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ちょっと間があいてしまいました。
先日の「安心感」についての私の見解です。 拒絶査定された出願は先願の地位を喪失します(平成10年改正)。 この場合、先出願者が公知意匠に「類似」する意匠を実施していた場合は、公知意匠の抗弁が主張できるものと「誤解した安心感」を抱くだろうと特許庁は考たのだと考えています。 公知意匠の抗弁の射程範囲は、公知意匠と「同一」意匠に限られ、類似意匠の場合は、抗弁が主張できないと解されています。例えば、東京地裁平成9年4月25日判決(ゴム紐事件)。 ちなみにこの判決は改正直前になされています。 従って、平成10年改正により、先願の地位喪失により、先出願者が失った利益を少しでも保護するために3条1項各号を適用要件にしたと考えることができます。3条2項で拒絶が確定したなら、先出願は公知意匠から見て非類似なのだから(3条2項かっこ書)、そもそも公知意匠の抗弁なんて期待できません。 と、以上の説明はどの参考書にも記載されていません。 あくまで私の個人的見解です。 違うかもしれないし、そうかもしれません。 ちなみに、改正法により先願の地位を喪失することに伴い29条の2が規定された旨が青本929頁に記載されていますが、この説明は、制度の創設趣旨であって、3条1項各号適用要件の説明にはなっていません。 実は、この問題は、口述の練習会で出題されたそうです。 青本に記載された説明を再現できれば、合格レベルだと思われますが、こういう訊き方をされて、しかも短時間で答えようとするとほとんどの人がとまどってしまうと思います。 自分なりに整理しておいた方がいいのかもしれません。もちろん、論文に受かった後の話ですが..。 この問題が論文試験でそのまま問われることは無いと思います。 しかしながら、公知意匠の抗弁の解釈は答練でも出題されます。 これと29条の2も絡ませるとおもしろい問題ができると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.25 23:23:06
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