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29条の2における、公知意匠、先願意匠、後願意匠の関係を整理すると、
公知意匠 :先出願意匠 同一または類似 先出願意匠:後願意匠 同一または類似、となります。 従って、後願は、公知意匠から見ると、同一、類似、または非類似のいずれかに該当します(当然です)。同一、類似の場合は、公知意匠を引例として後願は拒絶されます。非類似であれば、創作非容易性(3条2項)をクリアすることを条件に登録され得ます。すると、先出願者の実施意匠は、その登録意匠の効力範囲に該当することになります。 だから先出願者からすれば、このようなことは当然予測できるはずです。 にもかかわらず、なぜ29条の2が規定されたのか? そこまで先出願者を保護したいのか? 3条1項各号に該当することを要件としている理由として、青本931頁には以下の記載があります。 「その意匠登録出願(先出願)が拒絶されたときには、自ら意匠登録を受けることはできないながらも他人の許諾を得ることなく実施をすることが可能であり、その出願をした意匠の実施が後願に係る登録意匠によって後発的に意匠権侵害とはされないとの安心感を抱くものと認められることによる。」 これを読んで「安心感」ってなんぞやと思いません? 先述のように、後願は登録される可能性があるので安心なんてしていらないはずです。 この点で先出願が3条2項適用で拒絶になった場合とあまり差はありません。 先出願が3条2項で拒絶ということは、 公知意匠:先出願 非類似(3条2項カッコ書) 先出願: 後願 同一、類似 という関係なので、公知意匠から見れば後願は非類似となるからです。 すると、3条2項ではなくて3条1項各号を適用要件にしている理由がますますわからなくなりません? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.18 00:32:10
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