で割って、ランキングしていることにある。

つまり、「卒業生1人当たりの国公立大学合格力」によるランキングだ。

国公立大学は1人1校1学部しか合格できないから、私立大学のように優秀な学生がいくつもの大学・学部に受かって、その高校の見かけ上の合格者数が大きくなるということがない。

また、卒業生数を勘案することで、学校の規模の大小に影響されなくなる。一部の高校には、「医進コース」など、少数の俊英を集めて特別に教育して、難関大学の合格者数が急増しているところがあるが、本誌では学校の平均学力を算出して比較している。(詳細は、本誌の「ランキングの見方」を参照していただきたい)。


「ダイヤモンドオンライン」より引用)



解説によると、「卒業生1人当たりの国公立大学合格力」が「学校の平均学力」だと見て、ランキングを作成しているようです。

さらに、オンラインの説明によると、


卒業生1人当たりの国公立大学の合格力を尺度にしているため、ある程度、公平に、全国における各高校の「生徒平均」の位置づけが示される。

また、多くの国公立大学では、5教科7科目のセンター試験の受験が必須で、難関大学ともなれば2次試験の科目数も多い。したがって、その合格者数で測った本ランキングは、各高校の「総合的な学力」レベルを評価している。

(以上、引用)



「国公立大学の合格力」は、「総合的な学力」レベルを評価することとなるという。

いったい、本来の「学力」そして学校ごとの「教育する力」はどこに行ってしまったのでしょうか?

生徒の「学力」は、「国公立大学に合格することで、学校の「教育力」は、いかに効率的に多くの生徒を合格させるかという、コストパフォーマンスにかかっている、という見方です。


そういえば、「パート2」の記事に「入りやすくて合格実績が高い『お得な学校』ランキング 」もありました。


さてさて、果たして賢明なる受験生の親御さんたちは、こうしたランキングをどこまで「信頼」しているのでしょうか?

問題はいくつかあります。

まずは、「国公立大学」への一方的な(無批判とも見える)評価です。国公立大学であれば、「総合的な学力」を評価できるのでしょうか?

かつて、国立大学と言えば、学費も安く「国家有用の人材」を育てる使命を思わせる有為な人材育成の場でありました。

しかし、今や「大学の実力」などにある通り、「国公立大学」だからといって、学問に専念して、社会に貢献することを目指す学生ばかりではありません。場合によっては、地方の私立大学の方が有為な人材を輩出している例は少なくありません。

実際、国公立大学の授業料は年間55万円からかかります。学費おさえめの私立大学と大きく差があるわけでもありません。

早稲田大学や慶応大学、私立医学部と比べれば少し差は開きますが、数十年前とは全く事情が異なります。

国公立大学の学生が、「国民の税金に支えられて国家のために懸命に学問に励む時代」でないことは周知のことだと思います。


次に、問題なのは、国公立大学に合格することが「総合的な学力」の評価を意味するとは限らないということです。

言うまでもなく「センター試験」を課す私立大学は多く、また、一部国公立大学ではセンター試験の基準が低く二次試験での配点が高い大学も相当数あります。

よく、記事では「旧七帝国大学」とか、「国公立難関大学」などのデータを使用していますが、全てが「総合的な学力」を正しく評価するかは疑問の余地があります。

私立大学でも「総合的な学力」を要求する入試を行っている大学はいくつもあります。


そして最後に、「大学合格者数は現役と既卒者を含む」ランキングである問題点があります。

都市部の公立校や一部進学校では「浪人率」が高い高校が数多くあります。大学合格実績がそのまま高校の教育力に直結するかは一概に言うことは出来ません。

いわゆる浪人してからの自己努力が大きいことは言うまでもありません。場合によっては予備校の学力指導によるところが大きい場合もあるでしょう。


「高校の教育力」とは、「大学合格者数」で決まるものではないし、高校の「教育の本質」とは必ずしも同じでないことは皆さん分かっているのでしょう。


その上で、「結果」としての大学合格が気になるのも事実です。

大学合格を基準にしランキングは、「高校の実力」について、結果としての一部を表すものであっても、教育の質や内容をそのまま反映するものではないことは確かです。


こうした「ランキングのあやしさ」を踏まえた上で、学校を位置づける「面白さ」を楽しむことは否定されるものではありません。

まさに、「週刊誌ネタ」として話題にする程度であれば問題はないでしょう。


今回、こうした話題を取り上げたのは、「子どもの学力が伸びる!」など刺激的なタイトルに惹かれて「学力とは何か」「教育する力はどこで見るのか」について見誤る危険性を感じたからです。

週刊誌の言う「学力」の意味をよく見極めて、ランキングを検証するべきだと思います。


最近特に、受験をめぐる(大学を始め学校をめぐる)「ランキング」をよく目にします。

「ランキング記事」は単純に楽しんだり、話題として盛り上げるだけであれば面白くて興味深いものであると思いますが、本気で「学校」や「大学」を評価するのであれば、もっと様々な角度からの検討が必要であることは言うまでもありません。









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Last updated  2013年05月27日 17時22分28秒
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