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カテゴリ:スピリチュアル・ライフ
質疑応答の時間になり、会場から質問をしたい人が続々と集まり、
1Fのアリーナ席の真ん中の通路に長い行列ができました。 その先頭にいたのが北京オリンピック・金メダリストの石井選手でした。 ですが、最初に質問をしたのは、本日の講演の協賛者のひとりであり チベット問題を考えるグループの代表の方でした。 その方は列に並ばず、自席でマイクを持って話されました。 「チベットの現状を憂いており、中国政府に怒りを感じている」と 質問なのか、意見なのか、ちょっぴり不明の言葉を並べられました。 質問者の気持ちはわかります。ですが、法王のお話を聴いてきて、 今日この場で法王はチベット問題をお話することはないだろう、と私は思っていたので 法王がどんなお答えをなさるのか、期待と不安を持って待ちました。 法王は、「怒りの鎮め方」について説かれました。 講演の最初のほうでもお話された『すべては相対的に存在する』を再びお話され、 怒りに相対する感情を多くもつことで怒りが鎮まること、 また、仏教の法典の第○章(これは仏教を勉強している人ならすぐわかるものらしいです)に 忍耐について説かれているので参考になさるように、とお話されました。 私を含め、法王の回答に安堵した方は多かったと思います。 そして、次に列の先頭で待っていた体の大きな青年、石井選手が質問しました。 「たくさんの人が私にアドバイスをくれます。私はアドバイスをいただくのは好きです。 ですが、あまりにたくさんの人がアドバイスをしてくれるので どうしてよいかわかりません」 会場から笑い声と「がんばれ~!」という応援の声がかかりました。 法王は「アドバイスひとつひとつについて、よく考えなさい。 よく考えるとは、内容を調べ、検証するということです。 わからない、ではなく、調べるのです。自分で調べ、納得しなければなりません。 そしてどのアドバイスに従うかを決めるのは、自分自身です。 自分で判断をすることが大切です」とにこやかにお答えになりました。 石井選手が法王にお礼を言って頭を下げると、 再び会場から「がんばれー!」と声がかかりました。 次はモンゴルから留学している女子大生の方が質問に立ちました。 彼女は流暢な英語で「私はさまざまな立場の指導者を尊敬するけれど その中で一番尊敬しているのはダライ・ラマ法王、あなたです」と言いました。 すると、法王はにこにこ笑いながら、 「私は仏陀のメッセンジャーにしかすぎません」と言いました。 同じアジア大陸の中央山間部エリア出身ということに親しみをもたれたのか 法王はこの女学生に温かくやさしい眼差しを送っていました。 そして、「あなたはモンゴル人、私はチベット人、だけど、私たちのルーツは同じです。 その昔、私たちの祖先はバーバリアン(野蛮人)で、野を山を駆け回っていたはずです。 でも、仏教が伝来したことで、私たちの祖先は人間らしい生活を考え始めたのだと思います」 と話されました。 異国の地で一生懸命勉強していると思われる女学生に会場から温かい拍手が寄せられました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月09日 14時56分39秒
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