極刑空間

『MinDeaD BlooD』感想　第四回


千砂倉町完全支配（「千砂倉の夜明け」END）

試行錯誤の末、邪魔な看護婦の捕獲に成功。

病院を支配して悠香を撃退。


これでクリアか……。

案外、空しいな。


なんか……もう、人の血を吸うの止めるか。

連中は「血は飲み物の一種」とか抜かしているし、無理に人を襲って悲劇を生むこともない。


そう考えて行動していたら、意外や意外。

悠香の面白い表情をわんさか発見できた。

正直、もう単純に敵だとは思えないな…。

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※以下、ネタバレ注意












































《５日目》


今日子と世間話をして、那津美の引越しの手伝いをした。

マユとマナはお屋敷でずっとお留守番。


街をブラブラしている内に、隠しエリア「公園」が出現。

しずるは桜の樹の下で、失われた記憶について思索する。

「あなたも……桜を見に来たの？」

そこに悠香出現。

互いに、敵同士だとは気付いていない。


悠香はすぐに去って行った。

こ、この展開は……。



《７日目》


何かに引き寄せられるように、足繁く公園に通うしずる。

悠香はいつもそこに居る……意外とヒマなんだろうか。

「悠香。……榊悠香。あなたは？」

「七瀬しずるだ」

度重なる邂逅の中、絆が芽生えそうで非常にマズい感じだ。



《１０日目》


公園にて、悠香と瓜二つの謎の女に遭遇。

「……また会いましょう。七瀬しずるクン」

……こいつが“園原醍醐”、なわけないよな。男の名前だろうし。


中央通方面に消えた女を追うしずるは、ゴロツキと乱交する悠香を発見。

「あいつ、多重人格とかそういうやつか？」

いやいや、まず服装が違うし。


事後、泣きじゃくる悠香を見て、しずるの失われた記憶の一部が蘇る。

女の泣き声。

雨の中に立つ、長髪の男……？

「俺の邪魔をするな……」

「誰だか知らねぇが、俺の邪魔をするなっ！！」

混乱し、一人喚くしずる。

今更、人間だった頃の記憶を取り戻せるのか…？




《１１日目》



公園で、悄然としている悠香。

しずるは昨夜の様子を見ていたことを話し、悠香を挑発する。

「……ごめんなさい。帰るわ。今日は、どうかしてる……」

逃げるように帰っていく悠香。

一方、しずるも奇妙な胸のざわつきを感じているようだ。

恋だよ、恋。



《１２日目》



公園に悠香は現れず、代わりに例の謎の女が出現。

謎の女は、吸血鬼を狩って回っているようだ。

「アニマ――それが私のもらった名前」

「アニマ」？

なんだか急にファンタジーな感じになったな。




《１３日目》



悠香はハンター仲間に武器のメンテナンスを依頼している。

「あなたから見て、私は何に見える？」

あの場面をしずるに見られたことで、悠香は酷く傷付いている。

「繁俊の野郎は、お前にそんなツラさせるために助けたわけじゃねぇよ」

“繁俊”……悠香の義父か。

悠香は義父と肉体関係があるとか言っていたけど、どうやらこれは吸血衝動絡みっぽいな。



《１４日目》



公園で悠香を待つしずる。

自分の過去に苛立ち、桜の樹を殴りつけている……。

「桜の樹がかわいそうよ」

やがて悠香が現れ、しずるに身の上話を始めた。

悠香には、激しい性欲を抑えきれなくなる時期があるようだ。


いや、知ってたけど。

満月だな。

「ううん、そんなの理由にならない。本当は私自身が望んでいるのよね……」

「ただの……淫 乱なの……」


いやいや、それは病気みたいなものでしょう。

嫌悪感でゲロ吐く姿を散々俺に見せといて、それは無いわ。


ともかく彼女が哀れな告白をする姿を見て、しずるはアニマと悠香が別人だと確信する。

でも、だとしたら尚更無関係ってことも有り得ないよな。


悠香の宿敵の名前は“園原醍醐”。

そして麻由と麻奈の苗字も“園原”……うぅむ。



《１７日目》



悠香は現れない。

ようやくわかってきたんだけど、悠香関連のイベントは「満月」がキーになっているようだ。




《２０日目》



今夜は満月。

路地裏で獲物を探すしずるは、偶然にも悠香に遭遇する。



悠香の異変に気付いたしずるは、前回の満月を思い出す。

そして悠香にボディーブロー。

気絶した悠香をラブホに拉致……何してんのお前は。



しずるは、恐らく見ず知らずの男に悠香が抱かれるのが我慢出来なかったのだろう。

かと言って、前後不覚の悠香を犯すのも気が引ける。

「何してんだ、俺は……ちくしょう……」

本当に何してんの…。

そんなだから俺に、元々はそれほど悪人じゃなかったんじゃないかと疑われちまうんだよ。


結局、悠香に手を出すしずる。

しかし吸血しようとした際、彼女の首筋に吸血痕を発見。

（こいつも吸血鬼なのか？しかも被害体って種類の……）

そういや、そんな説明もされたような気がするな。

吸血鬼に血を吸われた人間を、被害体と呼ぶと。


被害体の精神は、他者の体液を求めて不安定になり易い。

悠香は、自らの吸血衝動を抑える為に、敢えて倒錯的な行為に身を投じていたようだ。



《２１日目》


起き抜けの悠香は、同じベッドの中にしずるを確認し、頭を抱える。

「どうした？」

「こんなに自分が嫌になったのは久し振り」

うん……。

ちょっとずつ悠香を好きになってきたぞ、俺。


「また、次もやろうぜ。今度は外で、満月を見上げながらな」

「馬鹿っ！」


顔を真っ赤にして部屋から出て行く悠香。

意外だ……。

まるで普通の女の子みたいで可愛くて、つい先日まで殺し合っていたことを忘れそうだ。



今回は大分、物語の本筋に食い込んでいる気がする。

どうやらこれが、トゥルーエンドに向かうルートみたいだな。