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ビデオで『アイデン&ティティ』と
『キューティーハニー』を観ました。 両作品とも「映画館で1,800円を払ってみた」としたら、 ツッコミどころ満載ではあるのですが、 「レンタルビデオ」でなら充分満足出来る、 いい意味での「B級傑作映画」でした。 以下に紹介してみます。 『アイデン&ティティ』 みうらじゅんのコミックを映画化した作品で、 監督は田口トモロヲ、脚本は宮藤官九郎です。 「イカ天」による「バンドブーム」が 「モデル」であろう「バンドブーム」の時に、 出した「1曲」が売れて、 一躍売れっ子になったバンド「スピードウェイ」。 しかし「バンドブーム」は去り、 その後売れなくなってしまって……というのが大筋です。 全体的に「みうらじゅん」氏独特の「ペーソス」と 「照れ」がベースになっていますので、 「感情移入」し、「ストーリーに入り込む」ことを あえて「拒ませる」ようにつくられている感じでは あるのですが、しかしボクはけっこう 「はいりこんで」観てしまいました。 「ブーム」に踊らされた形で売れた「デビュー曲」、 しかし「売れている」頃、「売れる方向」にだけ走って、 メンバーが思う「本物のロック」から「バンド」は 離れていってしまい、そしてパッタリと売れなくなります。 ここで、「その時の売れる方向」をその都度追っていけば、 生き長らえるかもしれません、 しかしそれは「自分たちの演りたいこと」ではない……。 そんな中、「バンドブーム」の時に「ライバル」だった 「バンド」の「ボーカリスト」と「主人公」の会話、 「バンドブームはもうすでに終わってるよ」 「だからこそ納得のいくものを創ってさ……」 「甘い、戦略だよ、生き残れるのは戦略のあるやつだけさ」。 そして「ライバル」はソロになり、 その後「ラップブーム」に乗って「ヒット」を飛ばし、 そしてその後は「ちょっとお笑いの入った司会者」になって 「一線で活躍」し続けます。 「機を見るに敏」に生きていくのが正しいのか、 しかし自分たちは「ロッカー」だ!! でも「仕事」はない……、そんな現実に悩み、 様々な屈辱に直面しつつ、最終的には事務所を辞め、 彼らが思う「本物のロック」を演っていく「道」を 選ぶというのが大まかなストーリーです、 ちとネタばれ気味はありますが(^^) 「本当に自分たちが演りたいロック」をやると決めた時、 以前「売れなかった頃」に働いていた 「やきとり屋」のバイトに戻って、 「生活費を稼ぐ」ことも受け入れなければなりません。 しかしそれが別に「悲壮」なわけではなく、 「バイトしてでも自分たちの演りたいロックが出来れば いいんだ」ということでもなく、 ただ「彼らのアイデンティティ」を取り戻し、 本当の意味での「スタート地点」に立つということ、 そしてそれは「誰かが見てくれているから」とか、 「評価してくれるから」ということでない、 「自分たちにとっての必然性」という立地点に あらためて立ち、その軸をぶらさないようにすることを 「明確」にするということなのではないでしょうか。 だからといって、「機を見るに敏」な「かつてのライバル」が ダメで、「いずれ奴はダメになる」ということではなく、 「自分たちがそれをやってしまったら、きっとかえってダメであり、 自分たちには合わない」というだけのことでして、 それは全て「自分らしくあること」こそ大事なのだという、 彼らが彼らなりの「底」を知ったからこその、 正直な実感なのではないかと思うのです。 主人公の彼女のように、 「キミが理想を追っているかぎり、私は好きよ、キミのこと」 と言ってくれる「理解者」は普通現れてはくれないでしょう、 しかしそんな「理解者」が現れずとも、 関係なく真摯な姿勢で「自分らしく」生きることの中でしか、 そのような「理解者」が現れてくれることは 100%ありえないのでしょう。 かなり青くさく、クサいメッセージを含む話ゆえ、 意図的に「なんちゃって」的な演出をしている感じなのですが、 「自分らしさとは何か?」と問い続け、 そしていつまでも「青くさい部分を失わずにいること」、 「裸の自分をさらけだすことが出来ること」の大事さを、 ボクはしっかり受けとめさせていただきました。 『キューティーハニー』 あえてストーリーがどうとか、そういうヤボな話は 抜きにして、理屈抜きで「楽しむ」のがいい、 そんな映画だと思います。 だからといって「レベルが低い」「お子様向け」 などということは決してなく、 「レベルの高いエンターテイメント」だとボクは思いますし、 すごく楽しめました!! サトエリの「天然」ぶりはかわいいし、 「堅物」役のコもイケてるし、 「他の人が持っていない能力」を持っているがゆえの「孤独」 もまた、よく描けているのではと思います。 観ていると「おにぎり」が食べたくなりますので、 「おにぎり」を用意しながら観ることをお薦めしますです(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年01月18日 11時19分23秒
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